
朝露にきらめく稲の穂に、よく見れば花が咲き始めていた。
昨日ショートステイから帰ってきたばぁちゃん
一定温度に管理された老人ホームと違い
扇風機と自然の風まかせな我が家では、茹だったような顔をしていた。
朝から強い日差しで、東側にあるばぁちゃんの部屋には
日焼けするくらい日が差し込むので
午前中だけは半分くらい障子戸を閉めて日差しを遮っておく。
この時期食欲が落ち、食事をさせるのに時間がかかってしまう。
夕方の生暖かい風が汗ばんだシャツに張り付いて
なかなか食の進まないばぁちゃんに
これからの夕食の仕度の時間が気になる時なのだ。
だけど、同じような時間帯なのだが
こうして幾日かのショートステイで、自分の時間が持てた後には
何だか何時もより優しい気持ちになれるような気がして
おむつ交換のたびに暑かろうと、地下水でギュッと絞ったタオルで
背中と手足を拭いてあげると心なしか気持ち良さそうな顔をするのが分かる。
そんな時には自分も嬉しい。
自分の時間を持てるという事は
自分にとっても家族にとっても良い事なのだと思う。
食事の時やオムツ交換の時に、よく話しかけるともなく独り言をいう。
聞いているのか聞いていないのか…それでも話しかける。
『このお粥はお父さんが作った米で炊いたんだよ
ホームのご飯と比べものにならないくらい美味しいね。』
すると、不思議と食が進む。
分からない部分で分かっているのだろうか…。
なんだかプラスワンだけ、より優しい気持ちになれる。

暑い暑いと言ってはいても、道端にはススキが…日は短くなり時は秋なり。。。