物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

「異説 遠山啓伝」がおもしろかった

2023-07-15 18:10:38 | 本と雑誌
「異説 遠山啓伝」がおもしろかった。これは中公文庫の遠山啓『数学と人間』の巻末に再掲された数学者・森毅による「遠山啓伝」である。

前にどこかで読んでいたとは思うが、なかなか遠山さんの本当の姿をとらえているのではなかろうか。ある時期まで数学のテクストをつくることに専心していたのが楽しい授業とか教育関係の市民運動家になったとかいうのは最近知った側面だが、私はあくまで学ぶためのテクストをつくりたいという気が強い方だ。

そういう意味では遠山さんとはちょっと違った側面をもった人間である。森毅は大学を定年になって元気をなくす人と元気なる人とがあるという。遠山さんも私も大学を定年になって元気づいたという点では似通っているかもしれない。

『数学と人間』は税込みだと1000円を超えるが、もし好奇心ある方は読んで見られたらいいと思う。

(2023.7.17付記)  もっとも私は人づきあいがあまり好きではない。遠山さんは人づきあいが好きだったかどうかはわからないが、それでも人づき合いをそれほど苦にしない人だったのだろうと思う。

水道方式とかをつぶしにかかってきた文部省関係の人との対決をおそれはしない。それほどは苦にしなかったのだろうが、私などだったら耐えられないであろう。

生き方として板倉聖宣があまり目立たないように努力して生きたということをどこかで読んでいるのでそういう生き方をしたいと思う方である。

仮設実験授業で有名だった板倉だが、ひょっとして遠山の様子をみてそこから学んだ知恵だったのか知れないなどと想像していたりする自分がいる。




約束通り13巻4号を発行した

2023-07-15 18:02:20 | 物理学
数学・物理通信13巻4号を前のブログで約束したように発行した。

なかなか大変だった。それに今回は休刊するとのお知らせをメールに入れたので少し手間がかかった。

これは本当は数学・物理通信の編集後記の後ろに入れようかと思っていたのだが、スペースがもうなかったのでやめにしたのである。1ページ増やして休刊の公告をいれてもよかったのだが、そうする気がなくなったのである。

誰がわるいわけでもないが、そういうことがある。





シケイダー

2023-07-15 13:19:04 | 本と雑誌
シケイダー(死刑だ)と読んだ人にはすみません。これはセミの鳴き声を聞いた妻がささやいていたことです。

私などは歳ですから、「死刑だ」とは聞こえなくて、「不敬だ」といったのかと思いました。

cicada singingと英語でいうのだそうです。セミの鳴くことを。これは最近スマホで日本語を英語に訳することを遊びにしている妻の言うことでした。


すみません。発行が遅れました。

2023-07-15 12:37:48 | 数学
すみません。発行が遅れました。

「数学・物理通信」13巻4号のことである。昨日の午後に発行するつもりであったが、今まとめている「遠山啓博士の著作目録」の仕事をしているうちにそちらに夢中になって発行することを忘れた。

今日は発行をするつもりである。でも現在の関心事は「遠山啓博士の著作目録」の仕事の方にあるので、またまた先延ばしになるかもしれない。

「遠山啓博士の著作目録」は50ページを越えたが、こういう退屈なものはどこにも発表はしてもらえないので、自分で発行するしかないのである。

だが、懸案の箇所が3つか4つあったのだが、それらがほぼ解決して残りひとつをどうしようかとしていた。これは国会図書館の遠山啓で図書を検索したらひっかかったものである。

それは岩波講座『基礎数学』の月報に遠山が書いた「集合・量・数」というエッセイである。これを国会図書館ではその第3次配本のときの月報を集めて製本したらしい。

前に、私のもっているこの岩波講座『基礎数学』(第2回配本)の月報を調べたのだが、見当たらなかったと思っていた。しかし、もう一度先ほど丹念に調べたら、岩波講座『基礎数学』10(第2回配本)の月報に出ていた。

これだと第1回配本のときに、すでにいずれかの回に配本された月報にすでに出ていたのであろう。遠山啓は1979年に亡くなっている。そして、私の購入した第2回配本の岩波講座『基礎数学』10は1982年9月の発行となっているので、遠山が書いた「集合・量・数」というエッセイは少なくとも1979年以前であることがわかる。

岩波講座『基礎数学』10についている分冊はいずれも『解析入門 III - V』であるが、一番早い分冊の第1回配本の発行は1977年11月2日であり、もしこのときに間に合うように遠山が上記のエッセイを書くことは生前だから十分可能である。

国会図書館の目録で検索されたのは岩波講座『基礎数学』第3回配本の月報の製本であり、第3回配本はもちろん購入しなかった。それが1987年ころであったと思われる。国会図書館の本としては1987.7の日付がついているらしい。

この件の調査をもって「遠山啓博士の著作目録」に関係した、私のもっていた懸案事項はすべて終わった。原理的にはこのことを注記した上でいつでも「遠山啓博士の著作目録」を掲載した「数学・物理通信」号外号の発行はいつでもできることとなる。




「数学・物理通信」13巻4号の発行

2023-07-14 10:13:42 | 数学
今日は今一度自分の書いたところを読み返してから、「数学・物理通信」13巻4号の発行をするつもりである。午後の発行となるだろう。

このブログでは前からアナウンスしているように、例外を除いて来年3月まで「数学・物理通信」を休刊するつもりである。例外は9月に発行を予定している、13巻号外号である。これは「遠山啓博士の著作目録」と題するものである。

自分のパソコンに残ったデータを見ると一番古いこの関係のデータは2013年のものである。およそ10年にわたった執筆時間である。なかなか完成になるとは思えなかったのがこんなに時間がかかった理由である。2021年暮れにやはり「数学・物理通信」号外号で発表したのが始まりである。

その後、数学教育史がご専門のUさんの強力な協力を得て、改訂版ができようとしているが、それでもいくつかまだ調べねばならないことが残っていたことに昨夜気がついた。



イジメで学ぶ ε-δ 論法 ?

2023-07-13 14:09:42 | 数学
昨日今年の4月に出た、ちくま学芸文庫に収録された遠山啓『微分と積分』の新井仁之さんの解説をちらっと見たら、「イジメで学ぶ ε-δ 論法」とあるのかと思った。

よくよく見たら、「イメージで学ぶ ε-δ 論法」だったのでほっとした。私のように気の小さい者にはどきっとする。

こういうと勝手に面白がって話を面白くしているだけだととられようが、そうではない。本当にドキッとしたのだ。(影の声:これは深刻ですね)

いまごろになって本を読むとなかなか微分積分での ε-δ 論法は難しく感じられるが、実際に微分積分の講義を大学の教養課程で聞いたときにはそれほど難しいとは思わなかった。

講義された当時の先生の教え方がよかったのだろう。だがもうそういう話は忘れてしまっている。それで本で読んで思い出そうをとしてもなかなかわかり難いのである。この『微分と積分』にはイメージでこの ε-δ 論法を解説してあるというのであろう。しかし、そこをまだ詳しく読んでいない。

遠山啓教授の著作目録

2023-07-12 12:43:05 | 数学
まだ13巻4号は発行していないが、ほぼ私の気持ちとしてはこの号の事務は終わった。発行事務はもちろんの除いてではある。

それでつぎのことに関心が向いている。これは「遠山啓教授の著作目録」の編集である。いちおう9月発行ということにしているが、これは私自身はもっと早く発行して9月には完全にフリーになっておきたかった。どうもそうはいかない義理と未知のデータの探索ができた。

昨年のいまごろはこの著作目録の作成に気を取られていたと思う。それにしても私一人ではできないほどの充実した著作目録をつくれたと思っている。

もっとも完全に近いかと言えばなかなかそうはいかない。数学・物理通信13巻号外号に発表予定である。これが発行されると今までつくられたことないほどの充実の著作目録である。

インターネットで数学・物理通信で検索するか、「遠山啓教授の著作目録」で検索してほしい。現在の著作目録でも他のどの文献よりも詳しい著作目録である。





「数学・物理通信」13巻4号の発行の準備がととのった

2023-07-11 16:29:56 | 物理学
ようやく「数学・物理通信」13巻4号の発行の準備がととのった。

6月中に本来発行するべきであったのだが、いろいろトラブルがあったりして遅れている。

うまくいけば今週の後半に発行することになろうか。「数学・物理通信」のタイトルである、物理系の話題が多くなってきた。

関係者は物理関係の人が多いのだが、応用数学めいていたのだ。それが本来の物理関係のテーマが増えそうである。

いいことであろう。それはともかくとして「数学・物理通信」はしばらく休刊するつもりなので冬眠ではなく夏眠に入ることになる。もっとも夏眠から冬眠を経て、死亡ということにもなりかねないが。

個人的に発行しているサーキュラーなので、別に他人に迷惑をかけるわけではない。もっとも期待して今まで投稿してくださっていた方々には迷惑をかけることになるのは言うまでもない。




OCNに化けた者

2023-07-11 16:23:47 | 本と雑誌
いややられてしまった。OCNに化けた者にパスワードを盗まれてしまったたぶん。

大抵のことは用心しているつもりだが、ついうっかりしてしまった。失敗失敗。今後自分のメールに関係してトラブルが起こるかもしれない。どうしたらいいのだろうか。わからない。



latexとのつきあい

2023-07-11 13:55:56 | 本と雑誌
latexとのつきあいができたのはいつごろだったか。

Supplement of Progress of Theoretical Physics, No.138(2000)に投稿した原稿はlatexで書こうとした覚えがある。もっともエラーが出て困って共著者のEさんにエラーを修正してもらってなんとかlatexでの原稿を投稿できたと思う。

この雑誌が2000年の発行だから、それよりは以前であるから、1998年か1999年のことであろうか。

大学を2005年に退職して、すぐにしたことは不義理をしていた
ゴールドスタインの『古典力学』上のlatexの翻訳原稿をつくることだった。これは2006年6月の発行だから、もうこのときはだいぶんlatexに慣れていたと思う。

この本の下巻は2009年3月だから上巻を発行してから間隔があいてしまった。これも全部latexで訳の原稿をつくった。少なくとも式は全部自分たちで入力をしたと思う。

e-Learnigのコンテンツもlatexでつくりたかったが、協力者がlatexを使わないとのことでワードで原稿をつくった覚えがある。今思えば、latexで原稿をつくっておくべきだった。後悔をしている。これが何年間にわたったのかは覚えていない。

latexを使える自信ができたのは要するにエラーが出てもなんとかそのエラーの原因を見つけて修正ができるようになってからである。いまでもときどきエラーの原因がわからなくて、難渋することがある。

5月くらいから

2023-07-10 14:26:03 | 本と雑誌
パソコンが壊れ、マウスが調子がわるくなり、それからレーザープリンターのトナーが切れたりと自分の体がわるくなったった訳ではないが、それに等しいことが起こった。

それで仕事が滞ったり、または全く進まなかったりとした。それで「数学・物理通信」の進行が遅れた。査読者にはとてもひどい原稿を見せてしまった。

こういうことが続くと気が滅入る。これらは私には体の一部みたいな感じであったのだ。




お得意のドイツ語ネタを

2023-07-08 12:40:08 | 本と雑誌
今日はお得意のドイツ語ネタを書こう。とはいうものの私の失敗話である。今週の木曜日の夜のオンラインのドイツ語のクラスのときである。

「子どもの一家が国際会議に出席するためにニースに行っている」という話をした。このときにNice(ニース)と言ったのだが、Nizzaと訂正された。ニースがニッツアというなんてまったく知らなかった。

そういう私でもジュネーブはGenf(ゲンフ)というとかミラノはMailand(マイランド)、ヴェニスはVenedig(ヴェネディッヒ)、フィレンツエはFlorenz(フロレンツ)というとか言うとは知っている。しかし、ニースがNizzaだとは知らなかった。パリはParis(パリス)と語末のsを発音する。しかし、イギリスのLondonはそのままである。フランス語では確かLondresであったと思うが。

TokyoはTokioとも書くらしい。このことは知っていたけれども。 

(2023.7.20付記) 地中海はドイツ語でMittelmeerという。フランス語だとLa Mediterren'eeである。これは綴りは覚えていなかったので仏和辞典の助けを借りた。私はMeditarraneoと語尾がoで終わっていたと思ったのだが、ひょっとしてこちらはイタリア語かもしれない。

ということで昔買ったイタリア語小辞典を引きずり出して上の綴りをチェックした。oで終わればふつうイタリア語では男性名詞である。
   

量子力学から学ぶ行列

2023-07-07 12:23:55 | 物理学
最近だが、大学の基礎教育課程で学ぶ程度の線形代数をテクストで学ぼうとしてきたが、あまり成果があがらなかった。

それで逆に考えてはどうかと思いついた。私にとっては線形代数は量子力学とかその中の角運動量を学ぶためである。

最近では量子力学とはかなり長い間遠ざかっているので、四元数のための線形代数という観点もあるかもしれない。

それはともかくとして、こういう風に量子力学を学ぶためとか、四元数の理解のためとかと目的に即して行列なり、線形代数とかを学ぶという観点は案外いいアイディアなのではないかと思っている。

もちろん、そのために線形代数をはじめて学ぶときに得られるであろう利点を失ってしまうかもしれない。しかし、そういう観点で線形代数を学ぶことにしたテクストはあったほうがいいのではないかと思っている。




数学・物理通信13巻4号の編集

2023-07-06 10:57:16 | 物理学
数学・物理通信13巻4号の編集をとりあえず終えた。3号は6月30日に発行であったから、思ったよりは早くとりあえずの編集が終わったことになる。

もっともとりあえずの編集からの検討の時間が先号の場合は長かった。6月15日にとりあえずの編集を終えたから、それから2週間発行までにかかった。

これは私の原稿の不備の性であり、他の人の原稿のためではない。


月遅れの子規の俳句 

2023-07-05 13:42:08 | 本と雑誌
どうしたものか6月の子規の俳句をこのブログに書くのを忘れていた。
 
それでまだそれほど6月から月日が経っていないので、6月の子規の俳句を書いておこう。

  見送らん夏野に君の見えぬまで  子規
  seeing you off 
       until I can't see you
       summer field                                      Shiki (1895)

E大学の校友会の月替わりカレンダーには四国カルスト台地のハンカイソウ
(Japanese leopard plant)のオレンジの花が咲き誇っている写真が出ている。

写真を載せられないのが残念である。