3連休最終日。妻と2女は街に買い物に。長女は友達と遊びに出掛けていった。
残された私が行くところは、やはりクルマのディーラーさんに決まっている。
尾車氏を誘って出掛けたのは、BMWのお店。最近登場したニューBMW320iを試乗させていただいた。
試乗車は、「Luxury」。8ATで、税込車両本体価格470万円という、高級車である。
まずは、クルマ全体を、舐めるように見回した。
昔からほぼ変わっていないBMWの4連メーターだが、さりげない表示の「オンボードコンピュータ」が、現代のクルマであることを地味に主張する。
オルガン式のアクセルペダルが、上質感をさらに演出する。
右端のボンネットリリースレバーは、安全上のためか、2回フックしないと開かないようになっている。このようなロジックのクルマを見たのは、初めてのことだ。BMWの安全に対するしつこいぐらいの思慮深さが、このような部分に垣間見える。
エンジンはストレートフォー2リッターターボ。184psを発揮しながらも、JC08モード燃費は16.6km/Lと、極めて優秀な数値。
ベージュ基調のインテリアは、明るくて、イイ感じ。
リヤシートは40:20:40の分割可倒式。4名乗車で、スキー板等の長尺物を積むことができる。
バッテリーはトランク内に置かれている。50:50の重量配分へのこだわりなのだろう。
尾車氏が適度なドライビングポジションを取った際のリヤシートのニールームはこんな感じ。
大人4人が、快適なグランドツーリングを愉しむのに、充分なスペースである。
で、いよいよ走らせてみた。試乗コースは、河川敷沿いの、信号の無い空いている道路。適度に舗装が荒れている部分もあり、エンジンフィールや脚回りのチェックに最適なのだ。
かつてBMWに乗った時、電磁式ウインカーの使いづらさに閉口したものだが、今回の320iのウインカーの操作ロジックは、以前よりもフツーのクルマに近づいた。とりあえず、「出したウインカーを消せなくてパニックになる」といったシチュエーションには陥らなかったことを、報告しておきましょう。
このステップトロニックの操作ロジックは、事前学習が必要で、直感での操作には難アリである。「D」に入っているのか、「R」に入っているのか、それとも「P」に入っているのか・・・慣れるまでは、いちいちインパネの表示を確認しなければならない。通常のゲート式ATの方がよっぽど使いやすいというのが、私の偽らざる感想である。
とはいえ、操作に慣れてくると、快適この上ないこのトランスミッション。マニュアルモードでの反応は実に素早く、意味もなくシフトダウンして、バイエルン作ストレートフォーの咆哮を愉しみたくなってしまう。
やはり、BMWのエンジンは気持ちいい。それはブラウンのシェーバーのように鋭く吹け上がり、そのエキゾーストノートと共に、ドライバーを至福の快感に誘う。
走り出すと即座に感じる、センター方向にずしっと据わった、重めのステアリングフィール。だが、舵角を与えると、それは思った通りにスッとノーズをその方向に向け、まさに以心伝心。
加えて、ファットなランフラットタイヤを完璧に履きこなしている、フラットでしなやかな脚。そして敢然と遮断されたロードノイズ。いやあ、悪いところが見当たらない。全てが素晴らしいとしか言いようがない。試乗する度に、私を恍惚の人にしてしまう。それが、BMWマジックである。
ブログ開設から、はや7年。その間、様々なクルマの素人試乗インプレッションをお届けしてきたが、この320iがベストだと、私は断言できる。全長・全幅はかつての3シリーズよりかなり肥大化してしまったとはいえ、実際走り出してしまえば、あまりそれを感じさせないのだ。
やはり現実として問題となるのは、そう、その価格だけだ・・・