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ラグビーと現実と打開策と

2019年11月10日 | 雑記帳
 ラクビーWカップは、世の中にたくさんの話題をもたらした。「にわかファン」とまでは言わないにしても、あれほど露出が多いとどうしても耳目に残ることが多い。ラジオで聴いた一言が忘れられない。そのパーソナリティが一緒に観戦した友人は、終わった後にこう言ったそうだ。『ラグビーっていいスポーツだねえ。


 「面白い」ではなく「いい」。多くの思いが詰まっている表現だ。その中味はたくさん語られている。ところで、こんな文章を見かけた。「俄然注目されるようになったラグビ―というゲームには、世の中の現実というものが詰まっている」。地方再生を目指して精力的に活動している『里山資本主義』の著者藻谷浩介氏だ。


 つまり、パスをされボールを持った選手は前進しようとするが、必ずタックルされ「袋叩き」に遭う。それでも勇気を持って苦闘する人たちの姿に重なるということだ。そこにはトライの難しさ、スクラムのあり方なども含まれるだろうか。現実改革を目指す者に対して敵は多いし、真に協調体制を築く困難さは高い。


 その打開策を競技のなかに見つけようとすれば、あのカッコいい「オフロードパス」の場面が目に浮かぶ。むろん、そこには複数の理解者が必要なわけだが、パスを受け走る者が敵をかわすためには予想や効率重視のルートではなく、意外性を持った流れが有効になる。真っ向勝負にあっても冷静な作戦意識を忘れない。