宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

「省庁別審査」他省の政府参考人ゼロで負担軽減も、主計官「予算執行調査で」答弁、立憲政調代理「行政事業レビューの基金乖離率」を示し平、加藤大臣前向き村上大臣抵抗

2025年02月05日 17時25分01秒 | 第217通常会 2025年1月召集
[写真]立憲民主党のの城井崇政調会長代理、きょねん2024年9月8日、福岡県「JR博多駅博多口」で宮崎信行撮影。

 「省庁別審査」というものが始まりました。一般的質疑は財務大臣と要求大臣ですが、きょうはその時間帯の大臣以外の省庁からの政府参考人は全くゼロでした。質問取りの負担を軽減するのが目的だったようです。

【衆議院予算委員会 きょう令和7年2025年2月5日(水)】
 「令和7年度予算案」は5日目で、一般的質疑の1日目。これを安住淳委員長は「令和7年度総予算を審議するにあたり、理事会における熱心なご協議を経て各省庁別の予算について充実した審議を行うための新たな試みとしてこのたび、省庁別審査を行うことになりました。委員の皆様におかれましては、真摯な議論を賜りますようご協力をお願い申し上げます」と語りました。

 午前の部が旧経済企画庁、財務省、防衛省。午後の部が内閣官房・内閣府、復興庁、総務省。予算委員長は午後の部も含めた政府参考人出席要求を読み上げました。 

 地方公聴会も議決されました。来週2月12日(水)に群馬県と広島県で行われることになりました。

 安住さんは政参に答弁させる傾向がありますが、各大臣のほか、政府特別補佐人の公正取引委員長、会計検査院長も答弁しました。また、立憲の吉川元さんの直前に、今野治・主計官(総務省など担当)が政参に登録され、答弁しました。主計官の答弁は異例。これは予算査定ではなく予算執行調査に関する答弁で、吉川さんの質問の指摘の通りで、総務省の事業の執行率が低いと答弁しました。この後、吉川さんは次に行こうとしましたが、安住さんが村上誠一郎総務大臣にも答弁させ、村上さんは総務省をかばいました。

 また、小選挙区最年少議員の国民民主党の橋本幹彦さんが防衛省の制服組に答弁してほしかったとしたのを、委員長がとがめました。なお、筆者の独自調査では、橋本さんは現在は異例なことに、質問通告表を出していなかったかもしれません。

 予算審議は、立憲のスタートダッシュ通り、基金の積み増し額の減額修正を「財源」として高額療養費段階的引き上げ凍結、公立小中の給食費無償化の増額修正とする波が主流となっており、共産、維新も乗ろうとひっしです。

 基金の減額について、城井崇・政調会長代理は、行政事業レビューを活用しました。民主党政権は「行政改革相」を「行政刷新相」と呼んでいましたが、岡田克也大臣から稲田朋美大臣へと引き継がれました。本庄知史さんが大臣秘書官として官邸と4号館両方にある大臣秘書官室で担当していたので、詳しいと思われます。

 城井さんは「基金の事業費費の見込みと実際の執行額が大きく乖離している。乖離額と乖離率で状況を確認できる」として内閣府が集計した行政事業レビューに関する10から30基金ほどのリストを提示。城井さんは「乖離額や乖離率が大きい、つまり見込みに比べてほとんど使っていない基金の基金残高は積み過ぎている可能性がある」「国庫返納させて、そしてその積み過ぎ金額を物価高対策などに充てるべきだ」と述べました。

 城井さんは具体的に「総務省のデジタル基盤改革支援基金というのがあります。令和6年ですと、事業費見込みと実績の乖離額が、実に530億円に上っています。事業の執行率はたったの22%です」と述べました。村上大臣は「標準準拠システムの移行というのはですね、自治体の交付決定に執行するまでに一定のタイムラグが生じて、計上額と執行額に乖離が発生するんです」とし来年度に「基金の大部分が執行される見込みであります」と部下を思いやりました。

 全体の基金の積み過ぎ額に関連して、平将明内閣府、加藤勝信財務両大臣は実績として「行政事業レビューの結果として、1兆1500億円を国庫返納してもらう」と答弁しました。予算案に計上された基金の積み過ぎ額とは必ずしも一致しませんが、少なくとも1兆円を超えた積み過ぎが基金全体にあるということを、財務省が認めた答弁とうけとれます。

【衆議院内閣委員会】
 第三委員室で開かれ、林、伊東良孝、坂井学の3大臣が所信的あいさつをしました。

【参議院政治倫理審査会】
 長峯誠さん、野上浩太郎さんという、清和会でも主流にあった議員が弁明。2人とも、安倍晋三会長再登板より以前から、不記載の問題に気づいていたことを明かし、やり場のない憤りを見せました。

【参議院の3つの調査会】
 最終報告まで半年。2つの調査会が開かれ、参考人からの意見聴取と質疑をしました。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読くださり、ご寄付をお願いします。 
このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しています。
Ⓒ2025年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

きょう(2/5)午前11時半ごろから、吉村・石破会談が官邸で、再来月からの大阪・関西万博めぐって一部報道で「チケット売り捌き直談判」の憶測も

2025年02月05日 08時30分16秒 | 第217通常会 2025年1月召集
[写真]吉村洋文・大阪府知事、きょねん11月23日、東京・新宿駅東南口で宮崎信行撮影。

 きょう2月5日(水)の午前11時半ごろから、石破茂首相が吉村洋文・大阪府知事と首相官邸で会談することが分かりました。再来月に開幕が迫った大阪・関西万博(2025年4月13日から10月13日まで)が話題とみられますが、表敬ではなく、一部報道によると、経費を賄う入場券の売り捌きの協力を首相に直談判するとの観測もあります。

 会談にはおそらく、伊東良孝万博相、横山大阪市長らも同席するものとみられます。博覧会協会(万博協会)の会長・十倉さんは、経団連会長を日本生命の筒井さんと交代することから、財界影響力にも変化が生じていることが予想されます。

 与党・自民党は岸田首相、西村康稔経産相(ともに当時の肩書き)らが万博成功になみなみならぬ決意を官邸などで示してきており、維新としても足を向けられない状態が続いてきました。立憲民主党は党本部・大阪府連とも一貫して、大阪・関西万博の失敗とIRカジノ施設建設の白紙を求めていることから、与党と野党の流動化につながるきっかけになるかもしれません。

 この会談に関する続報は、当ニュースサイトではとくに報じない予定です。

 以上です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする