ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

「福山・岡田」地球温暖化対策法案がついに衆院を通過

2010年05月18日 22時37分02秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導


 【2010年5月18日 衆院本会議】

 2008年6月5日、東京・西銀座の時事通信ホールで開かれたシンポジウム老若男女で溢れかえりました。急きょしつらえらた別室でモニター中継で見守る人々。

 野党・民主党の地球温暖化シンポジウム。司会は岡崎トミ子さん、コーディネーターは福山哲郎さん(京都選挙区=改選)、パネリストの中には岡田克也さんの姿が・・・。

 
[写真]人で溢れかえった2008年6月のシンポジウム=民主党ホームページ。

 その前日、野党民主党の参院議員たちが事務総長に法案を提出しました。地球温暖化対策基本法案です。

 

[写真]地球温暖化対策基本法案を提出する、岡崎トミ子、福山哲郎・参院政審会長、直嶋正行・政調会長、(参院事務総長を挟んで)、増子輝彦、前田武志の各参院議員=2008年6月4日。

 これに先立つ2008年1月、民主党は幹事長直属の「地球温暖化対策本部」を設けました。本部長は岡田克也副代表、事務局長は福山哲郎さんでした。

 執行部を外れ、全国遊説をしながら、じっくり充電していた岡田さんは、ある日映画館で、アル・ゴアさんの映画「不都合な真実」を見て、ビックリ仰天。

 かねてから環境問題をライフワークにする福山さん、岡崎さんらと組んで、わずか半年で法案をまとめました。

 その内容は、排出権市場を創設し、二酸化炭素などの温室効果ガスを、

2020年までに、1990年比25%削減する

 という野心的な目標を含むものでした。

 しかし、2008年通常国会、2009年通常国会とも廃案となりました。まあ、野党ですから・・・

 2009年8月30日、政権交代。

 岡田・福山コンビは、外務省で大臣・副大臣としてコンビを組みます。そして、政権発足直後の国連総会にあわせた気候変動枠組み条約の会議で、鳩山由紀夫新首相が世界に向けて高らかにアピールしたのです。

 さて、第174通常国会で、閣法として、提出されました。排出量取引に関しては、経団連に限らず、連合内(基幹労連)からも異論が出ましたが、小沢鋭仁・環境相ら政務三役が様々な利害関係を調整し、閣議決定にこぎ着けました。衆院環境委員会では、重要広範議案として、鳩山首相も出席しました。

 5月18日の本会議では、気象予報士である民主党の斎藤やすのりさんが「ことし3月の地球の平均気温は過去最高だった」「審議を引き延ばしている場合ではない」「環境政策の失われた20年を作ったのはあなたたちだ!」と絶叫。一方、通産官僚出身の自民党の斎藤健さんは「経済あっての環境だ」と批判。

 法案提出のときには、新聞記事にもならなかった「福山・岡田法案」が、政権交代という国民の選択により衆院を通過しました。参院環境委員会での審議を経て、今国会に成立することは確実な情勢です。

 あまり注目されていませんが、世論調査では「地球温暖化対策」は関心がある政策事項のトップ3に入ります。

 それにしても、岡田さんってホントウに変人だなあ、と思います。だって、通産省出身だし、野党時代から経団連内に「囲む会」を持っているんですよ。通産省では、第2次オイルショック(1979年)のときに、石油の配給切符を作っていたという筋金入りの“石油族”なのに・・・

 岡田さんが外相になって以来、衆院では斎藤さん、町村信孝・元外相、参院では川口順子元外相・環境相といった通産省の先輩後輩が岡田さんを攻めることが見受けられました。そこに、すさまじい石油利権や製造業利権が見え隠れしました。

 通産省のキャリアは、その職歴の多くを、資源エネルギー庁など石油関連で歩みます。通産省が岡田さんをハーバード大学に研究員として1年間派遣したのも、石油関連の人脈を作らせるという意味合いも含んでいたんだと思います。

 さて、COP16に向けて、日本主導の環境外交は、どうなるか。ボールは外務省政務三役に投げられました。これからがスタートです。

 岡田さんはこの法律の目的を、「炭素に色を付けるんだ」と説明しています。日々の生活の中でも、CO2排出量に関心を寄せるという生活の中で、「環境と成長が成立する低炭素社会」を実現し、かけがえのない地球を残していきましょう。

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「民主党議員は腑抜け」 生方副幹事長が指摘

2010年05月18日 05時37分30秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 民主党副幹事長の生方幸夫さんが17日、ブログを更新し、小沢一郎幹事長について、「潔白を証明したいというのであれば堂々と証人喚問に応じるべきだ」と主張しました。

 さらに世論調査で鳩山内閣支持率が20%前後になっていることについて、「このまま党内から大きな声が上がってこない限り、鳩山・小沢体制で参議院選挙に突入してしまう」→「そうなれば世論調査の結果どおりになってしまう」→「ねじれ国会の再来」と予想し、第22回参院選で与党3党が過半数割れに追い込まれるとの見通しを示しました。

 第22回参院選(7月11日、25日あたり投票か?)の改選121人のうち、与党3党の当選者が54人を下回ると、「ねじれ国会」になります。

 「政権交代をして政治がいい方向に大きく変わるだろうと期待した国民に対して、これでは本当に申し訳ないと思います」と謝罪しました。ホントウにその通りまったく同感です。

 そのうえで、「いつから民主党の議員はこんな腑抜けになってしまったのでしょうか。残念でなりません」

 と結びました。

 経済評論家としての多数の著作のある生方さんだけに説得力があります・・・というか、生方さんが代議士会など公開の場で小沢一郎氏の面前で言ってほしいんですが。そうすれば、一部で、「生方宰相待望論」も出てくると思われます。

【生方幸夫さんのメールマガジン】

(引用はじめ、全文引用)

党内から声が上がってこない
5月17日(月)
 またまた日があいてしまって申し訳ありません。
 一昨日、小沢幹事長が検察の三度目の事情聴取に応じました。また、国会の政治倫理審査会に出席することも了承したとのことです。検察は早めに再捜査をして再度不起訴にして、検察審査会に戻す予定のようです。二度目の検察審査会がどうなるか分かりませんが、一度目の結果をだした審査員が6名残っているので、同じ起訴相当という結論になる可能性が高いと思います。
 また、政倫審は公開になるのか、非公開になるのかが一つの焦点です。私はもちろん公開にしなければ意味がないと思います。ただ政倫審では本当に国民の皆様に納得をしてもらうのは不可能でしょう。潔白を証明したいというのであれば、やはり堂々と証人喚問に応ずるべきだと私は思います。
 今日の朝日新聞や毎日新聞の世論調査によると、またまた内閣支持率も民主党の支持率も下がりました。普天間を巡って鳩山総理の発言は相変わらす迷走を続けていますし、小沢幹事長も柔ちゃんを参議院選挙に担ぎ出すなど、相変わらず選挙至上主義でやっておりますので、支持率が上がらないのも当然でしょう。
 このまま党内から大きな声が上がってこない限り、鳩山・小沢体制で参議院選挙に突入してしまう可能性が高いと思います。そうなれば世論調査の結果どおりになってしまいます。またまたねじれ国会の再来ということになります。
 折角、政権交代をして政治がいい方向に大きく変わるだろうと期待した国民に対して、これでは本当に申し訳ないと思います。きちんと党と政府の体制を立て直して、国民の負託に応えなければなりません。いつから民主党の議員はこんな腑抜けになってしまったのでしょうか。残念でなりません。
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恒三さん、「『沖縄県外移設は公約でない』と私が言うべきだった」と反省

2010年05月09日 06時52分57秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 「イチバン強い人(小沢一郎氏)に憎まれたら、お金の面でいじめられるんじゃないか。いろいろあってね、国民の声を堂々と言えない状態」だが、「連休中に若い諸君が選挙区で話を聞いてきて、やっぱり、俺は国民の代表だと言って、そんな目先の(小沢氏は)恐ろしいだの、(一新会に)いじめられたら困るだの、一切考えないでね、思ったことを言ってくれて、民主党が明るく活力ある政党になることを願っています」

 民主党前最高顧問の渡部恒三さんが9日朝、TBS時事放談に出演しました。普天間基地の「県外移設」をめぐる政府・民主党の混乱について、司会の東大教授、御厨貴さんが「鳩山首相の釈明の仕方が下手ではないか?」とたずねました。

 恒三さんは、「国民のみなさんに知っていただきたい」と切り出し、民主党のマニフェストには、「県外移設」とはヒトコトも書いていないことを強調しました。

 そのうえで、「鳩山君が演説で言っちゃったことは、間違いないんですね」と認め、善後策として、「別の者が、小沢君なり私なりが、『あれは鳩山君が沖縄で演説したけれども、民主党の公約にはなっておりません』と言えば、国民のみなさん、沖縄のみなさんにも理解していただけたのに」と述べ、総選挙中ないしは政権交代直後に、自らが軌道修正すべきだったと反省しました。

 共演した元自民党衆院議員(官房長官)の塩川正十郎さんは、「それはねえ、民主党の代表でしょう。自民党で言えば総裁、社会党で言えば委員長ですよ。これが言って、党と関係ないという無責任なことはないですよ」と恒三さんと首相を批判しました。

 5月4日、沖縄で、鳩山さんが「抑止力と知らなかった」と発言したことについて、恒三さんは、「国会議員でイチバン勉強していないのは私なんですが、私でも、沖縄の米軍基地がアジア太平洋の抑止力なのは知っていましたからね」と述べ、鳩山首相をたしなめました。

 小沢一郎幹事長について、「小沢さんに辞めてもらうのはお前の務めだ、と地元だけでなく全国でも言われている」として、小沢辞任待望論が恒三さんの下に寄せられていることを吐露しましたが、

 「申し訳ありませんが、私、小沢さんを辞めさせるだけの力はありません」と語りました。

 そのうえで、「鳩山君が代表で、小沢さんを幹事長に指名したんだから、鳩山君が小沢さんを呼んで、『あなた辞めてください』と言ったら辞めるしかない」と促しました。
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鳩山首相が沖縄で「海兵隊知らず」と未熟さのディスクロージャー

2010年05月04日 21時55分29秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導


 私が民主党をずっと支持しているのは「政権交代可能な二大政党政治を日本に根付かせたい」からです。これは4年に1回かそれ以上の時間軸で考える大目標です。

 では、その4年より小さい単位で目標にしているのは、「ディスクロージャー(情報の公開や共有)のある日本政治・社会の実現」です。

 野党時代から知っている民主党議員が政務三役になるとともに「政権成金」さながら、ディスクロージャーとは反対に、エンクロージャーというのでしょうか、情報や権限を囲い込む姿に、人間としての悲しい性を感じます。

 さて、鳩山政権の命運を左右しかねない「普天間問題」で、鳩山さんは5月4日、首相として初めて沖縄を訪問。午後6時過ぎに、報道陣に、答えました。

 その中で、

①「最低でも県外移設」とした総選挙当時は、なぜ米軍の海兵隊が沖縄に存在しなければいけない理由を知らなかった。

②その後に、沖縄に海兵隊が存在することで、日本とアジア太平洋地域の(平和を構築する)抑止力が生まれていることを知った。

③学べば学ぶほど、全体(陸海空軍と海兵隊の4軍という意味?)の中で連携しており、海兵隊だけを沖縄県外に移設しようという発想自体がおかしかった。

 と認めたと思われる発言をしました。(総理の発言原文は下に付けたニュースを参照してください)。

 そのうえで、

 「それを浅かったと言われれば、あるいは、その通りかもしれません
 
と、「未熟さのディスクロージャー」をしました。

 もっと早くしてほしかったですね。

 私は、4月21日の党首討論で、鳩山さんの発言に首をひねりました。次のようなヒジョーに不可解な答弁がありました。

 「私は、海兵隊を海兵隊のみでとらえるのではなくて、当然のことながら、これは航空の部隊もあるわけでございます。いわゆる空軍も存在をしております。いわゆる嘉手納、あるいは横須賀には今度は海軍がいるわけでありますが、すなわち、こういったトータルの中での抑止力の中で海兵隊の果たす役割というものは大きく存在をしているという意味で申し上げたつもりでございます。」

 この総理の発言は、
「海兵隊のみでなく」→「海兵隊の航空部隊」→「空軍」→「嘉手納の海軍」→「横須賀の海軍」

 の存在を考慮しています。まるで伝言ゲームのようです。そして、4軍の中で、「陸軍」の名前が出てこない。海軍については、沖縄県外から「横須賀(神奈川県)」の名前が出てくるけど、「佐世保(長崎県)」は出てこない。

 これは総理の太平洋全体における米軍、および、同盟国(日本・韓国・豪州など)の抑止力とその役割分担への理解不足をうかがわせるものでした。こういうのは知識を蓄えて、それから議論したりかみ砕いて、世界地図や地球儀をいろいろと見回してはじめて分かってくるものです。

 ここからは、私の意見です。
 
 一時的に、ワシントンの立場に立ってみて、アジア太平洋地域の安全保障を広く考えた場合、海兵隊の存在は沖縄しか、地政学的に考えられないと思います。沖縄県外の東シナ海(鹿児島・長崎県)となると、よく分かりませんが、沖縄県内でも、平野博文官房長官が空からみた与那国島などは、台湾に近すぎてNGだと思います。

 では、国外でグアム島やテニアン島など北マリアナ諸島へ全部移転するのは、これはユーラシア大陸、すなわち朝鮮半島や中国大陸などから遠すぎて、抑止力が少ない。

 そして、陸・海・空軍も含めた4軍全体での沖縄の未利用と思われる軍用地の返還交渉だとか、施設でなく兵員数ベースで、沖縄における米軍プレゼンスの負担解消の10年とか30年とか、そういう中長期的な時間軸での道筋を示したロードマップをつくるべきだと思います。

 また、私は個人的に辺野古に行ったことがありますが、その沖を埋め立てることは一人の日本国民として断乎、反対です。

 沖縄の声が一つになる、ということは実はありません。沖縄に基地があることで、軍用地主が潤っているという構造的な問題があります。

 沖縄の基地は、時間をかけて、徐々に徐々に縮小していくことが大事だと思います。もちろん、政府への信用・信頼が欠かせません。まずはその根っこ作りから始めないと、どうにもならないと、個人的には考えています。

 内政としては、政権交代後の早い段階で、重要課題(agenda)に設定すべきでなかったし、優先順位(priority)も高い話にすべきではなかったと振り返るしかありません。

 とりあえず、5月4日の時点で、鳩山さんが「未熟さのディスクロージャー」をしてくれたのはよかったと思います。政権の先行きに暗雲がたれ込めていますが、仮に倒れるにしても、「未熟さのディスクロージャー」をすれば、前に倒れることができると思います。

FNNニュース: 鳩山首相、海兵隊の役...


沖縄・名護市の稲嶺市長と会談した鳩山首相が会見を開いた。
鳩山首相は、4日午後6時すぎ、「その当時、海兵隊の存在というもの、そのものを取り上げれば、必ずしも抑止力として、沖縄に存在しなければならない理由にはならないと思っていました。ただ、このことを学べば学ぶにつけて、全体の中での海兵隊の役割というものを考えたときに、それがすべて連携をしていると、その中での抑止力というものが維持できるんだという思いに至ったところでございます。それを浅かったと言われれば、あるいは、その通りかもしれませんが」と述べた。
一方、会談を終えた稲嶺市長は、「はっきり県外と言ってほしかった。それがなかったことが残念で、とても心外です」と述べた。


 ◇

【第174回国会 国家基本政策委員会合同審査会 第3号】
平成22年4月21日(水曜日)

(前略)

○谷垣禎一君 総理の論法はいつもそうですね。やはりそういうことが国民に不安を与えていると、こういうことに思い至らないのかと私は不思議に思います。
 もう一回伺いたいんですが、総理は去年以来、先ほどの現行案に対する御批判の中でも、沖縄県民の気持ちということを随分おっしゃっています。最低でも県外、こうおっしゃった。これは今でも生きているんですね。

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私は、当時、そのように申し上げたことは事実でございます。今でも県外という思いを、少なくとも沖縄の……(発言する者あり)思いは思いでしょう。県外に当然移設先を求めていきたいという気持ちは変わっておりません。そして、当然のことながら、沖縄の県民の思い、思いを十分に理解をさせていただくならば、負担をできる限り軽減をさせていかなきゃならない、そのように感じております。

○谷垣禎一君 総理のこの問題に対するいろんな御認識、私、ちょっと根本的なことを問いたいんですが、普天間が果たしている抑止力、これを一体どういうふうに総理は理解しておられますか。

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私は、普天間と申しますか、海兵隊の皆さん方が果たしている抑止力、これは、沖縄全体あるいは日本全体として、当然のことながら日本を防衛するという意味での抑止力の役割というものはあると、しかも大きいと、そのように理解をしております。

○谷垣禎一君 沖縄海兵隊の持っている意味について、随分、今の御理解は偏った理解といいますか、中途半端な御理解だと私は考えます。
 沖縄の海兵隊、海兵隊の任務は、海外有事の際に真っ先に駆け付けて、そして非戦闘員の救出であるとか、あるいはその活動拠点を確保すると、こういう任務を負っている。ですから、普天間ヘリ部隊がその中核にこの極東においてはあるわけでございまして、極東、つまりフィリピン以北、それから朝鮮半島、それから台湾海峡、そういったところでの要するに抑止力の中心を担っているのがこの沖縄の普天間のヘリ部隊なんですよ。
 地政学的な、地政学的な位置がだから重要なんです。そのことを御理解かどうかということを私は問うたわけであります。

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私は、海兵隊を海兵隊のみでとらえるのではなくて、当然のことながら、これは航空の部隊もあるわけでございます。いわゆる空軍も存在をしております。いわゆる嘉手納、あるいは横須賀には今度は海軍がいるわけでありますが、すなわち、こういったトータルの中での抑止力の中で海兵隊の果たす役割というものは大きく存在をしているという意味で申し上げたつもりでございます。

○谷垣禎一君 もう一回申し上げますが、こういう沖縄の海兵隊の果たしている、極東の中で果たしている役割からいって、地政学的な位置付け、そういうものが極めて重要だと。したがって、抑止力を維持していくということをお考えになるならば選択肢は極めて限られている、このことを申し上げたいと思っているんです。例えばグアムに関しては、前も総理御自身がグアムは抑止力の観点から難しいということをおっしゃったことがありますね。
 私は、今いろいろな県外ということをおっしゃったけれども、総理に抑止力というものをきちっと維持していくというお考えがあるのかどうか、そこのところを疑問に思っているんです。

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 当然のことながら、私は、沖縄の負担の軽減と、しかしながら一方で、日米安全保障の中でのこの海兵隊を含むアメリカの日本においての抑止力を果たしているという、この役割というものは大きいと思っています。
 したがいまして、だから私も、沖縄から余り距離的に申し上げて遠くのところまで海兵隊というものを移すということは物理的に必ずしも適当ではないという中で、選択肢を様々考えていることも事実でございます。

○谷垣禎一君 いずれにせよ、総理の御答弁を伺っておりまして、国民あるいは沖縄県民、鹿児島県民、これ以上愚弄してもてあそぶことはもう許されないんですね。
 それから、アメリカの信頼、アジアの信頼、つまり、今の総理の御答弁を我々の周辺諸国は見守っていますよ。朝鮮半島、韓国から御覧になれば、韓国有事の際に沖縄の海兵隊は何日間あれば駆け付けてくれるか、こういうことを考えているわけです。今の総理の御答弁からは、御答弁からはそういうアジア全体のインフラになっているという認識が全くうかがわれない。
 つまり、私が申し上げたいのは、総理のそういう御答弁自身が我々の周辺世界の、日本だけではなくアメリカも含めて、情勢を混迷させている、こういうことにお気付きにならなきゃいけません

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 全くその御懸念は御不要でございます。
 私は、これは就任早々、東アジア共同体ということを構想しておりますが、その東アジア共同体を構想していく中でも、日米同盟、日米安保というものが大変重要だと。すなわち、日本とアメリカが安全保障でしっかりと結ばれているということが東アジアの国々に安定を与えているというのは、事実として、当然実態として認めているわけであります。そのような考え方の中で、私としても普天間の移設先というものを考えていかなければならないことは十分に理解をしているつもりでございますし、何も沖縄県民の皆さん方を愚弄するつもりはまるでありません。むしろ、沖縄県民の皆様方の今日までの大変大きな御負担を考えたときに、できる限りその御負担を減らすのが新政権の大きな責務ではないか、その思いで努力しているつもりでございます。

○谷垣禎一君 総理がどうおっしゃろうと、この問題をあなたは軽く見たんではないか。これは国民がみんな思っているんですよ。この間、総理は御自分の後援会で、四月十六日です、こういうあいさつをなさっています。普天間なんて皆さん知らなかったでしょう、それがもう国民の皆さんの一番の関心事となるということ自体がやはり何かメディアがいろいろと動き過ぎているなと私は思っておりますと、こうおっしゃっているんですね。この認識ですよ、極めて軽い認識。国民を愚弄し、この普天間の問題が持っている重み、理解しておられないということが如実に表れている。そういうことがこの問題の解決を遠ざけてきたんです。
 しかし、先ほどから、五月きちっとやるとおっしゃっている。今この場で、この場でですよ、今日はテレビでたくさん国民も見ておられる、職を賭して五月にはこの問題を解決すると国民に約束してください。

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 当然のことながら、私は、一つ一つの政策を実現に向けて、自分自身の覚悟というものを国民の皆さんに示しながら行動してまいってきているつもりでございます。
 したがいまして、今回の普天間の問題に関しましても五月末までと、そのように期限を切って行動をしているところでございます。私も、必ず関係閣僚と協力をしながら最終的な結論というものを五月末までに出さしてもらう、その決意を改めて国民の皆さんに申し上げておきます。

○谷垣禎一君 今私が問うたことは、努力するとか根性を入れて頑張る、こういうことを伺おうとしたんじゃないんですよ。職を賭してやるんだと、こういうことをあなたに覚悟を示していただきたい、日本の政治的リーダーとしてその覚悟を示していただきたい、こういう思いで言ったんです。
 あなたは、我が国が大切にしなきゃならない三つのものを破壊してきたと私は申し上げます。
 まず第一に、今の議論でずっとあるところですが、日米同盟を始めとする我が国の国際社会における信頼、この基礎を完全に掘り崩したと、残念ながらそう申し上げざるを得ません。
(後略)

 ◇

【関連エントリー】
鳩山首相、5月に普天間移設決まらなければ「総辞職」辞さずを示唆か2010年03月07日 02時44分44秒

◎「嘉手納統合案」は「15年後に国外移転」 報道ステーション報じる2009年11月06日 00時18分56秒

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高山智司・衆院議員が「鳩山・小沢・平野を罷免しろ」と要求されたことを明らかに

2010年04月24日 19時58分12秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導


 「ギチョー!!!」でおなじみ衆議院議事進行係(議院運営委員のひとり)の高山智司(高山さとし)さんが、地元・埼玉15区ミニ集会で、「民主党を応援し、政権交代を切望してきた。しかし、最近の民主党はなっていない。鳩山・小沢・平野は罷免せよ」と要求されたことを、24日付のブログで明らかにしました。

 鳩山由紀夫首相(民主党代表)、小沢一郎幹事長、平野博文官房長官の罷免(辞任)要求を有権者から受けた、と明らかにしたのは、高山さんが初めてだと思います。

 というか・・・みんな言われまくっていると思いますが、とにかく、明らかにしたのは高山さんが初めてだと思います。

 高山さんは鳩山さんと同じ東京都文京区の小石川出身。このディスクロージャーは東京っ子の面目躍如です。もちろん、高山さんは埼玉15区、埼玉県さいたま市の桜区・南区、蕨市、戸田市に骨を埋める覚悟で政治活動をしていて、当選3回(うち小選挙区勝利2回)しています。党内グループの政治団体「一新会」(通称・小沢グループ)会員。

 おそらく全国の民主党総支部長(議員)は、同じようなことを延べ数千回言われていると思います。ゴールデンウィーク後にはおそらく延べ数万回にふくれあがるのではないでしょうか。

 世の中大変乱れています。しかし、見て見ぬふりをしてはいけません。いまこそ、民主党の代議士らに率直に思っていることをそのまま、言うことが大事です。

高山さとしと語る会@さいたま市 - タカヤマブログ

今週は金曜日が委員会など国会日程でタイトなため土曜日に「毎週金曜夜7時、高山さとしと語る会」を開催。

さいたま市の桜区神田で行う。
今日は日程がタイトな上、私は移動は自分で運転しているので駐車場の確保に手間取りなんど20分の遅刻。。。参加者の皆様にはお詫びするしかありません。

お叱りの後・・・

会場からは

民主党を応援し、政権交代を切望してきた。しかし、最近の民主党はなっていない。鳩山・小沢・平野は罷免せよ。
公務員削減など民主党の取り組みが甘い。
子育て手当ては無駄、特に外国人への支給はダメだ。
対中の外交政策をどう考えるか。
高山さんと同じ1970年生まれの「前厄」だが遠目に見ても眼の下のクマが目立つ体を大切に。
高速道路建設をやめ、料金の値下げをしてほしい、上限2000円案は撤回せよ。
日本の国の借金の現状認識とどう解決していくのか。
などなど意見・質問多数。

私からは
政権交代後の新たな取り組みの進捗状況の報告。
外国人の子どもへの手当て支給は、現在支給されている児童手当が1981年から外国人の子どもにも支給されてる事実とその是非。
将来もなにも、中国が現在GDP世界第2位、日本の貿易相手としても脅威かつ無視できる相手ではないこと。
高速道路料金を下げて、高速道路の新規建設はもう止めるべきであること。
国の借金は今取り組めは平準化可能だが、現状認識としては危機的水域であること。

など答える。

サイコーにいい天気の中、皆様ご参加ありがとうございました。

また、遅延下したにもかかわらず最後までありがとうございました。

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鳩山首相退陣要求か? 安住淳さんのメルマガ

2010年04月23日 18時16分45秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 民主党の安住淳さんが23日、毎週金曜日恒例のメールマガジンを配信しましたが、まったく政局にふれず、連続フルイニング出場の世界記録を、自らスタメン落ちを申し出てストップさせた、阪神タイガースの金本知憲選手を絶賛しました。

 これは、人の流れが頻繁になるゴールデンウィークを来週に控え、「鳩山辞任?」の観測気球を上げたものだと思われます。最後にメルマガ全文をつけますので、直に読んでいただき、意味合いを考えていただきたいと思います。何だか、政治が英国議会のような味わい深いものになりつつある時代を迎えているような気がします。

 安住さんは、これまでの“情勢分析”として、「だが、金本の不調は、明らかに阪神打線の4番の`くぼみ`を作り、チームの勢いを削ぐ状況であった」とし、金本選手の“決断”により、「そしてその日のゲームは見事に勝利をおさめることが出来た」としています。

 「それにつけても金本選手が立派なのは、自らの不調がチームに迷惑がかかるとして、この大記録を犠牲にしてチームの勝利を最優先したことだ」とし、自ら、“スタメン落ち”を監督に申し出たことがイチバン偉いと指摘しました。

 メルマガの締めくくりでも、さらに、念押しするかのように、「何度でも申し上げるが、金本は偉い。本当に偉い」とし、まったく政治の話がないまま終わりました。

 安住さんは、宮城県第5区選出。連続当選5回で、第1次民主党出身者にしては、極めて小選挙区に強く、郵政解散でも小選挙区勝ち抜けを果たしました。前回参院選後のねじれ国会から民主党国会対策委員長代理を務め、切り込み隊長として、政権交代に大きな功績を果たしました。

 しかし、鳩山内閣では入閣できず、衆院安全保障委員長にとどまり、党の役職もありません。民主党がチームとして力を発揮できていない理由のひとつである「中堅議員の人材だぶつき」の象徴的な存在です。ただ、今回は「退陣要求」ではなく「退陣はどうだろうか?」という観測気球を上げたものと思われます。民主党の幹部級議員が世論はどうだろうか、とボールを投げてきたのですから、どんどん反応したらいいと思います。

 全文は以下の通り。

http://azumi-jun.jp/column/2010/04/23_68.html

「すべてはチームのため」」

 阪神タイガースの金本知憲選手が今週スタメンを外れて、全イニング連続試合出場記録が一四九二試合で終わってしまった。

 これはたぶん二度とやぶられることのない大記録であり、この間の金本選手の活躍には改めて敬意を表するものである。

 しかし、それにつけても金本選手が立派なのは、自らの不調がチームに迷惑がかかるとして、この大記録を犠牲にしてチームの勝利を最優先したことだ。

 私は大の阪神ファンである。 先日も東京ドームで巨人・阪神戦を息子と一緒に見
に行った。この時も、見ていて気になったのが、やはり4番金本の不調であった。相手投手のストレートに振り遅れるなど、黄金期を知る者からすれば金本選手の衰えを感じないわけにはいかなかった。

 しかし、これだけの大選手を、まして大記録を更新中の中で、先発からはずすこと
なんてそう簡単には出来ない。だが、金本の不調は、明らかに阪神打線の4番の`くぼみ`を作り、チームの勢いを削ぐ状況であった。

 こんな時、金本は自ら真弓監督に申し出て、横浜戦で先発からはずれる決断をした。

 理由はただ一つ。「チームの勝利のため」だ。チームに迷惑をかけたくない。この
一心での決断だった。阪神のメンバーはこの金本の決断に奮い立った。そしてその日のゲームは見事に勝利をおさめることが出来た。金本はケガの治療を含めて、今もベンチにいて代打での出番を待っている。替わりに入った若い選手が金本のあとを守り、それを金本はあたたかくベンチで見守っている。

 金本は本当に大したものだ。「すべてはチームのため」というこの行動の美学こそ
、チームリーダーたるゆえである。何度でも申し上げるが、金本は偉い。本当に偉い。
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「憲政の崩壊を許さない」 押しボタン不正投票

2010年04月10日 19時38分11秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 前半国会最終日の3月31日、大変残念な出来事がありました。民主党内閣提出の日切れ法案である「高校実質無償化法案」などの重要議案の採決で、自民党の参院議員だった若林正俊さんが自分の押しボタンの他に、議場を外していた隣席の議員の押しボタンを押しました。

 これは憲政を崩しかねない暴挙。次の本会議冒頭で若林さんの議員辞職願が了承されました。

 押しボタンシステムは参議院にしかありません。江田五月議長は4月5日のメルマガで「優れた方式だと自負している。まさかその参議院で、自席の他に隣席のボタンまで押す人がいるとは、想像を絶する事態だ。直ちに辞職か除名になるのは当然で、それが究極の再発防止策だ」と厳しくコメントしました。

 12年前、江田さんと同じ岡山の政治家が、この事態を懸念した言葉を発していました。橋本龍太郎首相です。

 1998年1月8日、参院本会議場で、押しボタンシステムのテストがあり、披露されました。歴史観で言うと、この日は新進党解党から2週間後ということになります。

 これについて、1月9日、首相官邸内で記者から、「きのう、参院で押しボタン式の採決システムが公開されたが、これをどう思うか」と問われた橋本首相は「僕は前から、あれいいなと思っていたし、非常に合理的なシステムだと思う。これを導入された参院の決断に敬意を表したい。その上で、システムの運用を間違わないだろうなと心配している」。

 ちなみにこの質問をした記者とは、当時23歳の私です。首相官邸を取材しながら、鹿野道彦さんと小沢一郎さんが闘った党首選のその後を心配していた新進党員(当時は記者なので、党籍離脱)だった私は、なんと新進党がなくなってしまい茫然自失。新進党が4分5裂どころか、8党派に分裂してしまった悔しさを、こうやって「デモクラシーの基本」に関する質問を首相(自民党総裁)にぶつけることで、気を紛らわしていたのだと思います。

 そういった背景を持った若い記者の質問をガッチリと受け止めて、前段のような答えを返してくれた橋本総理は、今思えば、大変すばらしいリーダーだったと思います。そして、その懸念を自民党の後輩議員がこうやって現実化させてしまったことが大変残念に思います。


   江田五月 メールマガジン 第954号   2010年4月5日
               http://www.eda-jp.com/

(1)<ショートコメント>・・・《憲政の崩壊を許さない》

押しボタン式投票は、参議院改革の一環として本会議の採決方法に導入された
もので、採決はほぼ全てこの方式で行われる。憲政に携わる議員の最重要行為
であって、議長も押し間違えの有無など確認しない。投票終了直後に結果が表
示され、さらにウェブサイト上でも議員ごとに明示される。情報公開や責任明
確化の点で起立採決では得られない利点が多く、優れた方式だと自負している。
まさかその参議院で、自席の他に隣席のボタンまで押す人がいるとは、想像を
絶する事態だ。直ちに辞職か除名になるのは当然で、それが究極の再発防止策
だ。



1998年1月10日付の産経新聞3面 

【橋本日誌】9日 大雪「思ったよりけが人が多い」
1998.01.10 東京朝刊 3頁 総合3面 (全1,207字)  
 【午前】9時13分、公邸から官邸に移り、執務室へ。「大雪で君らは官邸に出てこれないと期待してたのに、残念だなあ。予想していたよりけが人が多い。東京では普段降らないから、みんな雪の中の歩き方を知らないんじゃないのかな。まだ、救急車が動いているようだ」。29分、大客間へ。

 「きのう、参院で押しボタン式の採決システムが公開されたが、これをどう思うか」に「僕は前から、あれいいなと思っていたし、非常に合理的なシステムだと思う。これを導入された参院の決断に敬意を表したい。その上で、システムの運用を間違わないだろうなと心配している」。30分から49分、地球温暖化対策推進本部第一回会合。51分、執務室へ。52分から1分間、古川貞二郎官房副長官。54分から58分、三塚博蔵相。10時から11分、閣議。12分から16分、小渕恵三外相。17分から21分、古川官房副長官。

 22分から1分間、江利川毅、太田義武新旧首席内閣参事官が就、退任のあいさつ。24分から34分、林貞行駐英大使。36分、小食堂へ。日英首脳会談の勉強会。林貞行駐英大使、西村六善外務省欧亜局長らが同席。11時47分、官邸発。正午、東京・銀座の交詢ビル着。「交詢社」の賀詞交換会に出席。

 【午後】0時15分、交詢ビル発。26分、官邸着、小食堂へ。

 「ブレア英首相が午後来日するが、今回の首脳会談で最も念頭に置いているのはどの点か」に「これはもう完全に彼との関係をよりフランクにしようということだ。既にCOP3(地球温暖化防止京都会議)では『おいちょっと、ヨーロッパを何とかしてくれ』と頼めば動いてくれる関係ができているが、もっと深くなるようにしたい」。

 49分、執務室へ。1時から17分、田村元・元衆院議長。30分から43分、総理府の平野治生、石出宗秀新旧次長、安藤昌弘賞勲局長ら。44分から2時1分、環境庁の田中健次、大西孝夫新旧事務次官、岡田康彦企画調整局長。2分から29分、牛尾治朗経済同友会代表幹事。30分から3時20分、村岡兼造官房長官、自民党の保利耕輔国対委員長、川崎二郎、大島理森両国対副委員長。30分から4時24分、佐藤謙防衛庁防衛局長、外務省の加藤良三総合外交政策局長、高野紀元北米局長、竹内行夫条約局長ら。

 25分から34分、越智通雄自民党代議士。38分、官邸発。「十一日で政権二周年を迎えるが、振り返ってどうか」に「緊張の切れることのない毎日だな。その一言に尽きるな」。45分、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ着。ホテル内の理容室で散髪。5時52分、ホテルニューオータニ発。57分、公邸着。

 「福井謙一さんの件だが、あまり知られていなかった若い時に発見した理論で、後になってからノーベル賞を受賞され、有名になられて、僕などはひそかな誇りを覚えた。そういうことで前例はないかもしれないが、弔電を打たせていただいた。心からごめい福を祈る」

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古川法(租特の透明化法)成立、あす施行

2010年03月31日 19時08分58秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

【参院本会議 2010年3月24日】

 古川法が成立しました。租税特別措置の執行状況の透明化法のことです。

 さる3月24日、古川法案(租特透明化法案)が参院本会議で採決され、投票総数234、賛成234票、反対0票の全会一致で、可決、成立しました。

 参院本会議の押しボタン投票の結果
  ↓
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/174/174-0324-v008.htm

 これは、現在は内閣府副大臣・国家戦略室長を務める民主党の古川元久さんが、野党・民主党の税制調査会でずっと取り組んできました。古川さんは昨年5月の民主党代表選で、選挙管理委員長を務め、投票翌々日の朝日ニュースター番組で、ジャーナリストの上杉隆さんの質問に答えて、「岡田克也さんに投票しました」と答えました。

 それにしても、野党のころはまったく成立の見通しが立たなかったのに、与党になったら、閣法で提出して、全会一致ですから、政権交代すると、変われば変わるものですね。古川法はあす4月1日、施行します。

 ナフサの減税や、ガソリンの増税など様々な増減税が入り組んだ「租税特別措置法」はまさに、伏魔殿。私も、粗特法をプリントアウトしようとして、総計834頁とかになるので断念したことがあります。

 この執行状況の「伝票」を集めようというのが古川法の狙いです。各企業は粗特の恩恵に浴した減税措置を伝票に書いて国に提出しなければいけません。特定の圧力団体しか分からない不透明な減税措置を白日の下に晒し、2010年度以降の税制改正に順次、いかしていくことなります。

 当然企業にとっては、増税(減税の撤廃)になるケースがあります。しかし、政権交代をチャンスとして、企業(法人)への税制を見直し、増税すべきです。法人税に均等割をつくり、欠損企業(赤字企業)にも課税するといった外形標準課税や、法人税率の大幅な引き上げなどに民主党は取り組むべきです。

 法人税率の大幅な引き上げにより、日本企業が海外に流れるなどという議論がありますが、これは詭弁です。なぜなら、日本企業の経営者や会社員で英語が流暢に話せる人材はごく一部です。例えば、資生堂が日本と同じ商品単価でアジア各国に進出したり、サントリーが米国でウィスキーを販売して売れるでしょうか?しょせん内弁慶なんですよ。もちろん、味の素やヤクルトなら海外に本社を移転してもやっていけるでしょうが、多くの大企業は経営者すら英語を話せないのですから、日本で細々と食べていくしかありません。「大企業は生かさず殺さず」の税率、例えば60%ぐらいに税率を引き上げるべきだと、私は考えています。

 ◇

 以下、古川法の全文です。

 租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案(第174国会閣法第15号)

   租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案

 (目的)

第一条 この法律は、租税特別措置に関し、適用の実態を把握するための調査及びその結果の国会への報告等の措置を定めることにより、適用の状況の透明化を図るとともに、適宜、適切な見直しを推進し、もって国民が納得できる公平で透明性の高い税制の確立に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 一 租税特別措置 所得税、法人税、相続税、贈与税、地価税、登録免許税、消費税、酒税、たばこ税、揮発油税、地方揮発油税、石油石炭税、航空機燃料税、自動車重量税、印紙税その他の内国税を軽減し、若しくは免除し、若しくは還付する措置又はこれらの税に係る納税義務、課税標準若しくは税額の計算、申告書の提出期限若しくは徴収につき設けられた所得税法(昭和四十年法律第三十三号)、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)、相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)、地価税法(平成三年法律第六十九号)、登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)、消費税法(昭和六十三年法律第百八号)、酒税法(昭和二十八年法律第六号)、たばこ税法(昭和五十九年法律第七十二号)、揮発油税法(昭和三十二年法律第五十五号)、地方揮発油税法(昭和三十年法律第百四号)、石油石炭税法(昭和五十三年法律第二十五号)、航空機燃料税法(昭和四十七年法律第七号)、自動車重量税法(昭和四十六年法律第八十九号)、印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)、国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)及び国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)の特例で、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の規定(税務署長に提出する書類の提出期限の特例を定める規定、税負担を不当に減少させる行為の防止に関する規定その他の政令で定める規定を除く。)により規定されたものをいう。

 二 法人税関係特別措置 租税特別措置のうち租税特別措置法第三章の規定によるものをいう。

 三 納税者 国税通則法第二条第五号に規定する納税者をいう。

 四 法人税申告書 法人税法第七十四条第一項(同法第百四十五条第一項において準用する場合を含む。)、第八十一条の二十二第一項及び第八十九条(同法第百四十五条の五において準用する場合を含む。)の規定による申告書(当該申告書に係る国税通則法第十八条第二項に規定する期限後申告書を含む。)をいう。

 五 事業年度 法人税法第十三条及び第十四条に規定する事業年度をいう。

 六 連結事業年度 法人税法第十五条の二に規定する連結事業年度をいう。

 七 適用額 各法人税関係特別措置の適用を受けた法人がその適用を受けたことにより増加し、又は減少した税額、所得の金額その他の財務省令で定める金額をいう。

 八 適用額明細書 法人税申告書を提出する法人が、当該法人税申告書に係る事業年度又は連結事業年度において適用を受ける各法人税関係特別措置の内容、適用額その他の法人税関係特別措置の適用の状況の透明化を図るために必要な事項として財務省令で定める事項を記載した一覧表をいう。

 九 適用実態調査 財務大臣が、租税特別措置の適用の実態を把握するため、第四条の規定に基づき行う調査をいう。

2 法人税法第二条第八号に規定する人格のない社団等及び同条第二十九号の二に規定する法人課税信託(次項において「法人課税信託」という。)の受託者である個人は、法人とみなして、この法律の規定を適用する。

3 法人課税信託の受託者は、各法人課税信託の法人税法第四条の六第一項に規定する信託資産等及び固有資産等ごとに、それぞれ別の者とみなして、この法律の規定を適用する。

 (適用額明細書の提出義務)

第三条 法人税申告書を提出する法人で、当該法人税申告書に係る事業年度又は連結事業年度において法人税関係特別措置(税額又は所得の金額を減少させる規定その他の政令で定める規定によるものに限る。以下第五条までにおいて同じ。)の適用を受けようとするものは、当該法人税関係特別措置につき記載した適用額明細書を当該法人税申告書に添付しなければならない。

2 前項の規定による適用額明細書を添付せず、又は虚偽の記載をした適用額明細書を添付して法人税申告書を提出した法人については、当該法人税申告書に係る事業年度又は連結事業年度において適用を受けようとする法人税関係特別措置の適用はないものとする。

3 税務署長は、第一項の規定による適用額明細書の添付がない法人税申告書又は同項の規定による適用額明細書の記載に虚偽がある法人税申告書の提出があった場合においても、誤りのない適用額明細書の提出があったときは、当該適用額明細書に係る法人税関係特別措置を適用することができる。ただし、故意に、適用額明細書を添付せず、又は虚偽の記載をした適用額明細書を添付して法人税申告書を提出したと認められる場合は、この限りでない。

 (適用実態調査の実施)

第四条 財務大臣は、法人税関係特別措置について、適用額明細書に記載された事項を集計することにより、法人税関係特別措置ごとの適用法人数(当該法人税関係特別措置の適用を受けた法人の数をいう。)、適用額の総額その他の適用の実態を調査するものとする。

2 前項の規定によるもののほか、財務大臣は、租税特別措置の適用の実態を調査する必要があると認めるときは、その必要の限度において、法令の定めるところにより税務署長に提出される所得税法第二百二十五条第一項に規定する調書その他の資料を利用し、並びに行政機関が行う政策の評価に関する法律(平成十三年法律第八十六号。第六条において「政策評価法」という。)第二条第一項に規定する行政機関(以下「行政機関」という。)その他の租税特別措置の適用に関連する業務を行う団体に対し資料の提出及び説明を求めることができる。

 (適用実態調査の結果に関する報告書の作成及び提出)

第五条 財務大臣は、毎会計年度、次に掲げる事項を記載した適用実態調査の結果に関する報告書を作成しなければならない。

 一 租税特別措置(適用実態調査を実施したものに限る。以下この項において同じ。)ごとの適用者数(当該租税特別措置の適用を受けた納税者の数をいう。)及び適用総額(法人税関係特別措置にあっては適用額の総額をいい、法人税関係特別措置以外の租税特別措置にあっては納税者が各租税特別措置の適用を受けたことにより増加し、又は減少した税額、所得の金額その他これらに準ずる金額の総額をいう。)

 二 法人税関係特別措置ごとの高額適用額(第三条の規定により提出された適用額明細書に記載された当該法人税関係特別措置の適用額について最も大きいものから順次その順位を付した場合における第一順位から第十順位までに該当する各適用額をいう。)

 三 租税特別措置の適用を受けた納税者の分布状況その他の租税特別措置の適用の状況の透明化を図るために必要な事項

2 内閣は、前項の規定により財務大臣が作成した報告書を国会に提出しなければならない。この場合において、当該報告書は、作成した会計年度に開会される国会の常会に提出することを常例とする。

 (適用実態調査情報の提供)

第六条 行政機関の長又は総務大臣は、当該行政機関が行う政策評価法第三条第二項に規定する政策評価又は総務省が行う政策評価法第十二条第一項若しくは第二項の規定による評価を行うために必要があると認めるときは、その必要の限度において、財務大臣に対し、適用実態調査情報(適用実態調査によって集められた情報のうち、文書、図面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)に記録されているものをいう。以下同じ。)の提供を求めることができる。

2 財務大臣は、行政機関の長又は総務大臣から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がない限り、適用実態調査情報を提供するものとする。

 (適用実態調査情報の適正な管理)

第七条 財務大臣及び前条の規定により適用実態調査情報の提供を受けた行政機関の長又は総務大臣は、適用実態調査情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならない。

 (適用実態調査情報の利用制限)

第八条 財務大臣は、第六条の規定による場合を除き、その行った適用実態調査の目的以外の目的のために、適用実態調査情報を自ら利用し、又は提供してはならない。

2 第六条の規定により適用実態調査情報の提供を受けた行政機関の長又は総務大臣は、その提供を受けた目的以外の目的のために、当該適用実態調査情報を自ら利用し、又は提供してはならない。

 (守秘義務)

第九条 適用実態調査情報の取扱いに従事する者又は従事していた者は、当該適用実態調査情報を取り扱う業務に関して知り得た個人又は法人その他の団体の秘密を漏らしてはならない。

 (権限の委任)

第十条 この法律に規定する財務大臣の権限は、政令で定めるところにより、国税庁長官に委任することができる。

 (財務省令への委任)

第十一条 この法律に定めるもののほか、適用額明細書の様式、適用実態調査の実施細目、第五条第一項の報告書の作成方法その他この法律を実施するため必要な事項は、財務省令で定める。

 (罰則)

第十二条 第九条の規定に違反して、その業務に関して知り得た個人又は法人その他の団体の秘密を漏らした者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

2 前項の規定は、同項の罪に当たる行為が国税通則法第百二十六条の罪に触れるときは、適用しない。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成二十二年四月一日から施行する。ただし、第四条第二項、第六条から第九条まで及び第十二条の規定は平成二十三年四月一日から、第五条の規定は平成二十四年四月一日から施行する。

 (適用区分)

第二条 第三条の規定は、法人の平成二十三年四月一日以後に終了する事業年度又は連結事業年度に係る法人税の申告について適用する。

2 第四条第一項の規定は、法人の平成二十三年四月一日以後に終了する事業年度又は連結事業年度において適用を受ける法人税関係特別措置について適用する。

 (その他の経過措置の政令への委任)

第三条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

     理 由

 租税特別措置に関し、適用の状況の透明化を図るとともに、適宜、適切な見直しを推進し、もって国民が納得できる公平で透明性の高い税制の確立に寄与するため、適用の実態を把握するための調査及びその結果の国会への報告等の措置を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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◎2010年度予算が年度内成立 鳩山由紀夫内閣 

2010年03月24日 20時25分03秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導
[写真]左上から時計回りに、藤井裕久・前財務相、鳩山由紀夫・総理(民主党代表)、菅直人・財務相、原口一博・総務相、渡辺周・総務副大臣、小川淳也・総務政務官、古本伸一郎・財務政務官、大串博史・財務政務官、峰崎直樹・財務副大臣、野田佳彦・財務副大臣、仙谷由人・国家戦略相、枝野幸男・行政刷新相。

【参院本会議 2010年3月24日】

 参議院(江田五月議長)は、2010年3月24日、鳩山由紀夫内閣が作成した平成22年度(2010年度)予算案を採決し、可決しました。

 天皇陛下の御名御璽により、成立します。

 民主党はやっと、「平成6年6月23日のトラウマ」(細川内閣の予算成立日)から脱することが出来ました。

 こんな目出度い年度末は初めてじゃ!

 昨年8月30日の総選挙を受けて、各府省の概算要求を10月15日締めで出し直させました。これで1ヶ月半遅れの予算編成だったのに、猛スピードで慣れない作業をし、12月25日という早い段階で政府案決定にこぎつけました。財務原案や復活折衝は廃止しました。

 直後に藤井裕久財務相から菅直人財務相にバトンタッチ。そこからちょうど3ヶ月で予算審議を終えました。すべて良いペースだったと思います。心配された菅さんの答弁。野党時代の菅さんは知ったかぶりが多かったのですが、「分からないときは分からない」と答えました。野党に揚げ足を取られる答弁がなかったということは、政治家としての老練さを感じました。「私に言わせればデフレは貨幣のバブル」という謎の答弁もありましたが、財政経済に詳しくなくても、勉強していることがよく分かる答弁でした。

 民主党が本予算を成立させたのは、1998年4月の結党以来初めてで、これにより、日本に本格的な二大政党デモクラシーが到来しました。

 鳩山首相いわく「命を守る予算」。やはり、子ども手当、高校実質無償化、農業者戸別所得補償、高速道路無料化の社会実験の4つの「マニフェスト肉付け予算」になっていることで、7月第22回参院選を戦える準備ができました。

 また国交省の2・2兆円の交付金の執行が前原誠司国交大臣の裁可が必要ということになったようで、安心しました。このほか、1兆円の臨時交付金と1兆円の特別債務負担行為設定がありますので、「予算の執行の透明化」にも、菅財務相が引き続き取り組んで欲しいと思います。

 年金特別会計から一般会計への流用の穴がふさげなかったことなど後年度への課題が残りました。

 ◇

 きょうは本会議に直接行こうと思ったのですが、「ハマグリの件」を知ってすっかり萎えてしまい、もう今週は寝て、ワイドショーを見て過ごそうかと思うほど残念です。元々そういう人だと思っていましたが、よりによって最高の倫理を要求される国家公安委員長、最高の人徳を要求される防災担当大臣に付けてしまった鳩山由紀夫総理の任命責任も問われます。ホントウに旧自由党・小沢グループにはうんざりです。

 中井洽・国家公安委員長・防災担当大臣は、今夜にも辞職してください!
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正義は勝つ 生方幸夫・副幹事長が続投

2010年03月23日 23時59分59秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導
 やった、やりました。またしても、正義が勝ちました。正義とはすなわち、私たち国民の声、輿論のことです。

 産経新聞で「民主党の財源(年間200億円)が小沢一郎氏に集中している」ことを暴露した、民主党副幹事長の衆院議員(千葉6区)の生方幸夫さんの続投が決まりました。報道によると、代表で総理の鳩山由紀夫さんが小沢氏を叱り付けたようです。

 論語には、「義を見てせざるは勇なきなり」とあります。

 「行うべき事を前にしながら、行わないのは臆病者である」という意味です。

 生方さんは幹事長室の中で、小沢氏独裁を目の当たりにして、国会議員として、国民に明らかにしたのですから、まさに「義」です。

 生方さんは東京っ子だそうで、大手町3社(読売・日経・産経)の新聞記者出身ということで、ともに私の先輩になります。見て見ぬふりをするようでは東京っ子とはいえません。

 大手町3社の小沢氏番記者から「小沢氏は最近、白髪が増えている」との情報が寄せられたので、きょう確認したら、増えていました。

 コメント欄に、「小沢氏を幹事長にしたまま参院選で惨敗させれば、確実に政治生命を仕留めることができますよ」とのアイディアが寄せられました。しかし、義を見てせざるは勇なきなり。何とか6月にも公示される参院選の前に小沢氏を引きずり降ろすようにがんばってみたいと思います。

 必ず最後に正義は勝つ。私たち国民の総力を結集して、小沢氏を倒しましょう。
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子ども手当法案が衆院通過 通常国会ひと山越える

2010年03月16日 21時55分19秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導
【衆院本会議 2010年3月16日】

 「平成22年度における子ども手当支給法案」が衆院を通過しました。

 衆院厚生労働委員会では、公明党から修正案が出て、児童養護施設が対象に加わりました。参院に送付されます。

 特別会計書の293ページによると、子ども手当は、厚労省所管の「年金特別会計・児童手当及び子ども手当勘定」から自治体にお金が出ます。一般会計から1・5兆円などを特会に繰り入れ、「子ども手当交付金」の1・6兆円などを自治体に配ります。

 「児童手当の公明党」が修正・賛成に回ってくれたことで、名実ともに「児童手当・子ども手当」という継続性ができましたので、自治体も地方負担に関して納得するしかないと思います。とはいえ、民主党が「全額国費」と言っていたのは、なんとも野党風情の財政素人だったと僕は思います。

 児童手当と違い、所得制限はありません。が、今まで児童手当を受け取れなかった高額所得者は新しく手続きが必要です。

 本会議では、厚生労働委員会に所属する民主党の福田衣里子さんが賛成討論に立ち、「子どもは社会で育てるもの。どのような家庭に生まれ育っても、安心して育つことができる環境作りが求められている」と話しました。

 最近の本会議の登壇者は、小沢グループ「一新会」が囲い込んでいる新人議員が多くなっています。化けの皮が剥がれ、カネもポストも配れなくなった小沢グループが最後の餌として本会議登壇のキップを配っているのがうかがえるのですが、やはり一新会系の新人議員は顔からしてバカ丸出しで、かえって一新会の求心力を低めているように感じられます。

 その中で、福田衣里子さんは討論の最後の「孤独だ、と感じる子どもたちが増えています。社会とつながっているんだという目覚めとなればと願っています」というくだりは、福田さんの議員活動の中で吸収したことだと思い、福田さんの非凡さを感じました。福田さんは「君子危うきに近寄らず」ということが本能的に分かっているようで、一新会とは距離をとっているもようです。

 「平成22年度の子ども手当法案」と「高校無償化法案」が衆院を通過したことで、マニフェストの肉付け法案はひと山越えた感があります。農業者戸別所得補償は予算だけで、法案はありません。

 まだ、参院で予算が成立していない段階ですが、民主党が実績として参院選で訴えるべき法律は、きょうをもって、めどが立ったといえるでしょう。ところで、「子ども手当が支給されれば景気は回復するか?」ということですが、これはマクロ経済学からすると、絶対的に景気は回復します。政府の直接支出があるからで、後年度の国債負担などは関係なく、景気は上を向きます。程度はほどほどでしょう。

 参院選での与党の議席は、そのときの景気が地合となります。小沢一郎さんのような組織のしめつけは、参院選ではあまり効果がないのは十数年前から分かり切ったことです。ちなみに小沢さんは与党幹事長として参院選の陣頭指揮をとった経験は一度もありませんから、何も分かっていないのでしょう。
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長妻さん提案の「官邸大部屋方式」で巻き返せ

2010年03月16日 05時42分31秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導
 鳩山由紀夫首相は政権発足半年にあたり、「これからは、前に出て、自分自身でもっと意思決定の場を国民の皆さんにしっかりとお見せする」と述べました。

 そこで、鳩山さんには、「官邸大部屋方式」の導入を促したいと思います。

 これは長妻昭さんが野党時代に出版した『闘う政治 手綱を握って馬に乗れ』の中で提案していました。

 長妻さんはこの本の140ページで、

 ○官邸を改造して、原則、総理大臣と全大臣は一つの大部屋に席を設け、仕事をする。

 ○現在は各大臣は省庁ごとのビルに散らばり、官僚から連日説明を受けるうちに知らず知らず官僚サイドに取り込まれてしまう。

 ○内閣一体で政権運営をするための情報共有ができる。

 ○複数の省庁にまたがる案件でも、総理が目の前に座る複数の担当大臣に声をかけて打ち合わせをすればすぐに意思疎通ができる。

 ○閣内不一致や「言った」「言わない」などの齟齬がなくなる。

 --などと提案しています。

 例えば、3月3日の参院予算委員会に3閣僚が遅刻しましたが、こういった日程を間違うこともなくなるでしょう。日程管理は政治の基本です。鳩山首相が先週、「B型肝炎担当」に仙谷国家戦略大臣を指名したそうです。私は報道を見て知りましたが、政務3役でもこの決定を知らない人がいるのではないでしょうか?

 官邸大部屋方式にしたうえで、閣議を月曜日に移して、ネット中継すべきだ、と私は考えます。

 最近の例では、ハマグリこと中井洽・拉致問題担当相が、「高校無償化法案」で、「朝鮮学校を除外すべきだ」と突然言いだし、混乱しています。私に言わせれば、ハマグリは単に自分が目立ちたいから言っているのであって、国家や、国民、民主党のことを考えたら、”B by C”が低い愚策だと思います。

 閣議をネット中継すれば、霞が関の幹部はみんな見ます。閣議のさいちゅうにハマグリが「朝鮮学校を除外しろ」と言ったら、他の閣僚の表情などで、チーム鳩山の雰囲気を察するでしょう。そして、文科省・外務省・警察庁の官僚や、政務3役・関係議員が資料を用意して、閣議終了と同時に、火消しに動けます。

 先週は原口一博総務大臣のツイッターを見て、総務省の地上放送課が行政指導に動いたとしてニュースになりました。その行政指導には問題がありましたが、大臣のツイッターで自主的に動く。日本の場合、総務省課長補佐あたりならそのくらいできます。もっと役人の力を引き出しましょう。

 月曜日の午前中は片づけが忙しいので、月曜日の午後イチで閣議を開き、決定をトップダウンで霞が関に知らせる。それに引き続き、大臣が各省に「出向いて」、政務3役会議をやって、1週間のチーム鳩山の情報の川上から川下への流れを作ってやる。そうするとスムーズに行くのではないでしょうか。

 この半年間、政務3役の姿が見えません。たまにブログを書けば、「早朝から深夜まで働いています」とアピールしますが、それで支持率がこれだけ下がっているということは「仕事の効率、“B by C”が低い」と断ぜざるを得ません。政務3役会議もネット中継すれば、副大臣や政務官の定例会見は要らないのではないでしょうか。

 ちなみに、先日の3閣僚遅刻ですが、

 ①NHK入りの審議は、午前9時から質問が始まるように時間を設定するのが慣例②参院では本会議で菅財務相の財政演説が行われているが、委員会では趣旨説明が済んでいない--。

 この2つが頭に入っていれば、ありえないミスです。日程作りはそれ自体が政治ですから、日程作りにあたる大臣秘書官は官僚ではなく、政治任用者にすべきです。

 先月、衆院予算委員会で民主党の当選4回生が同期の長妻昭厚労相に対して、「この世界、嫉妬ややっかみが多いから気をつけてくださいよ」という余計な発言をする残念な出来事がありました。

 地方出身の政務3役が今の地位やお金を抱え込もうとしているように見えます。例えば、床暖房がある議員宿舎に住んでいる政務3役に「今から床暖房がない家に住めますか?」と問いたい。

 同期生が長妻大臣をやっかむような民主党では、政権交代に日本の夜明けを期待したのとは裏腹に、日本の夜更けにつながりかねません。

 変化の歴史では、東京出身者を地方出身者が叩く構図が繰り返されてきました。明治維新後の警視庁長官は初代~8代まで薩摩出身者で占められ、当時の東京っ子がよく我慢したものだと思います。東京出身の鳩山首相、長妻厚労相は、ぜひダメ元で変化させてほしい。2人とも落選しても都内に家が残りますから、失うものはありません。
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吉川沙織さん、“まだ見ぬ働く仲間”へ「3年は新卒扱いを」実現 NTT労組出身 

2010年03月09日 23時59分59秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

(このエントリーの初投稿日時は2010-12-30 21:27:06)

[写真]民主党参院議員の吉川沙織さん。
 
 就職活動を続けながら、年越しとなる、大学生、雇用保険受給者、それ以外の求職者も多いでしょう。

 僕自身、ちょうど1年前は、いろいろと大学生と話す機会があって、こちらも若返りました。ところが、最近はあまりそういった機会に気乗りしないです。あまりにも、今の大学生の現状が、悲惨に思えるからです。学費のみならず、生活費も含めたアルバイトに明け暮れながら、大学に通っている若者に対して、「そもそも何で大学に進うのか?」という本質的な疑問を、彼ら彼女らの眼前で感じてしまいます。

 「新卒一括採用・年功序列・終身雇用」1940年体制によって、わが国は経済復興を遂げてきました。私のサラリーマン経験からしても、ある一定のマニュアルに従いモノをつくる企業では、この方式は正しいと思います。そのため、人件費が固定化し、新卒採用の対象となる大学4年生・高校3年生が景気による人件費抑制の調整弁にされがちでした。しかし、1997年年の瀬からの「失われた13年」により、就職が決まらないまま大学・高校を卒業してしまい、その後、アルバイトという職歴しかなく、新卒採用にも中途採用にも応募できずに、30代後半に入ってしまった人が続出しているのが2010年の現状です。

 私は以前から、日本の大学進学率は高すぎると感じていました。自民党政権時代に国会議員が自ら学校法人の理事長を務めることが多く、「電車で通えるアメリカの大学」なんてものもありましたが、そういった文教族の罪は深い。10年前に、横浜市営バスで「大卒不可」という採用ポスターを見たときは驚きましたが、大卒を隠して、高卒として応募する人も少なくないようです。

 国会開催中は慌ただしくて、書きたい事が書けないまま、時が過ぎていくことがままあります。ことし3月9日の参・予算委員会での吉川沙織(吉川さおり)さんの質問も取り上げたかったのですが、衆院で予算が通過してホッとしていたのと、後半国会の下準備をしている時期で、タイミングを逸してしまったので、第174通常国会カテゴリーの最後の1本として、ことしを振り返る、という口実のもと、アップしたいのです。

 吉川沙織さんは、昭和51年(1976年)生まれで、参院民主党では最年少の議員です。2007年の第21回参院選「逆転の夏」で30歳で初当選。ちなみに参議院議員と知事は30歳以上で立候補でき、その他すべて25歳以上となります(公職選挙法第10条)。吉川さんは「逆転の夏」で全国比例30万6577票で2位当選。当確ラインは6万~7万票でしたが、当時の執行部が立候補者一覧を50音順でつくったので、名前が「よ」で、全候補者の最後に掲載されたという幸運もありました。公募新人ですが、元々NTTの社員で、NTT労組などがつくる産別「情報労連」の組織内です。ことしの半数改選(第22回参院選)では、参院民主党の当選者が少なかったこともあり、参院民主党に限れば、引き続き最年少となりました。枝野幸男幹事長の下、3ヶ月間、党副幹事長も経験しました。

 で、吉川質問が異例だったと思うのは、労組出身議員はある程度、自分の労組や業界に関する質問をすることが多く、それはそれである程度いいのですが、吉川さんは、「まだ見ぬ仲間」「未来の仲間」に関する質問でした。つまり、今就活している、求職している人への質問だけで、予算委デビューを終えたのです。これは異例のことだと思うし、彼女自身が就職を巡る不条理に出会って、社会への関心を高めてことで、「政治家・吉川さおり」を誕生させたのだと思います。

 情報労連のNTT労組は、以前の電電公社→NTTへ民営化していくプロセスのなかで、少しずつ労組の性格が変わってきました。そのため、民社協会の「旧同盟系」、古賀伸昭・連合会長(パナソニック)や大畠章宏・経産相(日立製作所)らの「旧中立労連系」とは違い、情報労連は連合内では「旧総評系」に位置づけられます。旧総評系は、自治労、日教組の公務員系労組(春闘がない)が中心です。NTTドコモのショップや明細書を見ていると、もっとも民間企業らしい会社にも思えますが、実はNTTドコモ労組は「旧総評系」ということになります。輿石東・参院議員会長(日教組)と同じ旧総評系に、最年少でNTTドコモのはたらく仲間からの支援も受ける吉川議員がいるなんて、参議院というのは、やはり面白いなあ、と感じる次第です。

 就活生(大学4年生、大学3年生)がどれだけ、このブログを読んでくれているか分からないし、時間と心の余裕がなくて、最後まで読み通せないかも知れないので、吉川さんの議事録は大幅に短縮させてもらいました。そしてこの3月の吉川質問にあった「就活に失敗しても、卒業後3年間は新卒扱い」は8月30日に菅直人官邸のプロジェクト・チームで正式決定しました。

 職が決まらないまま年を越す君へ。テレビや新聞では報じられないけど、日本の国会にはこういうお姉さんがちゃんといるんだから、社会に対してなげやりにならないで、あごを上げて、2011年も胸を張って、前に進んでいこうよ。

[第174国会 参・予算委員会第8号会議録・(2010年3月9日)から引用はじめ]

 ○吉川沙織君 民主党の吉川沙織です。予算委員会では初めて質疑に立たせていただくことになります。どうぞよろしくお願いいたします。  

  
[画像]参・予算委員会で質問する吉川沙織さん、2010年3月9日、参議院インターネット審議中継からキャプチャ

私、実際に就職氷河期を体験して会社員をしていたという経験もございますことから、若年者雇用の問題について質問を今までさせていただきました。ですから、同世代の多くが職に就きたくても就けないまま社会に出ざるを得なかった世代の代表として、最近の政府の対応策を中心に、新卒者支援、既卒者支援の観点からお伺いしたいと思います。(略)

(略)

○厚労政務官(山井和則君) 吉川委員にお答え申し上げます。就職氷河期の世代の代表として非常に重要な御質問をいただき、ありがとうございます。(略)

(略)

○吉川沙織君 (略)今、山井政務官から御答弁いただきましたとおり、内定を得ることができた学生は4月から新しいスタートを切ることができるわけですが、そうでない学生生徒さんにとってはそうではないわけです。そのためにわざわざ留年するケースもあるぐらいです。ですから、ここからは、日本の採用、雇用慣行について、就職協定と新卒一括採用の在り方の観点からお伺いをさせていただきたいと思います。

 まず文部科学大臣にお伺いいたします。私は、先ほどから申し上げておりますとおり、今から12年前の平成10年(1998年)に就職活動をいたしました。実はその前年に就職協定が廃止をされ、その廃止直後、つまり私の1年上の先輩は協定が廃止直後のときに右往左往しながら就職活動をされたわけです。その翌年に私自身は就職活動をして、もう先輩の時点で早期化の傾向があって、1年違うだけでも更にその早期化の傾向は顕著になりました。現在は、早かったら3年次に入った途端就職セミナー等があって実質的な就職活動に入るなどしており、学生が学生の本分たる学業に専念できないような実態がございます。就職協定に代わって倫理憲章というものがあるのは十分に承知いたしておりますが、拘束力を持ってないんじゃないかと思います。(略)

○文部科学大臣(川端達夫君) お答えいたします。御指摘のとおり、昭和28年から平成8年までは就職協定というのがございました。解禁日は8月1日前後、選考、採用の内定日は10月1日ということでありましたけれども、企業側から、就職協定との実態の乖離、通年採用やインターネットの利用など雇用状況が変化した、規制緩和などの理由に協定を見直したいという申入れがありました。(略)最終的に、平成9年度は協定を締結せずに、御指摘にありましたように、大学側は申合せ、企業側は倫理憲章を定めるということで今日に至っております。

 申合せというのは、学校推薦は7月1日以降しかやらない、正式内定日は10月1日以降、倫理憲章、企業側、日本経団連でございますが、正式内定日は10月1日以降というのが一応決められておりまして、その精神は、おっしゃいましたように、秩序ある就職活動を担保することと学生はしっかりと学業に専念できるようにということでありますが、実際は、今、多分大学の3年の春から、資料請求に始まり、秋口から3年いっぱいぐらいまで、(略)この倫理憲章や申合せに全く想定をされていない企業説明会への出席という形が行われて、その春から人事面接、そして内々定という概念で運営をされているのが実態でありまして、実際には相当早い時期から、こういう倫理憲章や申合せの対象外であった企業説明会という、広報活動と称しているんですが、への出席ということで学生が相当早い時期から授業に出られないということで、結果的には学業に専念できないから、企業が受け取る学生の質もそれだけ分ディスターブされているという部分では学業に影響を与えているのではないかということ。

 あるいは一部には、この企業倫理は関係ないと、倫理憲章は関係ない、我々はそんなの従うつもりもないというふうな企業があります。そして、いわゆる申し上げました内々定ということ、内々定なんだと、内定は10月1日だけれども内々定をしているだけなんだと。こういう理屈で、実際上は非常に実態が乖離してしまっていて弊害が出ている(略)。粘り強く、大学の本分である学生が勉強をするということと、それから、しっかり勉強をして社会に役立つ人材になるということが、社会に役立つ就職をすることの作業によって支障を受けているということは本末転倒になっているということ。何とかこの部分を工夫をすることはいろんな角度で検討をしているところでありますが、またいろんなお知恵も御示唆をいただければ有り難いと思っています。

○吉川沙織君 (略)やっぱり企業の採用活動は4年次の学生を対象とすべきであり、学生や若者がその年齢にふさわしい時間の過ごし方を得るようにするためにも、是非議論だけでも始めていただきたいんですが、川端大臣、いかがでしょうか。 

○文部科学大臣(川端達夫君) 就職協定の問題と同時に、新卒者が就職するという、私はいろんな議論を、前のもフォローし、また経営側と議論したときに、採用側としては通年で採用するんだと、人材がそういうものだというふうなことの論理がある一方で、実際は新卒者と卒業してしまっているいわゆる就職浪人した部分では非常にハンディが付いてしまうという実態が生じているという部分では、割にある意味で企業の背に腹は代えられないという部分はそれなりに経済環境では分かるんですが、やはり人を自分の人材として活用するということへの基本的な理念というものをもう一度しっかり持っていただきたいなというのが正直なところであります。(略)

○吉川沙織君 (略)そして、日本の雇用慣行として今申し上げた就職協定と、あともう一つ、新卒一括採用がございます。日本の雇用慣行では、まだまだ新卒一括採用が一般的である状況と言えます。しかしながら、学校を卒業して社会に出ようとしたときに、日本社会、経済の状況が悪ければ、どんなに働きたいと願い、どんなに働く意欲を持っていても、企業がその門戸を大幅に狭めている若しくは採用凍結をしている、そういう状況があれば、食べていくために職に就けないまま非正規という形で社会に出ざるを得ない状況があります。私自身は運よく正社員として職を得ることができましたけれども、同世代の多くが非正規という働き方で30代半ばを迎えているような状況にあります。また、正社員として働いたことがない人を一般的な企業はやっぱりなかなか正社員として迎え入れられないというような状況もあります。もちろん、政府においては緊急雇用対策で4月就職以外の道を選択の支援として取り組まれていることは存じ上げておりますが、新卒の対象を例えば卒業してから3年程度というふうに広げる措置などを講じる必要もあると考えますが、厚生労働大臣、いかがでしょうか。

○厚生労働大臣(長妻昭君) 今おっしゃられた、その新卒一括採用ということで日本のある意味では慣行として定着をしている部分があるんですけれども、(略)企業が新規卒業予定者の採用枠に既に卒業された方が応募できるように募集条件を設定してくださいということはかねてより指針で呼びかけているところでございますけれども、なかなか進んでいないのも実態でございます。(略)

(略)

○吉川沙織君 (略)若年者雇用問題においては、私世代はまだ親御さんと同居しておる、親御さんの下で生活をしているから、まだその問題が余り顕在化されていないというような状況もあります。ただ、この問題を放置し続けますと、今質問させていただいたように税収減にもつながりますし、年金は今納めている世代が先輩方に届く仕組みですから、その社会保障の根幹を揺るがしかねないということにもなりますので、是非、企業に若者を一定程度強制的に雇用してもらう仕組みですとか、あと優遇税制、これ自見議員、先日御指摘なさっていましたけれども、優遇税制を設けることで企業にインセンティブを付与することは一考に値すると考えられます。

 若年層における格差の拡大は、いずれ日本全体の格差を拡大させることになります。何より若者が将来に希望や夢を描けない社会は本当に絶望的でありますので、是非、厚生労働大臣、リーダーシップを発揮して、政治主導で若い世代が明日に夢や希望を持てる社会を現政権においてつくっていかなければならないということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

[引用おわり、山井和則・厚生労働政務官、川端達夫・文部科学大臣、長妻昭・厚生労働大臣の肩書きはすべて第174通常国会当時]

【吉川質問の全文は以下のリンクで】
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/174/0014/17403090014008c.html

【その後、菅首相がまとめた「新卒者雇用に関する緊急対策について」(2010年8月30日)】
 ↓下のリンク先は、PDFファイルで、全文を読めます。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sinsotsu/taisaku.pdf

[抜粋引用はじめ]

新卒者雇用に関する緊急対策について
平成22年8月30日
新卒者雇用・特命チーム

(前略)

Ⅱ.新卒者雇用に係る緊急の取り組み
(略)

3.インターンシップ・トライアル雇用の推進
(略)
【具体策】
卒業後3年以内の既卒者に係るトライアル雇用を行う企業への奨励金の創設
卒業後3年以内の既卒者を正規雇用へ向けて育成するため、有期で雇用し、その後正規雇用へ移行させる事業主に対し、ハローワー
クにおいて奨励金を支給する。
(略)

全都道府県労働局に新卒者等が利用しやすい専門のハローワークを設置し、関係機関が連携したワン・ストップ・サービスを推進する。
○ 国及び地域における広報の強化5.既卒者の新卒枠での採用促進~ 新卒枠を卒業後3年間に拡大新卒採用枠で既卒者を採用した企業は約5割にとどまっている現状
を踏まえ、少なくとも卒業後3年間は、新卒一括採用の門戸が開かれよう、緊急に施策を講じる。
【具体策】
○ 「青少年雇用機会確保指針」の改正
雇用対策法に基づく「青少年雇用機会確保指針」を改正し卒業後3年間は新卒として応募できるようにすることを盛り込み、既卒者の新卒枠での採用が促進されるよう経済団体等に要請する。
○ 卒業後3年以内の既卒者を採用する企業への奨励金の創設卒業後3年以内の既卒者も対象とする新卒求人を提出し、既卒者を正規雇用する事業主に対し、ハローワークにおいて奨励金を支給
する
。[抜粋引用おわり]

【関連エントリ第45回衆院選「政権交代の夏」での吉川沙織さん】
【選挙珍プレー】応援弁士(吉川沙織32歳)は候補者(森山浩行38歳)のファンだった!

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内閣改造で、小沢一郎さんを農相に 副総理、調整相なども

2010年03月08日 05時01分31秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導


 鳩山内閣最初の予算の年度内成立が確定した後、最初の休日にあたる3月6日(土)の夜、政府筋が「7月の前後に必ず内閣改造がある」と述べたと時事通信が伝えています。

 解散がなければ、向こう3年半、民主党が衆院で単独過半数を保つ続けます。だから、内閣支持率の下落に右往左往すべきではありません。

 問題は「民主党支持率」と「自民党支持率」です。

 二大政党の先輩、イギリスで問題になるのは、いつも政党支持率です。そのうえで、「次の総選挙をたたかううえでブラウン首相(党首)は適当か?」という設問があって、“内閣支持率”という発想はないのではないかと思います。

 政党支持率、もっと細かく言えば、「次の国政選挙で比例はどの政党に入れますか?」が大事です。

 内閣支持率がアップするのは、予算の成立を除けば、内閣改造しかありません。過去には「小泉訪朝」で支持率が10%アップしましたが、もう政治とマスコミの裏は見透かされていますから、「サプライズ」「外交」で支持率回復は厳しいし、国民が民主党に求めていることはそれとは反対の政治です。

 内閣改造の目玉となるのは、小沢一郎さんの入閣でしょう。とくに、自ら販売農家としてコメを農協に出荷している「小沢農相」は、地方での民主党支持を再び盛り上げることができます。農相なら危機管理対応はないし、後半国会でも大きな法案はありませんから、カラダも楽でしょう。農林水産省のお役人というのは、国会対策は上手いのですが、他省庁と比べると、あまりできがよくないように思います。その辺を小沢さんの剛腕でイチから立て直し、農業者戸別所得補償を根付かせてほしいと思います。

 また、過去に経験のある、国家公安委員長もいいと思いますが、防災担当大臣は危機管理担当なので外した方がいいでしょう。

 無任所の副総理という手もあります。あるいは、インドネシアのユドヨノ大統領が就任直前までやっていた、「調整大臣」として、官房長官とは違った遊軍として、内閣をまとめるのも良いのではないでしょうか。

 そして、参院選ではSP(警護官)を引き連れて、演説する。私は15年間にわたり野党支持者でしたからあまり分からないのですが、与党支持者の方に聞くと、大臣の応援演説というのはSPらお付きの人が演説の内容以上に印象に残るようです。

 後任の幹事長には参院選シフトということで、石井一選対委員長や佐藤泰介財務委員長が兼務するという案や、歴代代表5人の中で幹事長経験のない2人(菅直人さん、前原誠司さん)などが候補として挙げられるでしょう。

【追記 2010年3月9日】

 菅直人さんは2000年から2002年に鳩山由紀夫執行部で幹事長を務めていました。コメント欄で指摘をいただき、気付きました。訂正します。【追記おわり】

時事ドットコム:参院選前にも内閣改造=政府筋

 政府筋は6日夜、当面の政局に関して「7月の前後に必ず内閣改造がある」と述べ、鳩山由紀夫首相が夏の参院選前にも内閣改造に踏み切るとの見方を示した。 
 鳩山内閣の支持率は、首相自身や小沢一郎民主党幹事長の政治資金問題が響いて下落に歯止めが掛からず、政府・民主党内では参院選への危機感が強まっている。政府筋の発言は、首相が改造により人心一新を印象付け、態勢を立て直した上で参院選に臨むこともあり得るとの考えを示したものだ。

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鳩山首相、5月に普天間移設決まらなければ「総辞職」辞さずを示唆か

2010年03月07日 02時44分44秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 気になる発言が予算の年度内成立が決まった3月6日(土)にありましたので、書きとめておきました。

 自民党の大島理森幹事長が、米海兵隊普天間飛行場の移転先が、鳩山由紀夫首相が自ら区切った「5月末まで」に決着しない場合は、退陣(内閣総辞職)するよう求めました。これについて、鳩山首相は視察先で記者団に答え、「一つ一つの政策の実現に向けては覚悟を持って臨む」と述べました。

 政界用語で、首相が「重大な決意」と語った場合には衆院解散を意味すると解されます。「覚悟を持って臨む」という政界用語はありません。

 大辞林では、「覚悟」について①危険な状態や好ましくない結果を予想し、それに対応できるよう心構えをすること、⑤観念すること、あきらめること--とあります。

 広辞苑にも「⑤あきらめること。観念すること。」とあります。

 「覚悟を持って臨む」という総理の発言は、「普天間移設の結果が思わしくなかった場合は、5月下旬以降に退陣(内閣総辞職)する」と受け取れる重大な発言です。いずれにしろ、この政治シナリオが、鳩山さんの頭にある、ということは確実だと思います。また、総理の発言は日々ぶれますが、箴言汗の如し、この発言だけはぶれて取り消すわけにはいきません。

 ちなみに3年に1回の参院選。その前の通常国会中の4月・5月では、2001年4月に森喜朗内閣が退陣して、小泉純一郎首相が就き、与党・自民党が逆転勝利。一方、野党・民主党も2004年5月に菅直人代表が「年金未納疑惑」で退陣し、岡田克也代表に代わり、党勢を立て直して第一党となりました。

 つまり、2000年代の10年間3回参院選があったわけですが、そのうちの2回は4月・5月に党首交代劇があり、その政党が2勝0敗しています。この成功体験は、2010年前半の政局の最大のキーポイントです。

 また、時事通信によると、「参院選前に内閣改造があると政府筋が語った」とあります。読売の「政府筋」と時事の「政府筋」は同一人物だと思います。土日に観測気球を上げて世論をみるというのは与党の常套手段です。民主党も政府内外とも全員野球で、さまざまな観測気球を上げながら、結果として総理を助ける方向性に持っていって欲しいと思います。

 それと、支持率回復をねらって、成果が見込めないままの、首相訪朝・訪露などのサプライズ外交に走ることはやめてもらいたいと思います。「普天間基地がグアム全面移転決定」などの一発逆転ホームランを期待しています。   

普天間5月決着「覚悟を持って」と首相 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 鳩山首相は6日午後、沖縄の米軍普天間飛行場の移設問題が5月末までに決着しない場合、退陣を求める声が自民党から出ていることに関連し、「一つ一つの政策の実現に向けては覚悟を持って臨む。当たり前の話だ」と語った。

 首相は退陣するかどうかは明言しなかったが、政府筋は6日夜、「あれだけおっしゃっているのだから、決まらなければ辞めるしかない」と述べた。5月末までに決着しなければ、政府・与党からも退陣を求める声が出る可能性があり、首相は窮地に追い込まれそうだ。

 この問題では、自民党の大島幹事長が6日午前、那覇市での党沖縄県連大会で、「移設先と沖縄県民、米国の了解を得る三つの方程式を解くのはかなり困難だ。(解決)できなかったら即刻退陣してもらおう」と述べた。

 これを受け、首相は視察先の東京都大田区で記者団に、「その覚悟があるか」と問われ、「国民への約束を守るために全力を尽くすのが新政権の基本的な方針だ。以前の内閣では、公約は守らなくても大したことはないと言った。そういう政治が国民に鉄槌を食らわされた」と5月決着に全力を尽くす姿勢を強調したうえで、「覚悟を持って臨む」と語った。

 政府筋は6日夜、「決まらなければ辞めるしかない。参院選も持たない。覚悟は覚悟だ」と述べた。

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