著者の納豆をを追求した前作『謎のアジア納豆:そして帰ってきた<日本納豆>』に続く、解決編とのこと。前作では東南アジアから南アジア、日本の納豆を追いかけていたのだが、本書では、アフリカと韓国の納豆を追いかける。多様な豆(大豆だけとは限らない)を使うアフリカの納豆の追求が興味深い。アフリカ研究の知人たちの名前も参照される。納豆ワールドカップを開催して、世界の納豆の官能テストに及ぶ。トップは、韓国のチョングッチャン、2位はブータンの納豆、ナイジェリアのバルキア豆をつかった納豆は特別賞となった。
このあと、著者はアフリカ納豆誕生の仮説をのべ、最後にツルマメから大豆の栽培化にあたって、納豆菌の果たした役割は大きく、「人間は大豆で納豆を作ったのではない。納豆で大豆を作ったのだ」と結論する。
本書を読みながら、以前、シンガポールでレシピを仕入れた「ペーパーチキン」の納豆追加バージョンを作ってしまうぐらいに、納豆パワーは絶大であった。またなにか、納豆追加のレシピを考えてみようと思う。