あいにくの曇り空でしたが、瑞穂農芸高校の学生達と稲刈り、脱穀、もみすり、そして芋ほりをしました。本当は11月11日の予定でしたが、当日が雨だったため今日に延期したものです。この延期した2週間の間にすっかり寒くなり、紅葉した山を眺めがら稲刈りを始めました。
彼女達は6月に田植えに来たことがあるため、和気あいあいと楽しく話しながら作業を始めました。最初は稲刈りです。彼女達が田植えした稲は先月に小学生達が刈り取ったため、今日は大学生が田植えした古代米(赤米)を稲刈りしました。
古代米は背が高くて倒れたため、稲を起こしながらの稲刈り
刈り取った稲は束にして稲ワラで縛ります。彼女達は稲刈りや刈った稲を束ねることは初体験だったため、最初稲刈りや束ね方や縛り方の講習をしました。縛り方が一般の結び方とは異なるため、最初は戸惑ったようです。しかし、小学生と違って飲み込みがとても早く、2,3度の試行錯誤で覚えてくれました
稲ワラで刈った稲を縛る 稲束を絞めるように縛る
古代米はとても背が高いため茎が重く、普通の稲よりやや重くなります。このため稲の結束にはやや力が必要です。稲ワラを持って縛ったまま、稲束の方を回すようにしながら絞めてきつく縛ります。そして、回してできた稲ワラのこぶを、縛った稲ワラの内側に回すようにして稲束を硬く留めます。このようにすれば、簡単に稲束を結束できます。
稲束を回すようにしながら絞めて縛る
稲刈りが終わると脱穀の開始です。今日刈り取った稲はまだ乾燥していないため、脱穀できません。先日刈り取って干しておいた、ため池の田んぼの稲を脱穀しました。干した稲をよく見るとスズメがだいぶ食べたようで、地面には食べたあとに散らかした籾殻が散乱していました。やれやれ、スズメの食べ残しを脱穀するようです(笑)。しかし、彼女達はこの初体験の脱穀をとても楽しんでいました。
干した稲を脱穀機に運ぶ 干した稲束を脱穀
彼女達は交互に脱穀しました。私も加わって脱穀しましたが、脱穀機にごみが詰まらないように監視したり、エンジンの調子をみることに徹しました。紅葉した山に高らかに響くエンジンや脱穀の音を聞きながら、もくもくと作業しました。
交互に稲束を運びながら稲を脱穀
古い発動機も快調に回転 時々右のレバーを引いてゴミを取る
脱穀も終盤に入ると、脱穀を終わった稲が山のように積み重なる
脱穀が終わると午後1時頃でした。さっそく、弁当を開いて昼食です。曇り空のため休むと体が冷えてくるため、コンロでお湯を沸かして紅茶やコーヒーの飲んで体を温めます。食べながら高校生活や日常生活の話題で楽しくお話をしました。
農芸高校の畜産科では男子が5人しかいないとのことでした。昔は逆で、男子が多かったとの話を聞いたので今と昔の違いに驚きました。また教わる動物も昔は、牛や豚が中心だったそうですが、今は犬やサルなどのペット類も教えているそうです。例えばトリマーを勉強する犬は人気があるとのこと。そういえば、去年農芸高校を訪れた時にたくさんの犬がワンワンとにぎやかに吠えていました。
今日来た二人の女子高校生は、まだ1年生のため来年担当の動物が決まるとのこと。羊と豚を希望しているそうです。
近くの鈴木牧場を訪れる、牧場主は彼女達の大先輩
昼食を済ますと脱穀したお米(籾)を籾摺りします。籾摺りとは、籾がついたお米の殻を取って玄米にする作業です。籾摺り機は近くの鈴木牧場にあるため、脱穀したお米を一輪車で鈴木牧場まで運びました。
鈴木牧場に着くと、彼女達の通う高校の大先輩である牧場主に会いました。いろいろと高校の昔話や酪農組合などのお話を伺いました。ついでに牧場内を見学しましたが、その時に生まれたばかりの可愛い子牛が一頭いました。彼女達は顔をほころばせてさかんに撫でていました。
牛舎を見学すると籾摺りです。籾摺機を出して、玄米を入れる袋をセットして籾摺り開始です。彼女達は初めての籾摺りに興味津々のようで、玄米が出来る様子をじっと眺めていました。
玄米ができる工程を始めて経験
籾が籾摺機に入る箇所 籾摺りされ、玄米が袋に排出
籾摺りが終わると玄米ができますが、このままでは食べられません。この玄米を精白して、やっと食べられる白米になります。残念ながら玄米を精白する精米機が故障していたため、今日は精白はできませんでした。コイン精米機を使って精白するか、健康食の玄米ご飯にして食べるしかありません。彼女達にはこの玄米を持って帰ってもらうことにしました。
籾摺りが終わる頃には、だいぶ日が傾いていました。帰る前に、ジャガイモ堀りして持って帰ってもらうことにしました。赤、紫、白の三色のジャガイモです。
掘り取ったジャガイモを袋に詰める
彼女達は、農作業にとても興味を持っているようで「来年も来てみたい」とのことでした。なぜだかよく分かりませんが、農業に興味を持つ若者には女性の方が多いようです。
農業は金儲けのできる仕事ではありません。しかし、環境と共存し、生きる糧の食べ物を生産するとても大切な仕事だと思っています。少しでも農業に興味を持ってくれる若者が増えて欲しいと思っています。
夕暮れで薄暗くなった田んぼ前で写真をパチリ