蟻以下だ、と罵っているのではなく、蟻筏(ありいかだ)なのだ。
ここ数日、小さなアリの小さな集団が、うちのメダカプールに浮いている。
夜中に雨が降ったこともあるのに上陸せずに浮いたままで、私が見た限りで3日目に入っている。
検索してみると、アメリカ大陸にいるヒアリは、洪水が起こった時に女王や卵を真ん中にしてかなり大きな蟻筏を作るそうだ。
日本のこの小さな黒いアリの行動あるいは生態を知りたいと思うけれど、まだ私はネット上で見つけられない。
おそらく女王は真ん中にいるはずだが、全員せわしなく触覚を動かし蠢くので、しっかり構えて撮った。
蜜蜂のような分封が行われるのだろうか。
それとも大きい蟻に襲われて、集団逃避行なのか集団自殺行なのか。
昔、『レミングの行進』という、異常繁殖したネズミの一種が大行進をして海に飛び込み集団自殺をする、などということがまことしやかに言われたことがある。
開高健の『パニック』もそれを元ネタにした小説だった。
後に『レミングの行進』は全くの作り話だということになった。
『パニック』も取材をしていない純粋な創作なのだとのこと。
この蟻筏は、私の飼っているのがメダカより大きい金魚や鯉の類だったら、すぐに食われていただろうけれど、いつまでこうしているのだろう。
手ですくってみろ、と囁く声があるけれど、自重している。