庭に配置された飛び石は、用途通りに役目を果たさせようとしたら、いつも気配り手入れが必要だ。
石はほとんど変化しないものだから、ひとたび位置を決めて半分埋めるなりの置き方を決めたら半永久にそこに在ると思ったら大違い。
いつの間にか石は沈んで行くのだ。
自身の重さや地震で揺さぶられたりもして沈むだけではなく、匍匐枝や蔓植物が覆い、風に運ばれたわずかな土埃が窪みに溜まり、風に運ばれた何かしらの種や胞子から植物が蔓延る。
そのようにして20年以上放置された生家の庭は、どれくらい石が土中に埋まっているか途方にくれるくらいだ。
飛び石が全く見えなくなって平らになり、20年で表面地層は数センチも出来上がってしまうのかと驚く。
私は最近、父親が何人もの人を頼んで設置したに違いない飛び石を発掘し、私の思うようになる重さ大きさの石は私の好きなように動かすことをしている。
コロナで友人を呼ぶこともはばかられ、独りでやるとなると仕事量は知れているのだけれど、骨に適度の負担をかけるエクササイズも兼ねてやる。
一輪車に乗せている石は50kgくらいはあろうか、これを乗せるのも大変だった。
一輪車を倒して石を立て掛け置いてから起こすのがなかなかに大変で、色々と頭を使うのだが、最後は一気の力技しかない。
これを立てるのは、左手で石がずれないようにしておいて、右手は一輪車の縁を押し、もう一本の手が欲しいところは帽子を被った頭を一輪車の立っている側に押し付け、3点の総力で起き上がらせることに成功した。
頭は使いようというのを、頭の痛みで実感した体験。