魔性の女とは男を破滅させずにはおかない女だという。
これは小説の上だけでの話なのかそれともそういう女性がほんとうにいるのかは知らない。
だが、文学上ではカルメンという女性がそういう女性として描かれているらしい。そして、このマノン・レスコーもそういう種類の女性だという。
若いときに武谷三男の愛読書の一つが、この『マノン・レスコー』だったと書いている。他に二つくらいの文学の愛読書があるのだが、これは覚えていない。
たぶん、岩波文庫か何かに訳されて彼の年代の若い人が読んだ小説だったのであろう。
武谷三男はなかなか捉えにくい人物であり、そういう側面まで知って彼の本質に迫るようにしないと彼の本質は理解できないのではないかと思い出した最近である。