物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

STS

2016-12-19 13:38:48 | 日記

とは何だ。STSはScience, Tecnology, and Society(科学、工学、社会)の略だという。科学も工学も社会への影響を考えながら、その発展をはかれということらしいが、それはすでに心ある科学者が行って来たのである。

物理学者だった武谷三男を最近批判した論考が現れていて、それらは武谷が科学至上主義だったように書いてそれでそこが武谷の限界だったというふうに論じているきらいがある。

だが、彼が科学至上主義一本やりだったら、ビキニの水爆実験による「死の灰」の事をとりあげなかっただろう。だから最近のSTSはすでに50年以上も昔からその先駆者がいたということを忘れてはならないだろう。

どうも最近そういう風な議論が日本に急に起って来たわけではないのだ。そこをまちがえてもらっては困るのではないか。

日本では特に外国ではじまった運動とか活動とかは評価したり、有難がるが、実は日本の中にすでに先駆者がおられて活動をしてきた。それを評価しないで外国から来たものばかりを有難がるそういうことでなければよいが。


東京で知ったこと

2016-12-17 13:59:01 | 日記

などと書くと学問的なことかと思われるのだろうが、そうではない。地下鉄の駅の出口のことである。

実は半蔵門線の清澄白河という駅の出口近くにあったあるホテルに1週間にわたって滞在していたのだが、このホテルは駅の出口の近くにあった。

ところがはじめこのホテルを探すのに苦労した。一般に地下鉄の駅の出口はA1, A2, A3とかB1, B2, B3とか番号がついているが、この前のAとかBとかが何を意味しているのか知らなかったが、今回の経験からそれが何を意味しているのかが、ようやくわかった。

Aとはある一つの通りに沿った出口であり、多分番号が大きくなるほど駅から遠くに出口があるというふうに番号付けがされているのだろう。Bとついていれば、またAという番号のついた出口とはちがったもう一つの通りに面した出口をもつのであろう。もしかもっと複雑な場合にはCとつく出口がある場合もあるだろう。

それが今回ホテル探しに苦労して得た教訓である。通りのそこかしこにある地図を見てもどうともわからない頭をもった方向音痴の私であった。


先刻、東京から帰ってきた

2016-12-16 17:04:15 | 日記

11日ほど東京に行っていた。突然のことではある。主に国会図書館に通って遠山啓さんの本を借出しては彼の著作目録の資料の穴埋めをしていた。

一日友人と高尾山に登るという気払しもした。車でホテルまで迎えに来てくれてまたかつ送ってくださったKさんには感謝はいくら言っても言い尽くせないだろう。

それに宿のホテルをとってくれた子どもにも感謝、感謝である。ホテルは地下鉄の駅の隣であったので、町に出かけるのは都合がよかった。

大抵、200円前後で行くことができたので、東京は割かし遠い所へ行くのに便利である。それに比べて近いところへ出かけると割高になる。

国会図書館に出かけた最後の日に神田の自然科学書の専門の古本屋である、明倫館を覗いてみたが、特に収穫はなかった。藤森良夫の書の幾何の書があるかと思ったのだが、それはなかった。


日曜はいつものように

2016-12-05 13:07:11 | 日記

一日自宅で新聞を読んだり、本を読んだりして過ごした。

いま読んでいるのは金森修編著『昭和後期の科学思想史』(勁草書房)である。もちろん、全体を読んでいるわけではなく、武谷三男とか広重徹とかに関した第1章と第4章を中心にして読んでいる。

多くの人がこの書に寄稿しているのだが、当該の章を担当している金山浩司と岡本拓司の箇所はなかなかの力作である。私のような頭の巡りの悪い者には大いに学ぶところがある。

特に岡本拓司の広重徹の項はページ数も多く読み応えがある。ただ、批判的な観点はあまりなく要領のいいサマリーというかといった感じがする。しかし、力作であることは事実である。


世界での事件

2016-12-03 12:34:22 | 日記

12月1日のドイツ語のクラスで世界の、日本の、ドイツの出来事を話せとか言われたのだが、それがまったく思い出せない。

先日亡くなったフィデル・カストロの名前も浮かんでこないという体たらくである。カストロを悪くいう人もあるが、やはり偉大な人の一人であろう。

もちろん、キューバは国が貧乏だとか言われるが、それでも医療が無料だとか言われる。社会主義は体制として古いかもしれないが、そのいいところは取り入れておく必要があろう。その一つは医療が無料または誰でも受けられるということだと思う。

アメリカでオバマがせっかくつくった医療制度をトランプはまただ台無しにしようとしている。これはうしろ向きの話である。トランプの施政がもう一期続くかどうかは彼がどのくらい有効な政策を実際に打てるかどうかにかかっている。

多くの人を一時期だますことができるとしても、永久にだますことはできないというのはやはり真実であろう。


一般の物理を何で学んだら

2016-12-02 12:33:27 | 日記

いいか? これの解答がなかなかできない。私の大学でのテククストは寺沢寛一編『物理学』上、下(裳華房)であったが、これは数学の説明が十分でないところがあるし、今ではもう出版されていないだろう。ただ話題が豊富なのがよかった。もっとも今では古すぎるであろう。だからもし出版されていても推薦できない。

数学的にもうちょっとしっかりしたものには吉田卯三郎(竹脇又一郎修訂)『物理学』上、下(三省堂)があるが、これも古いものだから、現在は出版されていないだろう。

それで力学とか電磁気学とかの専門の科目としての物理を学ぶ前の一般物理学としてあまり難しくはないものとして現在どれがいいのかわからない。たくさんの本が今では出ているはずだが、これがいいと思うような適当なものを思いつかない。これは単に私の不勉強のせいで、世の中の著者が悪いわけではない。

それでも無理矢理に現在持っている書を数冊あげてみよう。

1.加藤潔『理工系 物理学講義』(培風館)

2.原康夫『物理学基礎』(学術図書)

3.長岡洋介『物理の基礎』(東京教学社)

がある。3は力学と電磁気学だけしか扱っていないが、それだけをまず学びたいなら説明もしっかりしているのでこれがいいが、一般には2がいいかもしれない。カラー印刷もきれいだし、扱っているテーマも豊富だ。1は著者の加藤さんが自分で大学で教えている経験を生かしたテクストだと思われる。それぞれの個人の肌にあった本を選ぶのがよかろう。


数学・物理通信の発行

2016-12-02 11:54:46 | 日記

6巻8,9,10号を続けざまに発行した。これで今年の「数学・物理通信」のすべての発行は終わる。つぎは2017年の3月まで数学・物理通信の発行の活動はお休みになる。6巻5号が通巻で50号だったから、これで55号まで発刊したことになる。

なかなかの努力を要することのようだが、これは投稿する人たちが偉いと思う。編集発行人の努力など大したことではない。

しかし、そのような土壌がこの日本の社会になるということである。それにしてもメールで発行するサーキュラーをどうして思いついたのか自分でもわからない。自分の自由になる発表媒体がほしいと思っていたことだけははっきりしているのだが。


物理学を学ぶ前に

2016-12-01 10:47:09 | 日記

少し数学を学ばねばならない。その一番重要なことは微分方程式をどのように解くかである。一般の微分方程式の解き方を知る必要はないので、単振動の方程式とか減衰振動の方程式とか強制振動の方程式の解き方を知る必要がある。

それらは方法として学べばなんてことはないのだが、そういう訳にもいかないだろう。昨日、紹介した原島鮮『力学』(裳華房)にはそれらのとき方が書いてあったような気もするが、定かではない。

遠山啓『数学入門』下(岩波新書)の終りの方にこれらの解き方が書いてあったと思うが、これを読んでわかる人はすでに微分方程式の解き方を知っている人かもしれない。

矢野健太郎『微分方程式』(裳華房)の数章を選んで読めばいいと思うが、この書がいまでも出版されているかどうか知らない。そのときにべき級数を使って微分方程式を解く方法をどこかで学んでおくといいが、それを私が学んだのは量子力学の講義においてであった。

もっともスレ―ター・フランクの『理論物理学入門』上(岩波書店)には最初の章に単振動の方程式の解を求めるのにべき級数の方法で求めている。もっとも私はこの章を読んでべき級数で微分方程式の解き方を学んだのではない。

微分積分とか線形代数とかがいまでは大学の基礎課程で学ぶ数学である。そのくらいは知っておきたいが、私の大学時代は過渡期で線形代数はまだ標準的コースではなかった。高校の友人だった K 君はそのころすでに京都大学で佐武一郎『行列と行列式』をテクストとして線形代数を学んでいたけれども。

線形代数は固有値問題を解くくらいまででいいのではないかと思う。私が少し読んだことがあるのは古屋茂『行列と行列式』(培風館)であるが、この本のごく一部を読んだだけであり、まともに線形代数を学んだことがない。

物理数学としてはやはり培風館の新数学シリーズの中に入っていた高橋健人『物理数学』をテクストとして大学で学んだ。それからベクトル解析は大学では電磁気学の講義の一部として学んだだけだが、やはり新数学シリーズの中の安達忠次『ベクトルとテンソル』(培風館)を勉強したが、これも一部しか読んだことがない。

いまも出版されているのかどうかは知らないが、マージナウ・マーフィ『物理と化学を学ぶための数学I』(共立全書)の第4章ベクトル解析を読んだら役立つだろう。

変分法は大学の物理数学の講義で聞いたのだが、そのときにテクストはなかったので、後でゴールドスタイン『古典力学』(吉岡書店)の第2章「変分原理とラグランジュ方程式」を読んだと思う。