すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

80円のベストセラー読む

2011年02月24日 | 読書
 「105円の本は、本日80円になっております」と連呼されたので、ベストセラー本のコーナーで新書を数冊手にとってみた。

 『しがみつかない生き方』(香山リカ 幻冬舎新書)

 ああ、VS勝間和代として話題になった本だ。
 コメンテイタ―としての香山は時々なるほどと思うことを言うので、嫌いなタイプではない。(しかし好んでお付き合いというほどでもない)。
 かなり以前に「プチナショナリズム」のような本を読んだ記憶がある。

 「しがみつかない」と題しておいて、「すぐに水に流さない」と逆説めいたことを書いているところがミソである。
 私たちは多かれ少なかれ何かにしがみついて生きていると思う。けれど、ぎっちりと堅く掴んでしまって身動きとれない状態は避けなさいヨ、その気になったら隣の木に飛び移るぐらいの浮気心を持ってもいいし、ただし自分の樹木の高さを見きわめなサイ…というところでしょうか。
 

 『人は見た目が9割』(竹内一郎 新潮新書)

 この本も数年前話題になったように思う。一見、ビジュアルにこだわってみようといった啓発本かなと思ったが、実はコミュニケーションが内容だ。
 帯の惹句(帯つきの80円だ)には、日本人のための「非言語コミュニケーション」入門とある。

 なかなか面白い。
 特に「第5話 日本人は無口におしゃべり」「第7話 良い間 悪い間 抜けてる間」は、肯かされた。
 わかりやすい日本文化論になっていると思う。特に、「沈黙」を取り上げたのは秀逸だなあ。
 次の一言は味わい深い。もしこれを解釈し使いこなせることを「見た目」と呼ぶならば、「見た目が9割」を超えてもいいかもしれない。

 何も情報を伝えない、最も効率の悪い方法の中に、実は強い伝達力を持った要素が潜んでいるのだ


 ・・・・・・・・・(沈黙のつもり)・・・・・・・・・・・・80円か。
 

 どうだろう、何か伝わったろうか。