注文してあった、ちくま文庫が届く。
馬場あき子著「鬼の研究」。
本文を読まずに、最後の解説をみる。
谷川健一氏が解説を書いておりました。
そこから引用することに。
「世間並のありふれた心情の吐露、それは『あわれ』ではない。
真の歌の道は
鬼神(ものおに)までもあわれと思わせるような歌でなければならない、
と紀貫之は『古今集仮名序』で述べている。
また世阿弥も『風姿花伝』の中で
『鬼の面白からむたしなみ、巌に花の咲かんが如し』と
言い放って、能の心得を説いている。
・・・・・・
こうして鬼は風雅の道に縁がないどころか、
むしろ歌や能のめざす道標として存在してきた。
若年にしてはやくも和歌や能の道を志してきた馬場さんが、
鬼を自分の古典研究の主題としてとりあげたことは、いかにも自然である。
和歌や能などの風雅の道とむすびつけた鬼の研究は
本書の著者以外に誰もなし得ない仕事であった。
鬼を人間的なエネルギイの発散者であるという視点、
それは美の主題にも通うものがある・・・・・」
うん。本文は未読。
毎日くる新聞の見出しだけパラパラ読みするように、
文庫の解説を読むようになった横着な私がおります。
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