田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

東京2020と北海道の活性化

2015-10-18 21:45:20 | 講演・講義・フォーラム等
 ちょっと堅いタイトルになってしまったが、東京五輪開催による北海道への波及効果について、私は限定的とみるがどうなのだろうか?それより、パネルディスカッションにおける新潟県三条市長の提言を興味深く聴いた私だった。 

 昨日に続き、10月14日(水)の午後開催された「スポーツによる北海道の活性化を考える」シンポジウムについてレポートする。
 有賀氏の基調講演の後、パネルディスカッションに移った。テーマは特に示されなかったので、シンポジウムのタイトルがそのままテーマと解した。
 シンポジストとして登壇したのは、次の4名だった。
 ニッセイ基礎研究所の吉本光宏氏、(株)ジェーテービーの山下真輝氏、新潟県三条市長の国定勇人氏、そして基調講演をした有賀勝氏の4名だった。

     

 有賀氏を除く3名の方々は、それぞれの立場から東京2020と関連した地域活性化についての提言があった。
 吉元氏は文化関係の政策提言などに関わっておられる方で、東京2020もスポーツの祭典だけという見方をするのではなく、この機会をとらえてカルチュアル・オリンピアードを目ざすべきと提言された。実際にロンドン五輪に際しても「ロンドン2012フェスティバル」と称する文化芸術プログラムが6/21~9/? までの長期にわたって開催されたそうだ。
 吉元氏は2020以降においてスポーツ・文化・教育を通じた新たな成熟社会を目ざすべきだ、と提言した。

                    

 山下氏は観光業の立場から、スポーツと観光の融合について論じた。日本をスポーツツーリズムの目的地とするためには、観るスポーツ、するスポーツ、支えるスポーツ、とあらゆる観点からその可能性を探るべきとした。ハード整備だけではなく、人が集まる仕組みをいかに構築するか。例えば、今注目されている「里山体験」など、日本の良さを発信したいものだ、とした。

                    

 興味深く、私が最も共感できたのが三条市長の国定氏の提言だった。国定氏は43歳と若いにもかかわらず、現在三条市長三期目という気鋭の行政執行者のようだ。
 国定氏は「地域活性化推進首長連合」(正式には2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合)の会長という立場からお話された。
 国定氏は主張する。五輪開催国に決定し、日本は長期にわたって海外からの観光客需要(インバウンド需要)が喚起される状況にある。その時、各自治体がそれぞれ観光客誘致を図るよりは、自治体が結束して誘致策などを講じるべきでないか、という。彼が言うには、連合に機能として、①情報発信機能、②戦略的海外セールスの調整機能、を持たせるという。現在連合には全国348自治体が参加しているというが、大きな数字ではないだろうか。(北海道は11自治体)
 国定氏の主張には、一応2020年の東京五輪を契機とした連合としているが、氏の中では五輪を抜きにしても地域活性化政策として推進していきたい思いを滲ませた。
 氏はさらに言った。市町村それぞれでは、自ら魅力を発信・提示する力に限界がある。首長連合は、市町村の宝(コンテンツ)と提案力・実行力のある企業とのマッチングをしていきたい、と語った。
 現在348自治体が参加表明をしているということから、その有効性にも期待をかけたいところである。けっして大きな都市の市長ではない国定氏だが、氏の行動力と突破力によって地域の活性化が推進されることを期待したい。

                    

 最後に、リード文で触れたことだが、東京オリンピックに関わって北海道における合宿誘致はどれくらい実現するだろうか?私は「限定的」という表現をしたのは、地の利の無さである。これまで実績のあるところはある程度実現するかもしれないが、東京からの距離を海外チームがどう見るかである。
 夏の五輪という中、本番まで暑さを避けたいと考えるチームが多数出てくることを期待したいものである。

 一般人は別として、関係者にとってオリンピック狂騒曲は始まっている?


 ※ 私は今、疲労困憊状態である。というのも、私にとって宿題だった「藻岩山全コースひと筆書き縦走」を本日なんとか完登することができた。藻岩山とはいえ、三度も登るコースは私にとってはタフだった。明日からそのレポを綴りたいと思っている。