隣の家に桜の木があり、
今日みたいな雨の日は、
風に吹かれた花びらが、
うちの前の道路脇にも、
ペタリ貼りついてます。
桜を見にいけば、
咲いております。
他の本といっしょにいつのまにか、
しまいこんで、埃をかぶっていた
謡曲集を出してくる。
パラリとひらいた頁に
こんな箇所。
上歌地謡とあり
『見もせぬ人や花の友、
見もせぬ人や花の友、
知るも知らぬも花の陰に、
相宿りして諸人の、
いつしか馴れて花車の、
榻(しぢ)立てて木のもとに、
下(お)りゐていざや眺めん。
げにや花の下(もと)に、
帰らん事を忘るるは、
美景によりて花心、
馴れ馴れそめて眺めん。
いざいざ馴れて眺めん。
百千鳥、花になれゆくあだし身は、
はかなき程に羨まれて、
うはの空の心なれや。
うはの空の心なれ。』
( 右近 )
有朋堂文庫「謡曲集 上」p537より
今日みたいな雨の日は、
風に吹かれた花びらが、
うちの前の道路脇にも、
ペタリ貼りついてます。
桜を見にいけば、
咲いております。
他の本といっしょにいつのまにか、
しまいこんで、埃をかぶっていた
謡曲集を出してくる。
パラリとひらいた頁に
こんな箇所。
上歌地謡とあり
『見もせぬ人や花の友、
見もせぬ人や花の友、
知るも知らぬも花の陰に、
相宿りして諸人の、
いつしか馴れて花車の、
榻(しぢ)立てて木のもとに、
下(お)りゐていざや眺めん。
げにや花の下(もと)に、
帰らん事を忘るるは、
美景によりて花心、
馴れ馴れそめて眺めん。
いざいざ馴れて眺めん。
百千鳥、花になれゆくあだし身は、
はかなき程に羨まれて、
うはの空の心なれや。
うはの空の心なれ。』
( 右近 )
有朋堂文庫「謡曲集 上」p537より
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