少し数学を学ばねばならない。その一番重要なことは微分方程式をどのように解くかである。一般の微分方程式の解き方を知る必要はないので、単振動の方程式とか減衰振動の方程式とか強制振動の方程式の解き方を知る必要がある。
それらは方法として学べばなんてことはないのだが、そういう訳にもいかないだろう。昨日、紹介した原島鮮『力学』(裳華房)にはそれらのとき方が書いてあったような気もするが、定かではない。
遠山啓『数学入門』下(岩波新書)の終りの方にこれらの解き方が書いてあったと思うが、これを読んでわかる人はすでに微分方程式の解き方を知っている人かもしれない。
矢野健太郎『微分方程式』(裳華房)の数章を選んで読めばいいと思うが、この書がいまでも出版されているかどうか知らない。そのときにべき級数を使って微分方程式を解く方法をどこかで学んでおくといいが、それを私が学んだのは量子力学の講義においてであった。
もっともスレ―ター・フランクの『理論物理学入門』上(岩波書店)には最初の章に単振動の方程式の解を求めるのにべき級数の方法で求めている。もっとも私はこの章を読んでべき級数で微分方程式の解き方を学んだのではない。
微分積分とか線形代数とかがいまでは大学の基礎課程で学ぶ数学である。そのくらいは知っておきたいが、私の大学時代は過渡期で線形代数はまだ標準的コースではなかった。高校の友人だった K 君はそのころすでに京都大学で佐武一郎『行列と行列式』をテクストとして線形代数を学んでいたけれども。
線形代数は固有値問題を解くくらいまででいいのではないかと思う。私が少し読んだことがあるのは古屋茂『行列と行列式』(培風館)であるが、この本のごく一部を読んだだけであり、まともに線形代数を学んだことがない。
物理数学としてはやはり培風館の新数学シリーズの中に入っていた高橋健人『物理数学』をテクストとして大学で学んだ。それからベクトル解析は大学では電磁気学の講義の一部として学んだだけだが、やはり新数学シリーズの中の安達忠次『ベクトルとテンソル』(培風館)を勉強したが、これも一部しか読んだことがない。
いまも出版されているのかどうかは知らないが、マージナウ・マーフィ『物理と化学を学ぶための数学I』(共立全書)の第4章ベクトル解析を読んだら役立つだろう。
変分法は大学の物理数学の講義で聞いたのだが、そのときにテクストはなかったので、後でゴールドスタイン『古典力学』(吉岡書店)の第2章「変分原理とラグランジュ方程式」を読んだと思う。