「時間管理の重要性」
私は、8年間ほぼ独学である。近くに学校もないし、何より家では、介護が必要な
年老いた母がいる。仕事をしながらの介護・勉強、それに私は左目が見えない
(学生時代の網膜剥離が原因である)右目の視力はだんだんと落ちていき手術も
した。もうこのまま目が見えなくなるのではないかという不安にも掻き立てられ、
自分は他の人よりずっと大変だと思っていた。
しかし、長い受験生活の中では、私なんかが想像もつかないくらいもっと大変な人
もいたのだ。決して自分だけが大変なんかじゃなかった。
もういたずらに何かのせいにするのはやめようと思った。
そのときから、ダラダラするのではなく「やるとき」「やらないとき」のメリハリ
をつけていくようにしていった。コマ切れ時間を有効に使い、「無理な時は無理」
と断る勇気も持った。
「時間」ないのではなかった。 何かを理由に作ろうとしなかっただけだった。
だだ、生活上、朝勉だけはどうしてもできなかったが、朝勉できなかったら夜勉でも
いい。
やみくもに睡眠時間を削るのではなく、勝負の時は「しっかりと寝る」を心がけて
いった。
合格する人は、
「朝に勉強する。時間管理が上手。そして睡眠をしっかりとっていた。」
「基本がいちばん」
一人で勉強を続けていく中で、新聞を読み、判例を読み、わからないことがあっ
たら、ハローワークや労基署に直接電話して質問したりもした。
情報を積み重ね、面白いほどにどんどん知識を増やしていった。仲間たちとの交流会
では、率先してそれを共有していった。いろんな情報を手に入れることで、やった気
になっていた。資料がいっぱい集まると満足していた。これがそもそもの間違いだ
と気付くのは、かなり後になってからのことである。
いくら、立派な知識がいっぱいあっても基本がしっかりしていなかったら、全て
崩れてしまうということに気付けなかったのだ。基礎の段階でしっかりとした
土台を作らないと、上級の知識も積み上がらない。
苦しい勉強の中でしっかりとした立派な土台を作ること、これがなにより大事と
悟った年に私は「初心」に戻った。土台の上に乗せるものは出来あがっている。
これを乗せるだけの基礎を作ることに専念した。
しかしこれが意外にもかなり苦戦したのだった。
「基礎入門、なめてはいけない」
つづく