田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

ランチタイムセミナー「おひるの科学」

2010-12-02 10:25:55 | 講演・講義・フォーラム等
 公的な組織や機関が自らの存在価値をPRすべくセミナーやワークショップなどさまざまな手段で市民にアピールしている。このランチセミナーは「北海道立総合研究開発機構」(この機構のこと知っていましたか?)が開催したセミナーである。
 
        

 北海道立総合研究機構とは、これまで道内に点在していた農業試験場とか、水産試験場、林業試験場など22の道立の試験研究機関を統合し、本年4月にスタートした新しい研究機構ということだ。
 統合したことを一つの契機として各試験研究機関の取り組みの成果の一部を市民(道民)向けにPRしようと道庁の1階の交流広場を会場にして昼休みの時間に開催している。
 私は今回初めて知ったのだが、ランチタイムセミナーは7月からすでに7回開催しており、今回は8回目の開催ということだった。

        
        ※ 講師を務めた道総研の吉田研究主査です。

 今回のテーマは「リサイクル革命! チョークは海から創られる」というもので、ホタテ貝の貝殻を活用して教材用のチョークを製品化したという話だった。
 ホタテ貝殻は以前は邪魔物として廃棄されていたが、現在では研究開発が進み土壌改良剤やアスファルト舗装の原料、人工漁礁の骨材など、さまざまな分野に利用され循環利用率は99.7%ということだ。
 その中にあってチョークの原料として注目したのは、ホタテ貝殻が高純度・高白色度の炭酸カルシウムからなっていて、この貝殻の粉末が特徴的な結晶構造であることに注目し道内のチョークメーカーと協力して開発・製品化に成功したということだ。

        

 ホタテ貝殻製のチョークが他のチョークより優れている点は、高純度・高白色度のために滑らかな書き味、白色度を増した鮮明さを実現させたということだ。 
 こうしたことを化学屋さんらしく、具体的なデータをもとに説明してくれたので良く理解することができた。

 それにしてもたかがチョークと思っていたが、チョークの世界も進歩しているようだ。
 これまでお目見えしていなかったような色チョーク、蛍光色チョーク、マーブルチョーク(どんなチョークか調べてみてください)、極太チョーク、そして色覚異常者のためのチョークと、さまざまなチョークが開発されているようである。

        

 ランチタイムセミナー、いいんでないかい?