『ロカノンの世界 (ハヤカワ文庫SF)』
本書のプロローグ「セリムの首飾り」は、著者の最初期の頃の短編からとっているそうで北欧の神話を踏まえているという。このプロローグに登場するセリムの首飾りが、繰り返し物語に現れる。
調査隊長ロカノンは全世界連盟から派遣されたが隊員すべてを失ってしまい、王国の皇嗣モギーンらとともに、風虎にのって、連盟への反逆者を追う。「心話」によって、最後彼らの本拠を突き止めたロカノンは、超長距離通信システム(光速をこえて通信できる通信システムで、反逆者も使っている)のアンシブルで、連盟につたえて破壊に成功する。連盟からの救出隊が登場したときにはすでに、相対性原理の時間経過の違いによってロカノンは亡くなったあとであった。