[写真]民主党の大畠章宏幹事長、民主党ニュースから。
集団的自衛権反対のビラが大売れで、50万枚印刷したものを、20万枚増刷し、さらに50万枚の増刷を発注し、合計120万枚を民主党本部から支部に送付したこと、民主党の大畠章宏幹事長が2014年8月7日(木)の定例記者会見で明らかにしました。
筆者も記者会見でもらい、初めて見ましたが、左翼色もなくて、よくできています。表は主張、裏は解説。
表は「民主党は、憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を容認する閣議決定に反対し、撤回を求めます。」と大書き。国会議事堂前の怒るフツーの国民のイラストをあしらったほか、「与党が密室の談合で決定した内容に正当性はありません。」として統一地方選をたたかう議員も積極的に配りやすい配慮が感じられます。民主党の党名・ロゴマークこそ小さいものの、しっかりと、住所、電話、ファクス番号を明記し、「ご意見・ご要望をお寄せ下さい。」としました。
裏は「政府は「国民の生命と安全を守るため」と言うけれど・・・国民からは不安や反対の声が民主党に寄せられています」と大書き。5名の老若男女の声を掲出しました。下半分は「Q&A」として、「集団的自衛権と個別的自衛権の違い」「集団的自衛権と集団安全保障の違い」を解説しています。
大畠さんは「「マスコミ各社が安倍政権の実態を報道しないなか、民主党として街頭活動や集会などを開いて安倍政権の実像を伝える活動を展開し、次の臨時国会までに安倍政権の支持率と不支持率を逆転させたい」と意気込みました。
のぼりは3種類を発注。このうち、「集団的自衛権行使 容認できません! 民主党」という文言について、おとといの常任幹事会で海江田民主党代表が「集団的自衛権行使は現時点では容認できません」としているのに「現時点では」が入っていないとの質問に、大畠さんは「推測で物を言ってはいけないが、国民運動委員会が文言を考えるうえで、『現時点では、』と入れると、長くなるから省いたのではないか」として、党本部各部門の叡智の結集であることを示唆しました。
大畠さんは、街頭での活動のほかに、300人規模の集会を各地で開くとして、ビラの活用を求めました。
党内右派も党内左派も大納得のビラ配布大作戦で、さあいよいよ、大反転攻勢のスタートです。
[画像]民主党の辻元清美さん、公式ウェブサイトから。
【2014年8月7日(木)衆議院原子力問題調査特別委員会】
朝9時から昼12時半過ぎまで閉会中審査が開かれました。
民主党の辻元清美さんは、九州電力川内(せんだい)原子力発電所の再稼働について質問。
「川内原子力発電所は5つのカルデラ火山に囲まれている。仮に再稼働でなく、新設の申請があったとしたら、原子力規制委員会はどう判断したか?」と問いましたが、田中俊一・原子力規制委員長(非政治家)は、「いろいろな仮定にもとづく質問なので答えられない」。
これに先立ち、田中委員長は「川内に火山噴火の火砕流が届く心配はない。火山灰についてだが、過去の桜島の噴火で12センチメートル積もったことがあるので、今回は15センチメートル積もっても対応できるよう安全基準をつくっている」としました。ここで、辻元さんが「現地に行き、バスガイドさんに聞いたら、12センチ(から15センチ)も火山灰が積もったら、クルマが走れないと言っていた。それで避難計画がつくれるのか」としました。
カルデラ噴火について、政府答弁書が「時期を予想することは不可能だ」としているのに対して、九州電力は「予兆は数十年前に分かる」としていることについて、辻元さんは「九電は一人の学者にしかヒアリングしておらず、その学者は発言の一部を使われたと憤慨している」と語りました。
辻元さんは、「予兆が出た場合は、川内原発内にある核燃料を緊急輸送することになるが、その受け入れ先を先に見つけておいてから、再稼働の審査に入るべきではないか」と問うと田中委員長は「事前に決めておくのは困難だ」と正直に答弁しました。
他の政府参考人は、地勢にもとづく避難計画について、「鹿児島県さんのおっしゃることを、了とした」と地方分権を宣言すると、辻元さんは「全国知事会は、(基礎)自治体の許可をとったうえで、国が判断してほしいと強調している」としました。
これにたいして、ガッツマンの赤羽一嘉・経済産業副大臣(公明党)は「国が判断する」と明言しました。
[画像]左から文部科学省の桜田義孝、経済産業省の赤羽一嘉、環境省の井上信治各副大臣、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
辻元さんは最後に「安倍首相、鹿児島県知事、九州電力会長・社長が一堂に会した委員会の開催を求める」としました。
統一会派「日本維新の会・結いの党」の足立康史さんは、「さきほどの辻元委員の指摘通り、川内原発の再稼働は、政府が決めるのか、知事が決めるのか、だれが決めるのか、明確でない」としました。そのうえで、「我々のグループは再稼働に賛成だが、電力会社と国の無責任を放置したままでは、反対せざるをえないと申し上げて終わります」と語りました。
みんなの党の山内康一さんは「田中原子力規制委員長は、きょう与党議員からも、野党議員からも悪く言われたから、きっと良い委員長だ」とフォローしました。
委員会開会直後に、東京電力の広瀬直己代表執行役が参考人として認められましたが、登場したのはラストバッターの生活の党の玉城デニーさんのところ。東京電力福島第一原子力発電所内で稼働する、ALPS(アルプス、放射能汚染水の多核種除去装置=東芝製)の不安定な働きぶりについてで、広瀬氏は現状を説明して、善処していることを強調しました。これに先立ち、検察審査会が、原発爆発の刑事責任について、東京電力会長の勝俣恒久氏、代表権をもった副社長の武藤栄氏、官邸にも詰めていた取締役の「フェロー」と処する武黒一郎氏の3氏が「不起訴不当」として、東京地検特捜部が再度捜査に入ったことについて、「いまだに刑事責任をとられる者がいないのは異常だ」「注意深く見守っている」とするペーパーを読み上げました。
ただ、きのうの報道で、福島第一原発3号機のデブリ(溶けた核燃料)が、格納容器の外に溶けてこびりついているらしいという報道が小出しに出てきて興味を持っていたのですが、きょうの審議では触れられませんでした。また、朝日新聞報道の関西電力の元会長が、歴代総理に資金提供していた話もありませんでした。とはいえ、野党議員はきょうの持ち時間では、しかたがないでしょう。やはり、首相、大臣、東電社長、九電会長・社長、関電関係者、原子力規制委員長らを一堂に集めた委員会の開催が必要に感じます。
それと、東京地検特捜部が勝俣を逮捕できなければ、存在理由を問われかねないということは、これはハッキリと信念で断じます。
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