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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道低山紀行 32 定山渓天狗岳(天狗山) 前編

2013-06-18 22:04:50 | 北海道低山紀行 & Other
【札幌近郊低山紀行】とは、「低山」の定義を標高1,000m前後の山としてその山々を巡ろうというものである。数えたところ札幌近郊には30峰以上の登山に適した低山があるようである。そこを体力づくりも兼ねながらぼちぼちと挑戦することにした。

 
 私がこれまで体験した札幌近郊の低山の中では最も困難な山だったのではないかと振り返る定山渓天狗岳である。体力的にも、技術的にも非常に困難を極め、心が折れそうになったのだが…。 

 市民登山教室の中で、道央勤労者山岳連盟所属の各山岳会がクリーンハイクと称する登山会の催しを紹介された。私は「山遊会 ル・レラ」が主催する定山渓天狗岳(以下定天と称する)の登山に参加することにした。
 なぜ定天を選んだかというと、これまで未体験の山だったので体験を一つ増やしたいというくらいで深くは考えていなかった。

          
          ※ 登山者名簿に入山記録を記し、いざ出発です。

 6月16日(日)空は快晴、午前8時に道路情報館で待ち合わせ、山遊会の方の車に乗り換えて、定山渓から道々95号線を豊羽元山に向かい、白井二股というところの駐車場に着いた。そこは登山口ではないのだが、登山口までそこから30分ほど林道を歩くことになる。
 パーティは山遊会のメンバーが男女4人(いずれも50代)、私以外の一般参加の男女4人は20~30代、そして私が60代という9人のパーティだが、私が一番年長という組み合わせだった。その中で山遊会の中の2人が長靴を履いていたのがちょっと奇異に映った。

          
          ※ 初めは写真のような林道を行きます。写真は同行した若者のグループです。

 8時45分、白井二股から林道トレッキングで定天の登山は始まった。林道の横を流れる白井川が融雪期で水嵩が増しているからだろうか、ゴーゴーと音を立てながら大量の水が流れている。快晴の山の朝は冷気に包まれ心地良い。
 途中ですでに下山してくる登山者に出会った。するとズボンのすその部分がドロドロに汚れているのが目立った。

          
          ※ 林道から「あれが定山渓天狗岳の頂上です」とリーダーが教えてくれました。

          
          ※ ここが定天の登山口です。ここから本格的な登山の開始です。

 9時20分、登山口に到着し一休みした後、いよいよ本格的に熊の沢コースの登山道に入り登山開始である。
 最初は少しの間林間コースだったが、やがて熊の沢の渓流に沿った登山道となる。その渓流を右に左にと渡りながら歩くのだが、私の前を行くサブリーダーは長靴が威力を発揮し、ジャブジャブ水の中を行くのだ。しかし、登山靴の私たちは飛び石を見つけながら付いて行かねばならない。この時期の長靴の威力を見せつけられた思いだった。
 初めはこの変化に富んだコースを楽しんでいたが、徐々に、徐々に私の中に疲れが貯まりはじめ体力を消耗していったようだ。流れを渡るときの足元がだんだんと怪しくなり、時には流れの中に嵌まってしまう場合も出てきた。

          
          ※ まずは写真のような林間トレッキングから始まりました。

          
          ※ やがてこのような渓流を渡りながらの登山が始まりました。

          
          ※ この写真も渓流を渡ってさらに高みへと向かうメンバーです。

 やがて大きな岸壁が現れた。岸壁にはロープが下がっており、それを使わねばとても登れそうにない岸壁である。
 リーダーは私の疲れ具合を見て、あるいは滑落する危険を察知したのかもしれない。私の体をザイルで縛り、上部から確保する手段を取ってくれた。リーダーの適切な措置もあり無事に第一の岸壁を通過できた。しかし、岸壁に下がっていたロープは泥にまみれていたため、私の手袋やウェアはいたるところ泥だらけになってしまった。

          
     ※ いよいよ現れました大岸壁です。写真じゃ大したことなさそうに見えますが…、とんでもありません!(初級者には)

          
          ※ このようにロープを頼ってなんとか…。岸壁が濡れているのがお分かりと思います。

 この後、第二、第三の壁が私を待っていた。雪が消えたばかりの季節とあって、沢の水も多く、コースは全体がぬかるんでおり、ベテランの山遊会の人たちも「定天をあなどっていたな」と言わしめるほど難しい条件だったのかもしれない。
 コースはまだ中盤、私の悪戦苦闘はまだまだ続く。(続きは明日の後編へ)