名古屋市で行われた学校広報研究会セミナーと愛される学校づくりフォーラムに参加した。
昨今、政治の世界ではずいぶん熱い地域であるが、教育もまたしかりという印象を持った。
ただ、その熱の質は沸騰型や狂騒的ではなく、まことに真摯で着実なイメージのするものだったと思う。
今回様々な話を聞くたびに、真似ができないだろうか、自分だったら何ができるだろうかと、あれこれ思いを巡らした。それは正直久しくなかったことで、それだけ自分のニーズにあっていたのだと思う。
電車での移動も長く少しきつい日程だったが、不思議に疲れは出なかった。
いくつか印象深いことをメモしておきたい。
午前の広報研究会セミナーで話された多くのことは、納得できるものだった。
前任校のときから学校ブログを立ち上げ継続しているが、特に昨年i-learn.jpの豊福氏がネット上に書かれた一言を見つけたときは、ぐんと背中を押されたような気持ちになった。
学校の地味でベタな日常を理解していただく
そのことを踏まえて、今回改めて考えるのは何を発信するべきかという根本的な問題である。
「なんでも」が「ベタ」に込められているのだが、学校(教師)として基本的に伝えたい点を自覚することは必要だろう。
実践発表にあった「子どもの交流したい思い」でもいいし、「汗」でもいいだろう。何か核になるものを持ちたい。そのうえで多面的に情報提供をしていく、それが「○○学校ブログ」という名にふさわしいと納得できた。
午後からのフォーラム、二つあったパネルディスカッションは登壇者はもちろんコーディネーターのお二方の切れ味がよく、大変楽しいものだった。
登壇された方々の考えは概ね似かよっているが、わずかな違いや表現として異なることがあり、そこを突っ込まれた。
大きくまとめたりするのではなく、その差や違いに着目することはいかにも現場重視が貫かれているようで嬉しい。
迎合的な、一律な物言いを避けることも徹底されていて、刺激的である。
授業評価に関わる中林校長先生の一言は痛快でもあり、重くもあった。
(担任の)授業のことは保護者に訊かなくても(自分が)わかっている
会員の校長先生による実践発表は、三つとも実にコンパクトにまとめられているが、広い背景とリーダーの思いを感じさせてくれた。理念ははっきりあるが、けして理念先行でなく実態を見据えて仕掛けていくという点が共通している。そのための校長としての働きかけはおそらく量的にもかなり多いだろうと予測できる。
この研究会組織のレベルの高さを見る思いがした。
さて、今回の総括をしたときに、「システムづくり」は間違いなく一つのキーワードになるだろう。
担当者が変わっても、管理職がかわっても、運用できる広報活動や実践への取り組み…それを作り上げるのは大きな仕事だ。
継続的で安定したシステムづくり、このことに何の異論もない。
しかしそれを推進しようとするとき、留意することがある。
人のエネルギーは簡単にシステムには載らないということだ。
人を信じないということでないが、私たちが働いている現場でもある特定のシステムの経過をたどってみれば、よく見られることではないだろうか。
「伝わるのはエネルギー」が最近私のお気に入りの一言である。
システムを作るのなら同時にエネルギーを伝えなければならない。システムに血が通うために必要であることは言うまでもない。
もっと言えば、システム自体が運用者のエネルギーを引き出す要素を備えているのが理想だ。そのためにはきっと社会学や心理学的なアプローチをしてみることも考えねばないだろう。
いくつか提案されているシステムの中にそういう要素を持つものはないのか…などと、いろいろに膨らんでしまう感想を持った。
番外だが、副島元教育長さんが、こんなことを言って笑いを誘った。
落合監督の中日ドラゴンズは(強いが)、愛されているか
本県出身の監督はやはり、名古屋人、愛知人、東海人には愛されていないのだろうか。
なんとなくわかる気がする。
きっとシステムはうまく作っているのだろうが、内部では頑張りが認められているのだろうが、エネルギーの出し方に問題あり…。
なかなか象徴的な結論となった。
昨今、政治の世界ではずいぶん熱い地域であるが、教育もまたしかりという印象を持った。
ただ、その熱の質は沸騰型や狂騒的ではなく、まことに真摯で着実なイメージのするものだったと思う。
今回様々な話を聞くたびに、真似ができないだろうか、自分だったら何ができるだろうかと、あれこれ思いを巡らした。それは正直久しくなかったことで、それだけ自分のニーズにあっていたのだと思う。
電車での移動も長く少しきつい日程だったが、不思議に疲れは出なかった。
いくつか印象深いことをメモしておきたい。
午前の広報研究会セミナーで話された多くのことは、納得できるものだった。
前任校のときから学校ブログを立ち上げ継続しているが、特に昨年i-learn.jpの豊福氏がネット上に書かれた一言を見つけたときは、ぐんと背中を押されたような気持ちになった。
学校の地味でベタな日常を理解していただく
そのことを踏まえて、今回改めて考えるのは何を発信するべきかという根本的な問題である。
「なんでも」が「ベタ」に込められているのだが、学校(教師)として基本的に伝えたい点を自覚することは必要だろう。
実践発表にあった「子どもの交流したい思い」でもいいし、「汗」でもいいだろう。何か核になるものを持ちたい。そのうえで多面的に情報提供をしていく、それが「○○学校ブログ」という名にふさわしいと納得できた。
午後からのフォーラム、二つあったパネルディスカッションは登壇者はもちろんコーディネーターのお二方の切れ味がよく、大変楽しいものだった。
登壇された方々の考えは概ね似かよっているが、わずかな違いや表現として異なることがあり、そこを突っ込まれた。
大きくまとめたりするのではなく、その差や違いに着目することはいかにも現場重視が貫かれているようで嬉しい。
迎合的な、一律な物言いを避けることも徹底されていて、刺激的である。
授業評価に関わる中林校長先生の一言は痛快でもあり、重くもあった。
(担任の)授業のことは保護者に訊かなくても(自分が)わかっている
会員の校長先生による実践発表は、三つとも実にコンパクトにまとめられているが、広い背景とリーダーの思いを感じさせてくれた。理念ははっきりあるが、けして理念先行でなく実態を見据えて仕掛けていくという点が共通している。そのための校長としての働きかけはおそらく量的にもかなり多いだろうと予測できる。
この研究会組織のレベルの高さを見る思いがした。
さて、今回の総括をしたときに、「システムづくり」は間違いなく一つのキーワードになるだろう。
担当者が変わっても、管理職がかわっても、運用できる広報活動や実践への取り組み…それを作り上げるのは大きな仕事だ。
継続的で安定したシステムづくり、このことに何の異論もない。
しかしそれを推進しようとするとき、留意することがある。
人のエネルギーは簡単にシステムには載らないということだ。
人を信じないということでないが、私たちが働いている現場でもある特定のシステムの経過をたどってみれば、よく見られることではないだろうか。
「伝わるのはエネルギー」が最近私のお気に入りの一言である。
システムを作るのなら同時にエネルギーを伝えなければならない。システムに血が通うために必要であることは言うまでもない。
もっと言えば、システム自体が運用者のエネルギーを引き出す要素を備えているのが理想だ。そのためにはきっと社会学や心理学的なアプローチをしてみることも考えねばないだろう。
いくつか提案されているシステムの中にそういう要素を持つものはないのか…などと、いろいろに膨らんでしまう感想を持った。
番外だが、副島元教育長さんが、こんなことを言って笑いを誘った。
落合監督の中日ドラゴンズは(強いが)、愛されているか
本県出身の監督はやはり、名古屋人、愛知人、東海人には愛されていないのだろうか。
なんとなくわかる気がする。
きっとシステムはうまく作っているのだろうが、内部では頑張りが認められているのだろうが、エネルギーの出し方に問題あり…。
なかなか象徴的な結論となった。