田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

ノーベル賞受賞者 根岸教授の話を聞く

2010-12-25 11:43:16 | 講演・講義・フォーラム等
 2010年のノーベル化学賞を受賞されたばかりの根岸英一教授の講演を聴くことができました。根岸教授はテレビ画面から感じられるとおりの気さくでユーモアのある魅力的な方でした。

              

 わずか2週間前にノーベル化学賞を受賞されたばかりの根岸英一氏の講演を伺うことができました。
 これはご存知のとおり根岸氏が「北海道大学触媒科学研究センター特別招聘教授」に就任され、その称号授与式に来札されたのを機に実現した講演会です。
 根岸氏の講演を一般市民が聴けるのはおそらく札幌市民だけなのではないでしょうか。

        
      ※ 講演中の写真はもちろんNGでしたので、休憩中にステージ
       に投影されたスライドを写しました。以下の写真も全てスライド
       からです。写真はノーベル賞授賞式から帰り、ノーベル賞の賞
       状を掲げる根岸氏です。

 12月24日、道新ホールに満員の聴衆を前にして「夢と幸せを求めて」と題して講演されました。
 氏は聴衆が一般市民であることを意識され、ユーモアを交えながら平易な言葉で私たちにこれまでの氏の来歴を語りかけてくれました。
 その中で氏は、自分が幸福を掴んだ人間だとしたらその要因は次の四つであると述べました。その四つとは…、
 ①健康
 ②伴侶・家庭
 ③仕事
 ④師
を挙げられました。

 その中のエピソードを一つ紹介します。
 ④の師のことについての説明が始まったとき、それまで明るく語っていた根岸氏が突然沈黙してしまったのです。「どうしたのだろう?」と会場全体が静まり返ったとき、根岸氏が感極まって言葉がでない状況だったようです。

 根岸氏は氏の恩師として二人を挙げました。一人は言わずと知れたパデユー大学の故ブラウン教授、そしてもう一人が根岸氏の奥さんすみれ夫人の父親だそうです。
 すみれ夫人の父親は東京芸大を卒業し、根岸氏の中学校の音楽教師として赴任したそうです。根岸氏によると優秀な音楽家だったにも関わらず、当時の社会状況の中で中学校に勤めねばならなかった父親の不遇に思いをいたし、感極まったようでした。そして根岸氏はその父親からヒューマニズムの何たるかを教えてもらったということでした。

        
        ※ これぞ文字どおりノーベル賞メダルです。

 昨年聞くことができた二人の日本人ノーベル賞受賞者(江崎玲於奈氏、小林誠氏)の話に比べると、とてもきさくに平易な言葉で話されたことに私は好意を持ちました。  そうした話の中で、氏は自身の経験や考えから、次に続く人たちに次のような言葉を強調されました。
 自分の好きなこと、自分の得意なことから“夢”を抱きなさいと…。
 そして、成功するためには最高の師を仰ぐことが大切であると主張されました。

        
        ※ 奥さんのすみれ夫人とのツーショットです。

 その他にもさまざまな語録を披露されましたが、世界の頭脳から直接話を聴くという素晴らしいひと時を味わうことができた至福のひと時でした。