年に一回のニホンミツバチの採蜜時期がようやくやってきて、昨年来の道具を取り出した。
試行錯誤を繰り返したので、不要な道具もたくさんあり、それぞれの道具に試行の諸々が思い出される。
洗ってしまっておいても、使うとなれば再度洗い直して干さないと、カビが生えていたりする。
昨年待ち箱に入居した群は規模が小さくて、これを採蜜したら冬越しできないと思われたので放置した。
それが今年になって十分な強群になり、分蜂もした後に十分な貯蜜状態になった今が採り時。
友人に手伝ってもらって楽しくやるべしのところ、コロナ禍の今はそれもままならず、独りでそそくさとやる。
4段重ねの重箱式飼育箱の最下段まで巣が伸びているので、箱を追加するために4段を持ち上げるのは精一杯踏ん張ってやっとこさ。
上一段を切り離し、プラ衣装箱のうえに橋渡しに横向きに置いた箱にドライヤーの冷風を当てて貯蜜世話係蜂を追い出す。
これをしっかり時間をかけてやっておかないと、蜜を採る作業中に何十匹も出てきて大変なことになるのだ。
それが終わって、プラ衣装箱に逆さまに入れて持つと蜜の重みがずしりと嬉しい。
ハニカムには総て蓋がされてあり、熟成された蜜だけの貯蔵状態だと分かる。
子を育てる保育室は一つもなく、全部貯蜜室で巣虫は1匹も見当たらない。
これに気を良くして、もう一段すぐに取ったりしたら、蜂の蛹が居たり、花粉室があったりするということも経験済み。
3日かけて蓋をこそげ取り、切り分け、蜜を垂れさせて濾す作業は地道な楽しみ。
仕事を早くしようと圧縮装置を作ったり、ぐちゃぐちゃに押しつぶしてみたりしたこともあったけれど、労多くして実り少なし。
垂れ蜜だけにしておかないと蜜が濁るので、昨年からやらないことにした。
糖度は80.0で上々、時々測ってみる度に80.2とか80.1とかで、うちの店子は稼ぎが良いと気を良くするこの頃。