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成長時に先端を摘んで第二枝を伸ばすべし・・というような原則があったような気がしたので、手を加えようとしたら茎が折れてしまった。
それだけのことで少し気分がめげて、以後ほったらかしにしていたのに、ちゃんと先に水分補給もされているのか実が成った。
折れた部分は、それ以上裂けないように強くなっているのかも知れない。
私の実家は豪雪地帯なので、庭木が雪折れすることはいつものことで、かろうじて繋がっている枝にも桜や椿の花が咲く。
折れた時点で、あるいは折れているのに気付いた時点で、そういう枝なんぞは容赦なく切り離してしまうべしなのだが、何となく宙ぶらりんのままでも、そのままにして置いて、あまり手を下さない。
ここで、今まで映画やテレビのドラマで観たシーンを思い出す。
瀕死の人に頼まれて、楽になれるようにと手を下す決断。
または、この先に良いことはないはずだと人を死なすシーン。
または、切羽詰まっての無理心中のシーン。
または、死罪死刑のシーン。
ありえない!
私はこのスタンスを崩すことができない。
いきなりミニトマトからの連想で極論を吐いてしまった。
まだ熟さないトマトの中が透けてみえる。
じつに不気味だ。
エイリアンの卵みたいじゃないか。
よく見れば血管が脈打ち、やがて表面を破って何かが出てくる気配。
そんな妄想をしても、それはそれ、赤くなったら何も考えずに美味しくいただくのです。