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鍛える国語~「チャンス」を考える

2011年11月28日 | 雑記帳
 今年も花巻の「鍛える国語教室」に参加させていただいた。

 翌日に何も予定がなかったので、懇親会にも入れていただき、研修会と同様充実した時間を過ごすことができた。
 毎年、精力的に企画、運営する照井校長先生を初めスタッフの方々からまた元気をいただいたような気がする。

 さて、今回は講座が4つとミニ講座が4本という構成であった。
 トータルに振り返って考えさせられるのは、やはり国語科は何を教える教科なのか、授業で何を扱うべきかということである。
 もちろん野口芳宏先生がいうところの「教科内容」には違いないわけだが、言語を扱う国語科として範囲をどの程度で括るか、ここは日々授業をする立場としては大きな問題だと思う。

 つまり、ミニ講座で示された学習用語は当然にしても、野口先生が「イルカのねむり方」で扱われたような語彙指導を、どのような原則のもとに行っていけばいいのか、ということである。

 できるだけ抽象的な語彙を身につけさせたい
 
 語彙獲得の一番有効な方法は、チャンスを生かすことである


 野口先生がお話されたことである。全くその通りと思う。
 では、チャンスを生かすとは具体的にどういうことか。

 当然であるが、それは指導者自身がチャンスと認識することから始まる。
 チャンスは二通りの道でやってくる。
 「子どもの問い」そして「教師のねらい」、願いと言い換えてもいいかもしれない。

 子どもが求めて抽象語を知りたいとはなかなか思わない。とすれば、やはり教師の認識こそが最優先だろう。目の前の子たちにこんな言葉を身につけてほしいと願うことは、やはり教材としっかり向き合うことで立ち上がってくるのではないか。

 三年生の国語。説明文「イルカのねむり方」の第一文目。

 イルカは、魚と同じように水の中でくらしています。

 ここで語彙指導をするとすれば、私は「水の中」を取り上げる。
 「水の中→水中」は三年生なら適当なレベルだ。
 「海中」「空中」なども取り上げられる。
 さらに本文中の「水面」との比較ができる。「夜中」との読みの比べもあるかもしれない。

 このような根拠をもって選んでみるべきではないか。
 「魚類」や「同様」「生活」も考えられるが、候補どまりだ。
 もちろん、そこに子どもの問いが発せられれば、それがチャンスになる。
 模擬授業でもあったが、「えっ、イルカって魚じゃないの」といった問いが子どもからでれば、それはまた違う方向で辞書を引いたり、分類したりするかもしれない。

 いずれにしろ、教師がチャンスと認識するには、教材研究としての素材研究の重要さにたどりつく。

 いつものごとく師匠の言うとおりの結論となった。
 今年もこんなまとめになりましたか。