40年前を懐かしむマテリアルを使用しようかなと思ったのですが・・・。
「40年前をどこかで懐かしみながら小さな旅に旅立ちたい・・・」と前回の投稿に記しましたが、そのことが私に一つの企みを想起させました。
それは40年前の旅を共にしたザックの存在です。
当時、日本人がバックパック的な旅をする場合は、キスリングと呼んでいた山岳部のような人たちが背負う横長のリュックしかありませんでした。
ですから当然私も横長のキスリングを背負い横浜の港を出港しました。
ヨーロッパ内を旅してチェコスロバキア(現在はチェコ)の首都プラハに入ったとき、街中で縦長の格好いいザックが目に付きました。当時の東欧の貨幣価値はとても低く、私のような貧乏旅行者でも手の届く価格だったので、迷いなく購入しました。それは当時の最先端のデザインでした。
あまり物持ちの良くない私ですが、子どもたちに旅の体験を語り継ぐアイテムとして、そのザックと、アフガニスタンで手に入れたアフガンコート、セイロン(現在のスリランカ)で購入した民俗太鼓の三品だけは「三種の神器」のように大切に保管していました。
そのチェコスロバキア製のザックを「今回の旅に使ってみようか」と思い立ったのです。
早速、トランクルームにしまい込んであったザックを取り出しました。
ご覧のように少しくたびれていますが十分使用に耐えられる状態です。
※ 今のザックと違うところは、止め具にファスナーやボタンを使っ
ていないことです。ザックには訪れた国のペナントが縫い付け
られています。(もちろん訪れた全ての国ではありません)
※ ザックの背面です。ご覧のように鉄枠が使われ、背負い
やすくなっています。
ところが、その計画を妻に話したところ「それだけは止めてほしい。ホームレスと間違えられては困る」と懇願されました。
ホームレスとはちとオーバーすぎると思いましたが、制止を振り切って旅立つほどの信念もなく、あえなく私の企みは闇へと葬り去られたのでした。(涙)
併せて「三種の神器」の他の二つも写真で紹介することにします。
※ アフガニスタン西部の街ヘラートのバザールで購入した
アフガンコートです。羊の皮で出来ています。
※ セイロン(現在のスリランカ)の首都セイロンで購入した
民俗太鼓です。
今回は日の目を見なかった企みですが、「いつかはぜひ懐かしのザックで旅してみたい」という思いが私の中では膨らんできました・・・。