久しぶりに梶取岬近くの岩場に行きました。南を見ると正面に馬島が見える場所です。タイドメーターで干潮の時間帯に行きましたので、岩場はだいぶ潮が引いていました。今回のお目当ては岩海苔です。普通の海苔は黒いのですが、綺麗な緑色をしているので青海苔とも言うようです。私が子供の頃は、黒海苔ではなく岩場で採れるこの岩海苔をよく食べていました。
岩海苔が取れる梶取岬の岩場、正面に見えるのは馬島
冬の寒い干潮の日、平生町に住む祖母に連れられてよく岩場に行きました。そして、岩場にくっついている岩海苔を剥ぎ取るようにして採集しました。岩海苔を採集したのは50年ぶり位でしょうか。岩にくっついている岩海苔は、たやすくは獲れません。しっかり指で捕まえないと、ぬるぬるして抜けてしまいます。干潮で潮から出た岩についた岩海苔は、砂などがついています。そのため、海水で洗いながら採集します。
岩海苔がびっしり着いた岩場 指で摘まんで剥がすように採種
採りやすいのは、潮だまりに残された岩海苔です。潮にゆらゆらたくさん揺れているため、比較的採りやすいです。試しに採った岩海苔を一口食べてみました。塩味が効いて美味しく、さくさくした懐かしい噛み応えです。
普通の黒海苔は、かつて田布施町でも養殖していたようです。その養殖や加工器具などが郷土館に展示されています。岩海苔は自然の岩に育つのに対して、黒海苔は岩ではなく枝や紐で育ちます。このため、この梶取岬では黒海苔を見ることはありません。試しに、木の枝などを海に沈めておけば胞子が取りついて黒海苔が育つのではないかと思います。
誰も岩海苔を採らないため、私一人が採り放題
岩海苔を採集するついでに岩牡蠣を取ってみました。普通の牡蠣より小さいのは仕方ありません。私が子供の頃、おやつ代わりにナイフで岩から剥いで食べていました。今回、50年ぶりに食べてみましたが、あまり美味しくありませんでした。広島の牡蠣に代表される、販売されている牡蠣の味に慣れてしまったのでしょう。岩の割れ目をよく見ると、瀬戸貝がたくさん付いていました。いわゆるムール貝です。まだ2cm程度の大きさしかなかったため採りませんでした。
我家で食べる量の岩海苔 家に持ち帰り、砂などの汚れを取る
岩海苔を家に持って帰ると、さっそく加工しました。水を入れたボールに採取した岩海苔を入れて混ぜます。すると、砂が沈殿します。そして、海苔以外の海藻を取り除きました。次に、乾燥させるために、紙を敷いた木箱に広げました。昔は紐にぶら下げるようにして干したのですが、風で飛ばされることがあります。今回は、木箱に入れて干すことにしました。
干しあがると、食べることができます。祖母はこの干した岩海苔をいったん火で炙って、ご飯と一緒に食べていました。他にも加工して食べていたのではないかと思いますが、幼少の頃の記憶ではこれ以外の食べ方を知りません。サラダにしてドレッシングをかけて食べても、又は佃煮もしてもいいかも知れません。
平生町や田布施町の冬の海岸で、最近、この岩海苔を採集している姿を見たことがありません。この地域では、すでに幻の食品となってしまったのではないかと思います。無くすには惜しい海産物です。
木箱に入れて乾燥、紐に吊るして干してもよい
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注意されることがあります。よく確認しましょう。
冬の風物詩でした。
※サザエやなまこなど(商品になるもの)はダメでした。
※場所によるのかな?八海ではイナ、貝など採り放題でした。
関係者の方に会う機会があれば、確認してみます。