セガの「基礎線形代数講座」を昨夜から読み返している。とはいっても今まであまり読んで来なかった部分である。
私くらいの歳の者は大学の基礎課程で線形代数を学ばなかった世代に属する。私はそういう、もう博物館行きの世代である。私の後の世代ではもちろん大学の基礎課程で学ぶ数学は線形代数と微積分学が標準的な課程となっている。
それはいいのだが、四元数を十分に学ぶためには線形代数の知識が必要である。それで少しは線形代数を自学自習をしたのだが、まだまだ不足である。
そういう遅まきの学習であるが、Levi-Civitaの記号 は私の得意分野の一つになっている。またこのLevi-Civitaの記号は行列式の展開の各項の前に出てくる符号とと関係があることを小著『数学散歩』(国土社)p. 157で述べておいた。
Levi-Civitaの記号と行列式とが密接な関係があることを、このセガの「基礎線形代数講座」はもっと詳しく教えてくれていることを知った。以前にこの箇所を読んだときにも、この点を評価をしてはいたのだが、ちょっと信用するにたるのか。怪しげな感じも少し感じていた。
線型代数の本でここまで突っ込んで説明があるものはないのではないかと思う。世界的に見てもユニークなテクストではなかろうか。ベクトル解析の本と線形代数の本を照らしあわせても、ここまで進んだ記述はみられない。
それとも、私のあまり知らない微分形式の中にこういう記述もあるのであろうか。微分形式では微積分学の基本定理の一般化として「ストークスの定理」があることは多くの人にすでに知られていることだが。