昨日の激しい雨が過ぎ去った後は、見え隠れしていた秋が全容をあらわにしたようだ。
確かな秋を感じさせる朝晩の涼しさと、秋の日はつるべ落としと言われるが如く
気がつくと、夕日は遠く工場地帯に身を隠してしまっている。
この夏は、いつもの夏より厳しかったように思う。
梅雨がなかなか明けなかったからなのか
真夏日が何日も連続で、焼け焦げてしまえとばかりに照りつけたからか。
いくら体力のある者でも少しは参ってしまうに違いないと思う。
このところ、我が家のばぁちゃんもスッカリ食欲が落ちてしまい
一口二口くらいしか食べない時もある。
口元にスプーンを持っていくと、いやいやをして口をつぐむ。
食事の他に水分も取らなくてはならないのだが
何とか水分だけはと頑張ってしまう。
そういう時は、つい無理に食べさせようと焦る。
そうすると益々食べなくなる…イタチゴッコか!
昨日はばぁちゃんの彼氏であるA先生の往診の日だった。
私の話を聞いて、よく診てくれた。
所見としては、今のところまだ体力はあるようなので
もう少し様子をみてみましょう…との事だった。
少しくらい食べなくても水分さえあれば大丈夫なのだが…。
しかしゲンキンなものだ!
知ってか知らずか、今日から食欲が出てきたようだ。
まさか A先生への愛の力ではあるまいが、食欲が戻ってきたのは嬉しい事だ。
医者の言葉は、どんな高価な薬よりも効き目があるようで
私もばぁちゃんもすっかり安心してしまったのかもしれない。
ひと雨があって季節も秋
優しく白い一輪のコスモスが、雨上がりの秋空に揺れていた。