今回は、令和4年-健保法問2-C「傷病手当金と出産手当金の併給調整」
です。
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出産手当金の支給要件を満たす者が、その支給を受ける期間において、同時に
傷病手当金の支給要件を満たした場合は、出産手当金の支給が優先され、支給
を受けることのできる出産手当金の額が傷病手当金の額を上回っている場合は、
当該期間中の傷病手当金は支給されない。
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「傷病手当金と出産手当金の併給調整」に関する問題です。
次の問題をみてください。
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【 H30-9-E 】
出産手当金の支給要件を満たす者が、その支給を受ける期間において、同時
に傷病手当金の支給要件を満たした場合、いずれかを選択して受給すること
ができる。
【 H24-3-A 】
傷病手当金の受給中に出産手当金が支払われるときは、傷病手当金の支給が
優先され、その期間中は出産手当金の支給は停止される。
【 H11-8-A 】
傷病手当金の支給期間中に出産手当金も受けられる場合は、傷病手当金が
優先し、出産手当金は支給されない。ただし、この場合において出産手当金
が支給されたときは、その額は傷病手当金の内払いとみなされ、その額だけ
傷病手当金の額が調整される。
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「傷病手当金と出産手当金の併給調整」に関する問題です。
傷病手当金と出産手当金は、いずれも休業中の所得保障のために支給される
給付です。
これらは支給事由は異なりますが、同時期に両方の支給要件を満たすという
こともあり得ます。
その場合、両方を支給してしまうと過剰給付となってしまいます。
そのため、支給を調整し、出産手当金を支給する場合においては、その期間、
傷病手当金は支給しません。
被保険者自らがいずれかを選択するのではなく、法律上、出産手当金を優先
して支給するようにしています。
ただ、それぞれの支給額の算定の基礎となる額が、通常、異なります。
それにより、傷病手当金の額が出産手当金の額を上回るということがあり
得ます。
この場合、傷病手当金を支給しないと、被保険者にとって不利益な事態
になってしまうので、その上回っている部分(差額)を傷病手当金として
支給するようにしています。
したがって、「出産手当金の額が傷病手当金の額を上回っている場合は、
当該期間中の傷病手当金は支給されない」とある【 R4―2-C 】は、
正しいです。
【 H30-9-E 】では「いずれかを選択して受給することができる」、
【 H24-3-A 】と【 H11-8-A 】では、「傷病手当金(の支給)が
優先」とあるので、いずれも誤りです。
それと、【 H11-8-A 】に内払に関する記述がありますが、これは逆で、
出産手当金を支給すべき場合において傷病手当金が支払われたときは、
その支払われた傷病手当金は、出産手当金の内払とみなされます。