和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

見もせぬ人や花の友。

2015-04-04 | 詩歌
隣の家に桜の木があり、
今日みたいな雨の日は、
風に吹かれた花びらが、
うちの前の道路脇にも、
ペタリ貼りついてます。

桜を見にいけば、
咲いております。


他の本といっしょにいつのまにか、
しまいこんで、埃をかぶっていた
謡曲集を出してくる。
パラリとひらいた頁に
こんな箇所。

上歌地謡とあり

『見もせぬ人や花の友、
見もせぬ人や花の友、
知るも知らぬも花の陰に、
相宿りして諸人の、
いつしか馴れて花車の、
榻(しぢ)立てて木のもとに、
下(お)りゐていざや眺めん。
げにや花の下(もと)に、
帰らん事を忘るるは、
美景によりて花心、
馴れ馴れそめて眺めん。
いざいざ馴れて眺めん。
百千鳥、花になれゆくあだし身は、
はかなき程に羨まれて、
うはの空の心なれや。
うはの空の心なれ。』
( 右近 )
有朋堂文庫「謡曲集 上」p537より

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 歌を忘れたカナリア。 | トップ | 泣菫の一篇。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

詩歌」カテゴリの最新記事