すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

久しぶりに「食う」を書く~前編

2019年11月11日 | 雑記帳
 久しぶりの「食べびと」ネタ

 紅葉見がてらに隣県岩手へ「うまいもん旅」に出かけた。最初の目的地散策を終わって少し早めの昼食を、ねらっていた蕎麦店でいただくことにした。11時半前についたが、もうすでに10人を超す先客が席についていいた。古民家風の造りが渋い。JAZZ風の音楽が重厚なスピーカーから小さく流れている。


 二人で切り盛りしているようで、時間がかかると予告掲示もあった。覚悟を決めてじっくり観察しながら、待つことにする。驚いたのは、最初に注文した「古典そば」という品が、もう終わってしまったとのこと。さらに、私たち夫婦が座って10分過ぎた頃に「もう今日は終わりました」と来客が断られ始めたのである。



 で、そこから30分近く、周囲の食べる様子を眺めつつ待ちわびていた。そして登場したのがこのせいろそば。



 味は…まあまあというか、納得できるレベル。価格は高いが、これは蕎麦だけではない店の雰囲気代もあるのかなという感じだ。こだわりを端的に示すのは蕎麦湯だった。これほど濃厚で飲みごたえのあるものは、今まで経験がなかった。



 自称「羽後のたべびと」としては、もちろん「味」が最大限の評価ポイントである。しかし、やはり食べる空間・時間の充実さは欠かせない要件になるだろう。店の雰囲気や接客はもちろん、その食物に込められる物語(作り手の願い、素材、生産者等)なども入ってくるようだ。そう考えると、やはり食の世界は深い。