膝を故障して以来久々の山登りである。アイゼンが雪面をガッシリと掴まえていることを感じながらゆっくりゆっくりと登った。左膝に多少の違和感は残るものの問題はなかった。問題は登山道で起こった…。
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※ 藻岩山慈啓会コースの登山口です。
たくさんの投稿ネタを抱えながらも、旬と思えるネタをまずは投稿を、と時系列を無視して投稿することにした。
数日前から元旦登山の下見をしたいなぁ、と思っていた。
昨日(18日)は特に予定もなかったので前夜に準備を整えておいた。しかし、天気予報では相当に荒れると予報が出ていたため躊躇していた。朝から何度も外を見るのだが一向に荒れる気配が見えない。
昼まで待ったが、とうとう痺れを切らし「もし天候が荒れたら引き返そう」ということで、慈啓会コースの登山口に向かった。
登山口に着くと、車が5~6台停まっていて、登山者の姿も見える。「けっこう同じように考えている人がいるんだ…」と、少し安心して登山を開始した。
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ゆっくりゆっくり進むが、軽アイゼンが雪面を掴み心地良く歩を進めることができた。かえって前日のテカテカ、ゴツゴツだった街中の歩道よりはるかに歩きやすい。そのうえ、愛犬家の通る歩道にできる黄色いシミも見当たらず清々しい気持ちにさえなった。
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※ 登山道はこのような踏み跡ができていてとても歩きやすくなっています。
さて、ここからは冬ならではの藻岩山の登山道の光景をレポートすることにする。
まず、登山道を歩きながら樹間越しに「三角山」がきれい遠望できた。木々の葉が落ちた冬だからこそスッキリとした姿を見ることができるのだろう。
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※ 三角山がスッキリ見えます。元旦登山のもう一つの候補です。
次に、藻岩山には円山ほどではないがけっこうな数のお地蔵さんが登山道の脇に立てられている。そのお地蔵さんの前がどれもきれいに除雪されているのだ。一体誰が?きっと雪が降る度に訪れて除去しているのだと思われるが、その信心深さには恐れ入る思いだ。
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※ 写真のように全てのお地蔵さんの前が除雪されていました。
また、一本の木にスコップがぶら下がっていた。良く見ると「藻岩山の会」というラベルが貼ってあり、近くに「階段の除雪用です」と記されていた。ここでも山の会の方々が降雪の度に階段状になったところの危険を除雪するために骨を折られていることを知った。
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※ 階段状のところは除雪していないと危険です。
慈啓会コースはちょうど沢状のコースを登っていくからか風も当たらず、音も聞こえず静かな登山だった。この日は登山口で気温が0.5℃とこの時期にしては暖かかった。
私はアウターの下に来ていたフリースを脱ぎ、ザックに入れた。私の服装は下着、インナー、そしてアウターの三枚だけの軽装だった。 それでも汗が出てきそうだったので、途中からはアウターの脇に付いているジッパーを全開にして外気を入れるようにすると、ちょうど良かった。
一つ特徴的だったことは、登山道はもちろんのこと、いたるところにヤマアジサイの枝ごと付けた種が落ちているのが目立ったことだ。
他の種子はないのかというと、どうやら他の種子は小さな種子だけを地面に落としているのに対して、ヤマアジサイは枝ごと地面に落下するために目立っているようだった。
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※ 登山道に黒く点々と見えるのは、全てヤマアジサイの種子でした。
さて問題の膝の方だが、やはり完治ということにはなっていないようだ。痛みなどはもちろんないのだが、右膝に比べるとどうしても左膝に何となく感ずる違和感は免れなかった。痛みを感ずるようなことではなかったのでそのまま登り続けたが、膝はやはり微妙な器官なのだということを改めて認識させられた。息長~く回復を図っていきたいと思う。
登山口近くでは若干雪面も溶けかかって固まっていたためか、アイゼンが効いていたが、高度が増すにつれて粉雪状となりアイゼンの必用もないような軟らかな雪に変わってきた。
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※ もっとも冬山らしい素晴らしい雪に囲まれた登山道です。
登山口からちょうど1時間、他のコースとの分岐点にあたる馬の背に出た。夏には30分で着いた地点までに倍の時間をかけたことになる。雪道ということもあるが、それくらいゆっくりと登ったということだ。
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※ 分岐点となる馬の背付近です。このあたりから風が強くなりました。
馬の背に出ると山の様相がガラッと変わり、強い風が吹き付けるようになった。遮るものが無い稜線だから当然とも思えた。
時間にして残り30分程度で山頂である。風が強き汗をかく心配もないので、それまでよりやや歩を進めるのを速めて山頂を目ざした。
雪は降っていないが、時折り強風が雪を舞い上げる中、歩を進めた。所々で踏み跡が消えかかっているところもあった。
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※ 馬の背(稜線)に入ってから踏み跡が狭くなっていました。
山頂まで残り10分程度に差しかかったときだった。
突然、行く手の踏み跡がまったく見えなくなった。
「まあ、そんなところはほんの少しの間で、そこを抜ければまた踏み跡が見えるようになるだろう」そう思い、歩を進めたのだが、4~5歩進むと膝くらいまで雪に埋まってしまった。
「これは登山道を踏み外してしまったのでは?」
そう感じた瞬間に私は前へ進むことを断念した。何も無理をすることはないのだから…。
潔く踵を返し、私は登山口に戻ったのだった。
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※ 私が引き返した地点です。踏み跡は私の踏み跡です。
私は今さらにして自分の体力に応じて、ゆっくりゆっくり登ることで登山がより楽しく感じられることを学んだように思った。
これまでも登る前は体力に応じて「ゆっくり」と思いつつ、スイッチが入ってしまうとついつい無理をして辛い思いをしてしまうことが多かった。
膝の故障が登山の楽しみ方を教えてくれたようだ。これから無理せずボチボチと楽しめたらと思った今回の藻岩山登山だった。(登山と言えるほど大げさなものじゃないけれど…)
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※ 藻岩山慈啓会コースの登山口です。
たくさんの投稿ネタを抱えながらも、旬と思えるネタをまずは投稿を、と時系列を無視して投稿することにした。
数日前から元旦登山の下見をしたいなぁ、と思っていた。
昨日(18日)は特に予定もなかったので前夜に準備を整えておいた。しかし、天気予報では相当に荒れると予報が出ていたため躊躇していた。朝から何度も外を見るのだが一向に荒れる気配が見えない。
昼まで待ったが、とうとう痺れを切らし「もし天候が荒れたら引き返そう」ということで、慈啓会コースの登山口に向かった。
登山口に着くと、車が5~6台停まっていて、登山者の姿も見える。「けっこう同じように考えている人がいるんだ…」と、少し安心して登山を開始した。
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ゆっくりゆっくり進むが、軽アイゼンが雪面を掴み心地良く歩を進めることができた。かえって前日のテカテカ、ゴツゴツだった街中の歩道よりはるかに歩きやすい。そのうえ、愛犬家の通る歩道にできる黄色いシミも見当たらず清々しい気持ちにさえなった。
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※ 登山道はこのような踏み跡ができていてとても歩きやすくなっています。
さて、ここからは冬ならではの藻岩山の登山道の光景をレポートすることにする。
まず、登山道を歩きながら樹間越しに「三角山」がきれい遠望できた。木々の葉が落ちた冬だからこそスッキリとした姿を見ることができるのだろう。
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※ 三角山がスッキリ見えます。元旦登山のもう一つの候補です。
次に、藻岩山には円山ほどではないがけっこうな数のお地蔵さんが登山道の脇に立てられている。そのお地蔵さんの前がどれもきれいに除雪されているのだ。一体誰が?きっと雪が降る度に訪れて除去しているのだと思われるが、その信心深さには恐れ入る思いだ。
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※ 写真のように全てのお地蔵さんの前が除雪されていました。
また、一本の木にスコップがぶら下がっていた。良く見ると「藻岩山の会」というラベルが貼ってあり、近くに「階段の除雪用です」と記されていた。ここでも山の会の方々が降雪の度に階段状になったところの危険を除雪するために骨を折られていることを知った。
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※ 階段状のところは除雪していないと危険です。
慈啓会コースはちょうど沢状のコースを登っていくからか風も当たらず、音も聞こえず静かな登山だった。この日は登山口で気温が0.5℃とこの時期にしては暖かかった。
私はアウターの下に来ていたフリースを脱ぎ、ザックに入れた。私の服装は下着、インナー、そしてアウターの三枚だけの軽装だった。 それでも汗が出てきそうだったので、途中からはアウターの脇に付いているジッパーを全開にして外気を入れるようにすると、ちょうど良かった。
一つ特徴的だったことは、登山道はもちろんのこと、いたるところにヤマアジサイの枝ごと付けた種が落ちているのが目立ったことだ。
他の種子はないのかというと、どうやら他の種子は小さな種子だけを地面に落としているのに対して、ヤマアジサイは枝ごと地面に落下するために目立っているようだった。
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※ 登山道に黒く点々と見えるのは、全てヤマアジサイの種子でした。
さて問題の膝の方だが、やはり完治ということにはなっていないようだ。痛みなどはもちろんないのだが、右膝に比べるとどうしても左膝に何となく感ずる違和感は免れなかった。痛みを感ずるようなことではなかったのでそのまま登り続けたが、膝はやはり微妙な器官なのだということを改めて認識させられた。息長~く回復を図っていきたいと思う。
登山口近くでは若干雪面も溶けかかって固まっていたためか、アイゼンが効いていたが、高度が増すにつれて粉雪状となりアイゼンの必用もないような軟らかな雪に変わってきた。
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※ もっとも冬山らしい素晴らしい雪に囲まれた登山道です。
登山口からちょうど1時間、他のコースとの分岐点にあたる馬の背に出た。夏には30分で着いた地点までに倍の時間をかけたことになる。雪道ということもあるが、それくらいゆっくりと登ったということだ。
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※ 分岐点となる馬の背付近です。このあたりから風が強くなりました。
馬の背に出ると山の様相がガラッと変わり、強い風が吹き付けるようになった。遮るものが無い稜線だから当然とも思えた。
時間にして残り30分程度で山頂である。風が強き汗をかく心配もないので、それまでよりやや歩を進めるのを速めて山頂を目ざした。
雪は降っていないが、時折り強風が雪を舞い上げる中、歩を進めた。所々で踏み跡が消えかかっているところもあった。
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※ 馬の背(稜線)に入ってから踏み跡が狭くなっていました。
山頂まで残り10分程度に差しかかったときだった。
突然、行く手の踏み跡がまったく見えなくなった。
「まあ、そんなところはほんの少しの間で、そこを抜ければまた踏み跡が見えるようになるだろう」そう思い、歩を進めたのだが、4~5歩進むと膝くらいまで雪に埋まってしまった。
「これは登山道を踏み外してしまったのでは?」
そう感じた瞬間に私は前へ進むことを断念した。何も無理をすることはないのだから…。
潔く踵を返し、私は登山口に戻ったのだった。
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※ 私が引き返した地点です。踏み跡は私の踏み跡です。
私は今さらにして自分の体力に応じて、ゆっくりゆっくり登ることで登山がより楽しく感じられることを学んだように思った。
これまでも登る前は体力に応じて「ゆっくり」と思いつつ、スイッチが入ってしまうとついつい無理をして辛い思いをしてしまうことが多かった。
膝の故障が登山の楽しみ方を教えてくれたようだ。これから無理せずボチボチと楽しめたらと思った今回の藻岩山登山だった。(登山と言えるほど大げさなものじゃないけれど…)