スミルノフ『高等数学教程』II巻(共立出版)は1959年の発行であるから、私が大学生のころにはもう発行されていた数学コースである(注)。
だが、これまでこれをほんのごく一部を除いて読んだことがなかった。これからもあまり読むことはないだろう。だが、ときどきは参照してみたい叢書である。
ガウスの定理とストークスの定理とかがどこで扱われているかであるが、私などはベクトル解析においてであると思っていた。
ところが、上記のスミルノフ『高等数学教程』ではII巻の第二分冊にベクトル解析が取り扱われているが、ガウスの定理とストークスの定理等はベクトル解析のところではなく、その前のI巻の重積分の章に取り扱われていることを最近知った。
まだ、このところを読んでいないので、その記述がどうであるのかはわからないが、ちょっとあまり説明がよさそうだとは思えない。
ベクトル代数のところは結構興味深く書かれていることを最近知ったので、これらの定理についてもその記述がすぐれたものであることを期待していたのにである。
先日述べたラングの『続解析入門』(岩波書店)でも多変数の解析で、これらの定理の説明がある。必ずしもベクトル解析とは関係がない。
しかし、高木貞治『解析概論』(岩波書店)にはいちおうベクトル記法との関連でこれらの定理は書かれている。
これは、しかし、Croweの”A History of Vector Analysis" (Dover)にも書かれていたことではあった。
(注)約40数年前にドイツのマインツ大学でルームメイトだった、韓国人の物理学者のK. J. Kimさんの書棚にはこのスミルノフ『高等数学教程』の全巻が鎮座ましましていた。それももちろんのことだが、日本語の本であった。彼は日本語は話せなかったが、日本語のこの数学のシリーズはもっており、学生の時に読んだことがあるということだった。
韓国人は日本語の本を読むことはやさしいという。語順はハングルと日本語とは全く同じなので。
残念ながら外国語音痴の私はハングルを勉強しようと思ったことがない。どうもあのハングル文字が私に敷居を高く感じさせて、ハングルの学習の邪魔をしている。あれはとても合理的にできているとは聞いているが。
私のブログをときどき訪れてくれる、Sさんはこのハングルができるので、尊敬の念をもっている。