田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

原発事故 もう一つの悲劇

2012-09-16 23:52:08 | 講演・講義・フォーラム等
 福島原発事故は多くの人たちの故郷を奪った。それと同時にそこに生きていた多くの動物たちは生きる権利さえ奪われたり、奪われようとしている。その動物たちの命を懸命に救おうとしている二人の話を聴いた。 

 新聞報道で円山動物園を会場に「ふくしまのどうぶつたち写真展」が開催され、16日にその動物たちの命を救う活動をしている人たちのトークイベントがあると知り、出かけた。

          
          ※ 会場にはこのような写真がたくさん掲示されていました。

 円山動物園の動物科学館には多くの写真が掲示されていた。それらは主人がいなくなって人気のない街を彷徨う犬だったり、餓死してしまった牛だったりと目を背けたくなるような写真がたくさん張り出されていた。

          
          ※ 隣の動物園センターで開催されていた「太田康介写真展」の一枚です。

 同じ会場でトークイベントも行われた。
 登壇者は「希望の牧場・ふくしま」代表の吉沢正巳氏と「アニマルフォレスト」代表の吉田睦美氏だった。

 吉沢氏は、原発事故前は波江町において肥育牛の委託牧場に勤務されていたようだ。事故に遭ったことによって委託していたオーナーたちが肥育牛を手放すことになり牛たちが路頭に迷ったときに世話をしていた牛たちを殺処分にするわけにはいかないと立ち上がり、現在牛の世話を続けながら、国や東電の責任を追及するとともに、共感の輪を広げる活動を展開されているということだ。

 吉田氏は、話からは前身は掴みかねたが、現在は夫や友人たちと共に被ばくしたヒツジやヤギを中心にペットの命を繋ぐ活動を展開されているという。

          
          ※ トークイベントの様子です。右が吉田氏、中央が吉沢氏です。

 二人は言う。「原発事故から一年半、人々が原発事故に対する関心が薄れてきていることを憂いている」と…。

 二人は多岐について語ったが、その中から印象的な言葉を紹介する。
 「被災した動物たちは生きたガレキ扱いされている」
 「正しさは何通りもある。だから他地域へ避難した人たちの生き方も正しいと思う」
 「動物たちの窮状を見たとき、自分の被線量のことなんか気にしていられなくなった」
 「誹謗中傷に心が折れそうになったことは何度もある」
 「心が折れたら目の前の動物たちを救うことができないと思い心を奮い立たせた」
 「汚染された地域でも閉じた循環を作ることで20年と云われる牛の寿命を全うさせることができる」

 重い言葉の数々だった。国のエネルギー政策はここにきてもまだ腰が定まらない。
 熱さが喉を通り過ぎるのを待っているかのように…。