『知ろうとすること。 (新潮文庫)』
早野龍五&糸井重里、2,014、『知ろうとすること。 (新潮文庫)』、新潮社
3.11からはや6年、「避難民がゼロ」になったときが復興、という友人の言葉を借りれば、まったく、可能性も見えない。外部被曝の可能性がある場所ですら、避難解除がアナウンスされるものの、そもそも、生活基盤がないところには帰ることは出来ない。その意味では、いつになって「復興」という段階になるのか。少なくとも、政府は、避難解除がそのサインだと理解しているようではあるが、解決につながるとは思えない。
本書は、ながく枕頭に積読になっていた本だ。なぜ、積ん読のままになったのかというと、物理学者の早野氏の言葉が楽観的に響きすぎるからだ。糸井氏の合いの手もそうだ。そんなふうに、安易(ではないのだけれど)に安全だというサインを出していいのか。そうおもったから、うんざりして、捨てておいたのだ。しかし、考えてみると、政府や東電のやり方とは違う希望への道があるかもしれないとも思える。本書が避難解除に直接結びつくわけでもないし、また、解除されたところでもとに戻ることもできない。だが、オルタナティブとしては、必要な情報だろう。内部被爆や外部被曝についての考え方、あるいは、捉え方について示しているから。
本当は、政府や東電の責任の所在を明確にしなければならないし、土木優先の復興には、大いに疑問がある。自発的な復興ではなく、政策的な復興は、地元に根ざすとはまったく思えない。小綺麗な再開発は被災地でなくとも、街の魅力を失わせてしまうように思える。
本書のもっとも素晴らしいところは、我々の身体の主要元素、水素は宇宙開闢以来の元素であって、我々は地球の歴史そのものだということを物理学者としての早野氏が語っているところだろう。だから、地球を大切にすることは、自分自身を大切にすることに直結しているのだとわかるところだろう。
3.11からはや6年、「避難民がゼロ」になったときが復興、という友人の言葉を借りれば、まったく、可能性も見えない。外部被曝の可能性がある場所ですら、避難解除がアナウンスされるものの、そもそも、生活基盤がないところには帰ることは出来ない。その意味では、いつになって「復興」という段階になるのか。少なくとも、政府は、避難解除がそのサインだと理解しているようではあるが、解決につながるとは思えない。
本書は、ながく枕頭に積読になっていた本だ。なぜ、積ん読のままになったのかというと、物理学者の早野氏の言葉が楽観的に響きすぎるからだ。糸井氏の合いの手もそうだ。そんなふうに、安易(ではないのだけれど)に安全だというサインを出していいのか。そうおもったから、うんざりして、捨てておいたのだ。しかし、考えてみると、政府や東電のやり方とは違う希望への道があるかもしれないとも思える。本書が避難解除に直接結びつくわけでもないし、また、解除されたところでもとに戻ることもできない。だが、オルタナティブとしては、必要な情報だろう。内部被爆や外部被曝についての考え方、あるいは、捉え方について示しているから。
本当は、政府や東電の責任の所在を明確にしなければならないし、土木優先の復興には、大いに疑問がある。自発的な復興ではなく、政策的な復興は、地元に根ざすとはまったく思えない。小綺麗な再開発は被災地でなくとも、街の魅力を失わせてしまうように思える。
本書のもっとも素晴らしいところは、我々の身体の主要元素、水素は宇宙開闢以来の元素であって、我々は地球の歴史そのものだということを物理学者としての早野氏が語っているところだろう。だから、地球を大切にすることは、自分自身を大切にすることに直結しているのだとわかるところだろう。
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