Volume103
「『まだ見ぬもの』は、もともとその人のなかに存在しています。それにかたちを与えてこの世に引き出すのが教育者の役目です。そしてそれが誕生する瞬間に立ち会うのが、教師の醍醐味と言ってよいでしょう。」
数か月前の雑誌を見返していて、ページ端を折っていた箇所があったので、読み直してみた。
上野千鶴子がゼミの受講生から「お産婆さんみたいな存在」と言われ、「そのとおり」と続けた言葉。
教育の原則を考えるうえで、とても重要な要素が詰まっていると感じた。
一つは、「まだ見ぬもの」がそれぞれの中に存在すると信じること。
よく言われることでありながら、一番忘れられがちな気もする。常にそういう向き合い方をしていないと、失われていく感覚だと思う。
そして、教育とは「それにかたちを与えてこの世に引き出す」こと。
「かたち」ということが大きなポイントになるだろう。
それは直接的には顕在化するものを指すが、かなり幅広くとらえるべきだろう。個によって様々な「かたち」があることに、教師は気づかねばならない。
「誕生する瞬間に立ち会う」…それを何より嬉しがることができてこそ、教師としての仕事ができたと言っていいのではないか。
「学びの成立」などという言葉もあるが、データだけでは見えない、腹の底にストンと落ちる感覚こそ本物だろう。
そういう印象を持った実践を自分はいくつ思い出せるだろうか…
わずかではあるが、今でもそれらは心の中で輝きを放っている。
幸せなことだ。
「『まだ見ぬもの』は、もともとその人のなかに存在しています。それにかたちを与えてこの世に引き出すのが教育者の役目です。そしてそれが誕生する瞬間に立ち会うのが、教師の醍醐味と言ってよいでしょう。」
数か月前の雑誌を見返していて、ページ端を折っていた箇所があったので、読み直してみた。
上野千鶴子がゼミの受講生から「お産婆さんみたいな存在」と言われ、「そのとおり」と続けた言葉。
教育の原則を考えるうえで、とても重要な要素が詰まっていると感じた。
一つは、「まだ見ぬもの」がそれぞれの中に存在すると信じること。
よく言われることでありながら、一番忘れられがちな気もする。常にそういう向き合い方をしていないと、失われていく感覚だと思う。
そして、教育とは「それにかたちを与えてこの世に引き出す」こと。
「かたち」ということが大きなポイントになるだろう。
それは直接的には顕在化するものを指すが、かなり幅広くとらえるべきだろう。個によって様々な「かたち」があることに、教師は気づかねばならない。
「誕生する瞬間に立ち会う」…それを何より嬉しがることができてこそ、教師としての仕事ができたと言っていいのではないか。
「学びの成立」などという言葉もあるが、データだけでは見えない、腹の底にストンと落ちる感覚こそ本物だろう。
そういう印象を持った実践を自分はいくつ思い出せるだろうか…
わずかではあるが、今でもそれらは心の中で輝きを放っている。
幸せなことだ。