映画「南極料理人」で使用された防寒服が展示され、映画用の大きな映写機が鎮座している。黒澤明監督直筆の手紙がガラスケースの中に収められている…。「北の映像ミュージアム」は小ぶりながらも映画ファンには必見の施設かも?
映画「あなたへ」を観終わった後、一度は行ってみたいと思っていた「北の映像ミュージアム」に立ち寄ることにした。
現在「北の映像ミュージアム」は「さっぽろ芸術文化の館(旧厚生年金会館)」の1階に開設されている。
ところが私が実際に行ってみたところ、直ぐにはどこにあるのか分からなかった。ホテル内に案内などが皆無なのだ。しかたなく私はホテルのフロントで尋ねてようやくその場所が分かったのだった。なんだかホテルの一角にひっそりと間借りしている、という感じがしてしまったのだが、もっと堂々とその存在を示してほしいと思った。
ミュージアムは学校の教室をちょっと大きくしたくらいの大きさだった。
その中は、①ロケ地マップ&リスト、②黒澤明直筆の手紙、③視聴覚コーナー、④シンボル映写機、⑤テレビが描いた北海道、⑥映像と北海道年表、⑦北海道ゆかりの映画人、⑧シネマの本棚、⑨戦後復刊の「キネマ旬報」、⑩北の映像コレクション、⑪映画「南極料理人」衣装、というコーナーから成り立っていた。
こうして書くと、豊富な展示内容だなぁと思われるかもしれないが、私には今一つ物足りないなぁ、というのが率直な感想だった。
映画ファンの方々が自主的に立ち上がって創り上げた施設というから限界があるのかもしれないが、北海道の映像文化資料を展示する施設としてはさらに資料収集を進め、豊かな展示内容を期待したいと思った。
その中で出色は「黒澤明監督直筆の手紙」だろう。非常に読みやすい筆跡で全文を読むことができたが、監督の作品「白痴」の撮影地に札幌を選定した理由について「当時の札幌はエキゾチックな街で、北欧風の建物が多く、不思議な雰囲気を持っていた」と書き綴っている。その札幌がその後すっかり姿を変え、リトル東京になってしまったことを嘆いていることも手紙には書かれていた。
もう一つ、私は試さなかったが所蔵されたフィルムをDVD化したものを視聴覚コーナーで視聴できるようになっているようだ。先客が熱心に見入っていた。自宅からそう遠くはないので、時間の余裕をもって再訪し、視聴覚コーナーを利用しての映画鑑賞も悪くはないなぁ、と思ったのだが…。
北海道は、その美しい景観を生かしたロケ撮影で多くの映画が誕生している地である。そうした資料を収集・展示したものを私たちが改めて見ることによって、北海道の魅力を再発見することは意味あることと思える。
資料の収集をさらに進めて魅力あるミュージアムになっていくことを望みたいと思う。
映画「あなたへ」を観終わった後、一度は行ってみたいと思っていた「北の映像ミュージアム」に立ち寄ることにした。
現在「北の映像ミュージアム」は「さっぽろ芸術文化の館(旧厚生年金会館)」の1階に開設されている。
ところが私が実際に行ってみたところ、直ぐにはどこにあるのか分からなかった。ホテル内に案内などが皆無なのだ。しかたなく私はホテルのフロントで尋ねてようやくその場所が分かったのだった。なんだかホテルの一角にひっそりと間借りしている、という感じがしてしまったのだが、もっと堂々とその存在を示してほしいと思った。
ミュージアムは学校の教室をちょっと大きくしたくらいの大きさだった。
その中は、①ロケ地マップ&リスト、②黒澤明直筆の手紙、③視聴覚コーナー、④シンボル映写機、⑤テレビが描いた北海道、⑥映像と北海道年表、⑦北海道ゆかりの映画人、⑧シネマの本棚、⑨戦後復刊の「キネマ旬報」、⑩北の映像コレクション、⑪映画「南極料理人」衣装、というコーナーから成り立っていた。
こうして書くと、豊富な展示内容だなぁと思われるかもしれないが、私には今一つ物足りないなぁ、というのが率直な感想だった。
映画ファンの方々が自主的に立ち上がって創り上げた施設というから限界があるのかもしれないが、北海道の映像文化資料を展示する施設としてはさらに資料収集を進め、豊かな展示内容を期待したいと思った。
その中で出色は「黒澤明監督直筆の手紙」だろう。非常に読みやすい筆跡で全文を読むことができたが、監督の作品「白痴」の撮影地に札幌を選定した理由について「当時の札幌はエキゾチックな街で、北欧風の建物が多く、不思議な雰囲気を持っていた」と書き綴っている。その札幌がその後すっかり姿を変え、リトル東京になってしまったことを嘆いていることも手紙には書かれていた。
もう一つ、私は試さなかったが所蔵されたフィルムをDVD化したものを視聴覚コーナーで視聴できるようになっているようだ。先客が熱心に見入っていた。自宅からそう遠くはないので、時間の余裕をもって再訪し、視聴覚コーナーを利用しての映画鑑賞も悪くはないなぁ、と思ったのだが…。
北海道は、その美しい景観を生かしたロケ撮影で多くの映画が誕生している地である。そうした資料を収集・展示したものを私たちが改めて見ることによって、北海道の魅力を再発見することは意味あることと思える。
資料の収集をさらに進めて魅力あるミュージアムになっていくことを望みたいと思う。