田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

70年前の北海道を観る

2008-05-09 17:00:54 | 札幌学 & ほっかいどう学
 北海道新聞が読者を対象に「道新ぶんぶんクラブ」を組織し、さまざまなサービスを提供しています。
 できるだけクラブが催すイベントには参加するようにしているのですが、このほど道新ホールで開催された「蘇る70年前の映像 上映会」に参加してきました。
                

 映像は昭和11年に昭和天皇が北海道を行幸するに際して、事前に北海道の現状を把握していただくために制作されたものだそうです。そのフィルムは天皇家に献上され保管されていたのですが、今上天皇が昨年北海道に寄贈返還を申し出られたことで北海道に帰ってきたということです。
 幾多の変遷を経てフィルムはかなり傷んでいたのですが、専門業者の手によって修復され公開の運びとなったということでした。

 実際の映像は約3時間に及ぶそうですが、それを約1時間に編集したダイジェスト版を観ることができたのですが、大変に興味深い映像の数々でした。
 その中からいくつかのエピソードを紹介します。

 一つは当時の札幌市の人口がわずか127千人あまりだったということですから、現在の人口を考えると隔世の感があります。
 それでも大通公園は現在のような原形がすでに出来上がっており、花壇なども整備されていたということですから、当時から市民の憩いの場だったことがうかがわれます。

 いま一つのエピソードは、北海道の農業を紹介した映像で、トラクターによる農作業の様子が映し出されたことです。
 昭和11年どころか、私の記憶では昭和30年代に入っても道内の農作業の主力は農耕馬であったように思います。(私のお爺さんの家がそうでした)
 解説した道新の記者も述べていましたが、天皇にお見せするということで最先端の様子を紹介したものと思われます。

 最後に、北海道農業の担い手育成のために、本州各地からの移住希望者に対する農業実習機関としての拓殖実習場の様子を紹介する映像が流れました。
 北海道に夢を抱き、拓殖実習場で学び、北海道の今を築いた先輩諸氏たちの若き日の姿に触れることができました。

  そうした方々の苦難の上に現在の私たちが存在すると思うと、考えさせられることの多かった上映会でした。

※ 私が見た「蘇る70年前の映像」が北海道立文書館より動画配信されています。興味のある方はこちらをクリックしてみてください。(⇒クリック)
                              ('08/05/08)