近頃は台所で調理をしながら立ったまま食べる。
以前、NHKの「仕事の流儀」という番組だったと思うのだが、料理の名人と言われるような人が、自分の店の『まかない』を従業員とともに立って食べているのを観た。
なるほどさすがだなというさりげなく説得力のある流儀の一つだと感心した。
それ以来そのように真似たわけではないけれど、ここ何回かやってみると、合理的な面がいくつもある。
味見しながら一番良い状態の温かい料理を食べられる。
食べ終わった皿をちょっとゆすぐだけで次のに回せる。
小林聡美がまだ結婚生活をしているときに書いたエッセイで、料理をオーケストラの演奏に例えたのがあった。
夫の帰宅に合わせて総ての料理を手際よく最高のタイミングに仕上げるのは、まさにオーケストラの指揮そのものだというような、自画自賛でありながら嫌味のない面白い文章だった。
自分一人のためなら、そんな完璧さを求めずに作っちゃ食べ、作っちゃ食べでいい。
本日の朝食は、永谷園のお茶漬け、大根おろし、納豆、ニンニクの味噌漬け1欠け、梅干し1個、ミツバのオリーブオイル炒め、ナメコの味噌汁、ゆで卵、以上を独り立食フルコースと見立てて食べ、洗い、完璧完了。
失敗は、ミツバのオリーブオイル炒めで、油が多すぎ塩も多すぎだった。
口直しが必要になり、予定していなかったナメコの味噌汁を作る。
ナメコ汁をよそってもなかなか冷めないので、猫舌の私は冷めるまでに洗い物を済ますことができた。