【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

自治労が現前代表の支持に分かれ現職優勢かもしれないが次期執行部の「消費税ゼロ」は絶望的、4氏(野田佳彦・枝野幸男・泉健太・吉田はるみ)が争う立憲民主党代表選、党員は3年前と比べて14%しか増えず

2024年09月07日 16時10分04秒 | 新・立憲民主党2020年9月15日結党
[写真]北海道自治労会館の立て看板のうち岸氏は枝野候補、鬼木氏は現職の泉候補の推薦人に回った、3年前の2021年10月、札幌で、宮崎信行撮影。

 前回衆院選の敗北による代表交代から3年経ち、新しい立憲民主党代表を選ぶ選挙がきょう告示されました。

 立候補者は届け出順に、野田佳彦、枝野幸男、泉健太、吉田はるみの4衆議院議員。

 誰が当選しても、法人としての党運営に大きな変更はないと思われます。

 推薦人は上限いっぱいの25人となることが多かったのですが、今回は4陣営とも20ないし21人におさえました。

 自治労は、岸参議院議員(全国比例=北海道出身)が枝野陣営、鬼木参議院議員(同=福岡県出身)が現職の泉陣営に分かれました。情報労連の石橋参議院議員、JP労組の柴参議院議員、基幹労連の村田参議院議員は現職陣営。日教組の古賀参議院議員と私鉄総連の森屋参議院議員は枝野陣営となりました。吉田陣営には情報労連準組織内が2人、野田陣営はJR連合準組織内が1人にとどまりました。

 「3位・4位連合」が決選投票で力を持つ展開は考えられますが、次の執行部でも自治労が一定の力を持つことは確実となりました。消費税ゼロはないでしょう。

 選挙管理委員会は今週月曜日に、党員・協力党員の人数を11万4792人だと発表しました。3年前は10万0267人でしたので、3年間で14%しか増やせなかったことになります。前回の党員の投票率は47%と国政選挙よりやや少ない結果でした。その中で、党員のネット投票では逢坂代表代行がトップとなっています。これを勘案しておよそ1万人ほどは自治労構成員であると予想されますが、組織内が現職と枝野さんに分かれたことから、現職が有利とみてとれそうです。

 北海道選出国会議員の推薦人は、枝野5議員、泉、吉田各々1議員と、野田ゼロ議員となりました。野田さんは参議院議員が小沢最側近の青木議員1名となっており、広がりに欠きそうです。

 選管は今週水曜日に、公営日程を発表しました。衆議院の比例11ブロックのうち、街頭演説の回数について、10とする報道と11とする報道がありましたが、どちらも誤りではないようです。14日(土)の近畿ブロック立会演説会は、ヨドバシカメラマルチメディア梅田前で行いますが、候補者討論会と記者会見は神戸市のホテルで行うことになりました。維新対策として大阪と兵庫両府県を回る狙いだとみられます。18日(水)の東京ブロック・南関東ブロックは立会演説会・候補者討論会・記者会見は東京・新橋のみで行います。

 選管は報道陣に対して「各地の候補者討論会は、党関係者のみを出席者として想定しておりますので、報道の際は、情報の取り扱いについてご配慮をいただきますようお願いします」と呼びかけました。非議員党員のプライバシーや「党内はバラバラ」との印象操作を避ける目的だと思われます。同時にある程度閉鎖的・排他的にすることで、日本国籍有権者のわずか1000分の1に過ぎない栄えある立憲党員の心合わせの場にしたいとの思惑が透けて見えます。

 以上です。


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