ピタゴラスの定理について以前に書いたエッセイを修正しているが、その関係でピタゴラスの定理について書いた本を数冊参照している。
その1冊はそのずばりのタイトルの『ピタゴラスの定理』(東海大学出版会)であり、もう1冊は標題の『小学生にピタゴラス』(みすず書房)である。
はじめに参照したのはもちろん『ピタゴラスの定理』であるが、これはずいぶん昔に書かれた本らしいが、とても行き届いた書きようであるらしい。
いま一つの見ている本は『小学生にピタゴラス』である。ところがこの中の文章にわからないところがいくつか出てきている。わからないところが1か所でないところが問題である。
編集者が前もって読んで「先生、これでは意味がわかりません」とか言わなかったのだろうか。私は物わかりのわるいことを自認しているので、私が分らなかったとしてもそれ自体はこの本の欠点ではないのかもしれない。
だが、「先生、ここは言葉(説明)を補った方がいいのではないですか」とか言わなかったのだろうか。『小学生にピタゴラス』の著者は物理学者だった玉木英彦さんである。若いときには戦前の理化学研究所で研究をしていたことのある、優秀な研究者であることは周知である。
物理学者の武谷三男も理化学研究所で若いときに彼に出会った。それ以前からすでに知り合いであったかもしれないが。
最初のわからないことの一つは小学生にもわかるというピタゴラスの定理を示すという模型の説明がわからないのである。
模型自身のつくり方も詳しく書かれているのに。それで他の本も探して読んでみなくてはならないと考えている。