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考える体力が一番だと…

2019年02月23日 | 読書
 「情報が溢れている時代だからこそ、あえて情報を遮断することを、できる限り心がけています。知ることも難しいけれど、考えることはもっと面倒で難しい」この覚悟がなければ、いくら考え方のコツを学んでも身にはならないだろう。情報過多の海を泳ぎ切るためには、最終的な頼りは自分の「考える体力」だ。


2019読了20
 『考え方のコツ』(松浦弥太郎  朝日文庫)



 「暮しの手帖」編集長であることは知っていた。書店の棚でその名前はよく見かけていて、一冊手に取ってみた。少し意外だったのはまだ40代だったこと。名の感じから年配者と予想していたが、バリバリのビジネスマン?という印象も匂う。自分には用無しかもしれないが「思考術」「想像術」の二章は興味深かった。


 「考え方のコツ」の冒頭に、「一日二回『思考の時間』を確保する」ことを挙げる。まったく当然のこととはいえ、この根本部分を重視できていない人が多いのではないか。課題解決であっても企画発想であっても、隙間時間のひらめきなどに期待するのではなく、きちんと時間確保することがまず土台になると認識しよう。


 具体的な方法論として「一考二案を基本とする」は納得した。ベストの案に絞り込んでこそ提案だ、という考えもあるだろう。しかしA案、B案という形をとった場合には、比較できるメリットに加えC案へ向かう発展も含むと考えると、実務的な方法だ。会議を承認の場でなく、協議に向かわせる手立てでもある。


 いつの場合もそうだが、時間管理こそ仕事術の基本になる。著者が名付けた「消費の時間・投資の時間・浪費の時間」は、ずばりと指摘できる区分だ。傍目にどう見えるかも大切だが、自分自身がどういう意識で今を過ごしているのか…。「時は金なり」…それは、「無意識」の時間を無くすことに尽きる。眠りもそうか(笑)