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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

駒大苫小牧に凱歌 ~ 春の全道高校野球最終日

2013-06-02 17:32:27 | スポーツ & スポーツ観戦
 春の全道高校野球決勝戦 私の予想は外れ、駒大苫小牧が7対2と小樽北照に打ち勝って見事に優勝を飾った。しかし、両チームの投手起用を見ていた私は途中からちょっと鼻白む思いで試合を見続けたのだった…。

          
          ※ 試合開始前の両校ナインの挨拶の様子です。 

 観戦しようかどうか迷ったが、ここまでレポートしてきたのだから、やはり最後まで見届けようと円山球場まで足を運んだ。
 今日も空は晴れ、昨日ほどではないと感じられたが、やはりスタンドはほとんどが埋まっていた。

          
          ※ 駒大苫小牧高のシートノックでノックをする佐々木監督です。

 試合の序盤は双方点の取り合いで4回までは2対2の同点で推移した。しかし、5回、7回と駒苫の打線が効率的に2点、3点と加点したのに対して、北照は打線振るわずそのままゲームセットになったという試合だった。

 私が鼻白む思いをしたというのは、両チームの投手起用を見てだった。今日の試合では両チームともに4人の投手を登場させたのだ。まるで投手の品評会のように…。

          
          ※ 駒大苫小牧はブラスバンド、チアガールを含めて派手な応援を繰り広げました。

 まず動いたのは駒苫の佐々木監督だった。駒苫はエース吉雄が先発し北照の4番小畑に一発は浴びたものの2対1とリードしている展開で4回の頭から二番手立花にスイッチした。何故だろう?
 そう思っていたところ、今度は北照が先発の齋藤を4回で降板させ、5回からは二番手の村上を投入した。齋藤は2回に2点を奪われていたとはいえ、3回、4回を無難に抑えていたのだから降板させる展開とは思えなかった。何故だろう?
 この辺りから私の中に疑念が湧いてきた。両監督とも死力を尽くして優勝を掴み取ることよりも夏を見据えての戦いをしているんじゃないかと…。

 代わった北照の村上は駒苫打線の餌食となり2点を献上し一死しか取れずに三番手の山田と交代した。(この交代は村上では試合が壊れると判断したベンチの戦術的交代だと思う)
 駒苫はその交代の形がより徹底しているように思えた。二番手立花は4回に北照に1点を与えたが、5回は無難に乗り切ったのに6回からは三番手の太田がマウンドに上がった。

          
          ※ 試合中の指揮をとる駒大苫小牧の佐々木監督です。

 私は携帯ラジオを持参しNHKの実況を聞きながら観戦していたが、さすがにアナウンサーもこうした投手交代を不可解に思ったらしく解説者に問いかけると、解説者は「たくさんの投手に経験を積ませるためでしょうね」と率直に語った。
 つまり、両監督とも甲子園出場を懸けた夏の大会を見据えての春の大会であって、春の勝ちにはそれほどこだわってはいないのではないか、と知らされた思いだった。
 そう気づくと急に鼻白む思いになってしまったのだ。

          
          ※ NHK札幌放送局は決勝戦の様子をラジオ中継していました。

 北照はさらに9回4番手にエース大串も登場させると、駒苫も9回には4人目の石井を登板させている。

 優勝の瞬間くらい歓喜を爆発させるのではとカメラを構えていたのだが、駒苫ナインは喜びを大袈裟に表すでもなく、むしろ淡々と試合終了のコールを聞いていたように見えた。
 優勝監督インタビューでも佐々木監督の意識はすでに夏に向かっているようで、そうした類の話ばかりだったようだ。

          
          ※ 優勝決定後、優勝監督インタビューを受ける佐々木監督です。

 事情通に云わせたら「そんなの当たり前だろう」と云われてしまうかもしれないが、昨日まで私はそんなことは微塵も頭をよぎることなく試合を見つめていたのだが…。
 今考えると、昨日の駒苫の不可解な投手交代も少しは理解できそうな気がする。したがって「高校野球の監督論」を書いてみたいと述べた私の言葉もしばらく凍結することにしたい。あ~あ…。