本を読んでも、積読で、さらっとしか読めない私にとって、
書評の楽しさは、本文へといざなう貴重な入口となります。
といっても現実に、さまざまな書評を読めるわけでもなく、
身近な書評欄だけを窓口に『井の中の蛙』で満腹してます。
さてっと、産経新聞2024年3月3日(日)の読書欄拝見。
そこから、適宜引用してゆきます。
「話題の本」欄では、外山滋比古著「新版思考の整理学」(ちくま文庫)を
紹介しながら、最後をこうしめくくっておりました。
「 著者は特別講義で『自分にとって
【意味のあるもの】と【意味のないもの】を区別し、
意味のないものを忘れていく。ここに個性があらわれる。
これはコンピューターには、できない機能である 』
と語る。・・・このメッセージは重く響く。」( 海老沢類 )
え~と。花田紀凱(かずよし)の「週刊誌ウォッチング」。
ここは、はじまりの2行を引用。
「 週刊誌の不倫報道にはいささかうんざり。
わが身を省みて言え。・・・・ 」
はい。書評欄にとりあげられていて気になったのは、
福田恆在著「福田恆存の言葉」(文春新書)でした。
そのはじまりは
「 戦後日本を代表する保守派の論客、福田恆存(1912~94年)は
著述の他に、多くの講演も行った。本書は昭和51~52年になされた
8回の連続講演録の初の活字化だという。
没後30年の今年に出るべくして出た一冊といえる。・・・ 」
うん。せっかくなので、もうすこし引用。
「 例えば『民主主義』『平和』『人権』といった
明治期にできた『ネオ漢語』を論じる第5章
『 言葉という道具 』は必読だろう。
『 (日本人に意味が染み込んでいないネオ漢語があったからこそ)
近代化も成し遂げられたけれども、
そのためにまた混乱も起きている(中略)
反省期、調整期にそろそろ入らなければならない 』と説く。
ちなみに、この本の評者は、文化部の花房壮とあります。
産経新聞1月28日(日)の「ロングセラーを読む」で
福田恆存著「私の幸福論」(ちくま文庫)を紹介していたのも
( 花房壮 )と最後にありました。
うん。これからは、この方の名前を見たら書評を読むことに。
もどって、今日の産経書房の『 聞きたい。』欄には
田原史起著「中国農民の現在」(中公新書)がありました。
そのはじまりは
「 急速な経済発展を遂げた中国では都市と農民の間で
格差が生じ、都市への出稼ぎに行く『農民工』や
両親が出稼ぎ中の『留守児童』がしばしば話題になる。 」
「 農民は特権的な都市民と自分たちを引き比べるより、
村内部での格差を気にすると指摘する。 」
あとは最後を引用。
「 2012年に習近平政権が発足した頃から外国人への警戒が強まり、
『 ホストファミリーに迷惑をかける可能性 』が生じた。
18年を最後に現地を訪れていないが、
『 資料や文献を読んで研究することはできる 』。
インドの農村にもフィールドを広げ、比較研究を行っている。 」
( 寺田理恵 )
はい。産経新聞の日曜日の書評欄が楽しみになりました。