外相で民主党三重3区選出衆院議員の岡田克也さんの昨年2009年(平成21年)暦年の政治資金収入額は、2億4249万5636円(前年からの繰越金含む)となり、指折りの資金力を見せました。総務省収支公開室の9月中旬の公開を4ヶ月先がけて、自らのホームページで26日、公開しました。
岡田さんの総務大臣届出政治資金管理団体の「岡田かつや後援会」の収入は1億6054万円(前年からの繰越金5564万円含む)、「民主党三重3区総支部」の収入は8195万円(同2658万円)。しめて2億4000万円と指折りの資金力を見せました。岡田さんが代表を務める政治団体はこの2つしかありません。以前は数団体ありましたが、政治とカネの透明性を確保するため、2つにまとめています。
2009年分の政治資金収支報告書の概要を自らのホームページで公開したのは、全国会議員(前衆院議員ら含む)中、岡田さんが初めてとみられます。
カバンの中身をのぞいてみると、「岡田かつや後援会」は前年度からの繰越金5500万円を含めて、1億6054万0867円を集めました。
「民主党三重県第3区総支部」は、繰越金2658万円のほか、民主党本部・県連からの交付金を入れて8195万4769円の収入となりました。党本部からは1500万円入っていますが、これは第45回総選挙があった年なので、例年より厚めだと思われます。
気になる個人・企業・団体献金。
「岡田かつや後援会」への個人献金は49人から546万円、「総支部」には50人から980万円がありました。
政治資金規正法では、企業・団体献金は「総支部」のみ認められていますが、「総支部」には、法人276社から2466万円、政治団体10団体から215万円が入っています。
政治資金パーティーは全国5会場(三重県四日市、県都・津、名古屋、大阪、東京)で、8886万円。例年に比べると少なく、やはり不況が影響したようです。
このうち高額寄付者の名前は、9月中旬以降、総務省のホームページで出てくると思います。例年ですと、ニトリの社長さんや日清食品の社長さんが「岡田ファン」であることがうかがえます。
政治資金収支報告書は3月末日までに仕上げて、総務省政治資金課に提出することになっていますが、「岡田かつや後援会」はいつも3月上旬に早めに仕上げています。
岡田さんのように、自らホームページで公開している議員はマレで、総務省選挙部収支公開室のホームページですと、9月末にならないと出てきません。ですから1月1日の収支ならば、1年8ヶ月間待たないと、国民にディスクロージャーされないことになり、政治行動の透明化という観点からは極めて遅れています。
総務省ではなく、各県選挙管理委員会に届け出ることもでき、その場合県庁に行くか、県の公報を購読する必要があります。
例えば小沢一郎氏ならば「陸山会」以外にも、「くらしと政治研究所」「小沢一郎政経フォーラム」などの複数の政治団体を持っており、その中で、お金を循環させ、国民に見えにくくすることも可能です。
岡田さんは、節約家で、実力政治家に多い「外事務所」(そとじむしょ)もありませんし、選挙区内の事務所も1つだけです。地元の私設秘書の数は、比較的多い傾向はありますが、働き者で知られます。
このため2009年は、5月に代表選、9月に衆院選があったにもかかわらず、「後援会」で4744万円、「総支部」で3639万円をことしに繰り越せたようです。
こういった蓄積があるうえで、岡田さんは「企業・団体献金は今後禁止」と言っているわけで、与党になったばかりの政権成金議員は「ふざけんな」と思うでしょう。しかし、岡田さんにしても、パーティー収入などに不況の影響が感じられます。
岡田財政を見ていると、「もう右肩上がり経済にはならないのだから」という緊縮財政の思想があるように、私には感じられます。ちょうど享保の改革のようにね。それは、日本の国家財政にも同じことが言えるでしょう。