物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

ラプラスの悪魔とは

2023-12-08 13:14:54 | 物理学
ラプラスの悪魔とは何だったか思い出せなかったので、インターネットを検索したら、次のような記述があった。この説明だと物理学の力学を学んだことのある人にはわかりやすい。

(以下、インターネットの無断引用:はじめ)
ラプラスの悪魔とは、フランスの数学者ピエール・シモン・ラプラスによっ て提唱された仮想の存在です。 彼は、もし全ての粒子の位置と運動量、そして物質やエネルギーに関する情報が完全にわかれば、未来の全てを予測することができると主張しました。
(引用終わり)

「ラプラスの悪魔」を私は「ラプラスの魔」と前のブログで書いたが、同じつもりである。また英語のWikipediaでも説明がある。

Laplace's demon (ラプラスの悪魔)

In the history of science, Laplace's demon was a notable published articulation of causal determinism on a scientific basis by Pierre-Simon Laplace in 1814. (Wikipedia)

説明はほとんど同じである。articulationという語を知らないが、人間が考えた仕組みとでもいうのであろうか(注)。

もっともそういう初期状態の情報知識をすべて得ることはできないので、これは実際には到達不可能な仮定ではある。だが、そういう理想状態を考えるというところが数学者らしい。

(注)articulationをいま辞書を引いてみたら、「(言葉による)明瞭な表現」とあった。



鶴見さんの森毅評

2023-12-08 11:16:56 | 本と雑誌
数学者の森毅さんと哲学者の鶴見俊輔さんは一時期だが、同じ時期に朝日新聞の書評委員をしていた。

二人ともあまりアルコールを飲まない人であり、書評員会の後で二人でコーヒーを飲みながら話をしたらしい。鶴見さんは京都在住の哲学者であり、森さんも京都在住ではないが、京都大学に勤めていた数学者であった。

これは私が直接鶴見さんから聞いたことのある、森毅の感想である。鶴見さんは「Laplaceの魔」という考えがどこに出ていたのかを森さんに聞いたことがあったらしい。そしたら、その問いに森さんはきちんと調べて回答をしてくれた。

だから、鶴見さんは世間では森さんがちょっとちゃらんぽらんの数学者と思われがちだが、そうではなくて、きちんとした数学者であるという風に言われたと思う。いやきちんとこういう風にはいわれなかったのだろうが、私はそういう風に解釈をした。

森さんがちょっとちゃらんぽらんの数学者と思われがちな原因は彼の著した多くのエッセイ集による印象だと思う。だが、数学者はチャポランでは数学はできないことは私にはよく理解できる。