和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

中学2年。中学3年。

2018-09-08 | 三題噺
地域の回覧板に、中学校の広報がありました。
表紙下に新しく来られた校長先生の挨拶。
といっても数えたら238文字の短文に、顔写真。
ご自身の中学生の頃を語ることから始められておりました。
短文なのに印象に残ります。

ということで、「中学生」ということで
思い浮かぶ言葉。
まずは、対談。
岡康道×小田嶋隆「いつだって僕たちは途上にいる」(講談社)

―――自分が中二病だという自覚はありました?

岡】  まあ、言われてみればそうですよね。
    いや、何となくありました。

小田嶋】だから、だいたいあるところで成長が止まった部分って、
    それは本当は直らないよ。

岡】  直らないよね。

小田嶋】ちゃんと組織で揉まれた人間は、そこのところは
    角が取れていくのかもしれないけど、そこを嫌だ、
    と言って俺も岡も組織から出ちゃた人なわけだから、
    その中二的な変な角がちょこちょこ、ちょこちょこ
    出るわけでしょう。

岡】  取れないですよ。

小田嶋】だって日本で中二病から離れたおじさんって、
    東電の社長とか、民主党の上の方のおじさんとか、
    ああなっちゃうんですからね。

岡】  あれか、中二病か、といったら、こっちしかない。
    選択肢が。(p99)


ちなみに、この対談本は2012年6月発行。

さてっと、谷口智彦著「安倍晋三の真実」を
めくっていたら、「中学2年生並み」という言葉がありました。
せっかくなので、その前から引用。


「『権力は腐敗する』のだそうです。
『絶対的権力は、絶対的に腐敗する』のだと。・・・
『絶対的権力が絶対的に腐敗』した、真に壮大な実例を、
私たちは中国を見て、その大躍進期や文化大革命期の様子で
知っています。大躍進のときは、まったくの人災として、
数千万人の餓死者が出ています。驚くべき規模、
もちろん人類史上最悪です。
 ・・・・・・・
私は、スターリンのソ連、毛沢東の中国のような絶対権力
などそれこそ絶対的に生じようのない現代日本で・・・
この言葉を用いたがる人たちは、インテリを装って
利口そうに見えるからつい使ってみたい人であるか
――その場合、中学2年生並みの稚気に満ちた人物だと
いうことになりますが―――、あるいは手にしたこと、
奮ったことのない権力なるものを一度は手中にし、
他人を操ってみたい人ではないかと想像するのです。

腐敗する一歩手前の、いちばんおいしい段階で、
分厚い肉を味わってみたいとばかり、
権力なるものに憧れを抱いている、
そういう類の人たちこそが、右(注:上)の警句を
発したがるのではあるまいか。
本当にそんな人に権力を握らせてしまったら、
何をするか知れたものではありません。
一度も権力にあずかったことのない勢力に、
やすやすと政権を渡すことに慎重でなくてはならない
理由は、ここに由来します。

それでは、権力者に見えている景色とは、どんなものなのか。
一口に言ってそれは、やりたいことに比べて、
できないことがあまりにも多い世界です。
日本の福祉支出は、何もかも合わせると120兆円あまりです。
後に再述しますが、これは
米国、中国、ロシア、サウジアラビア、フランスという
世界五大軍事支出大国それぞれの軍事予算を全部足したものと、
ほとんど同額なのです。

2017年、安倍総理は衆議院を解散し、総選挙に臨むに当たって、
福祉を『全世代』向けにするため、消費税増税分の使途を変える
と訴えました。お年を召した方の福祉を、取り上げることなど
できません。しかし長い目で見たとき、本当に支えるべきは、
次の世代を生み、育ててくれる若い男女です。
そこを婉曲に言ったのが、あの『全世代』向けという言い方でした。」
(p118~120)

はい。引用が多くなりました。
この谷口智彦氏の本には「中学3年生」というのも登場します。
最後に、その箇所。

「肉体的に多少きつかろうが、
やっただけの収穫が得られるなら、
それにまさる喜びはない。
といった気持ちが、
安倍総理には濃厚に漂っています。

若かったころ、まだ中学3年生のとき
初めて発症した例の病気のせいで、
おのが肉体を限界まで酷使し、
その成果を確かめるといった経験は、
還暦を過ぎた今になって、
やっと安倍総理には味わうことが
できるようになったのです。
忙しかろうが、どうだろうが、
安倍総理は音をあげず、
愚痴めいたことを微塵も口にしないで、
努力を惜しまないのは・・・・」
(p57)


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今日もまた一日。

2018-09-07 | 道しるべ
困ったときしか、手を合わせない私は、
安穏な生活を過ごさせていただいております。
それですから、
毎日手を合わせている方が、気になります。


谷口智彦著「安倍晋三の真実」(悟空出版)に

「その間にも総理は国会に始終呼ばれて椅子に縛り付けられ、
ほかのことが何もできません。もしかしたら腰痛も起こしてしまう。
そんな中でも厳しい外遊日程をこなすうち、風邪の一つもひいて帰れば、
重篤な病だとあらぬウワサがすぐ立って、待ってましたとばかり
総理の足を引っ張る人たちがまたぞろ現れる。どこまで行っても、
総理に圧力がかかり、かつ、次第に増加するようになっているのです。

権力者・安倍晋三に見えている風景とは、このようなものです。
それでもひるまず、望ましい政策の実現に近づこうとするなら、
体力、気力とも、誰にも負けないだけのものを維持していないと
いけません。安倍総理が、なぜ毎朝、父・晋太郎や、祖父・岸信介の
位牌を並べた仏壇に手を合わせるか、私には想像がつく気がします。
『今日また一日、くじけずに頑張ります』と、
決意を述べて、加護を頼んでいるのでしょう。」(p123)


思い浮かんだのは、
佐野眞一著「凡宰伝」(文芸春秋)でした。
小渕恵三氏をとりあげた本でした。
そこから、この箇所。

「高村は、これもあまり知られていないが、と前置きして、
小渕さんにはテコでも動かない頑固さがあるといい、
こんなエピソードを披露した。

総理が自宅の庭で下駄を履いて、お日様に向かって柏手を打って
いるところがテレビで流れたことがありましたね。それをある人から、
あれはおじんくさい、田舎のおっさんみたいだからやめろと忠告され
たらしいんです。しかし、自分はあれを五十年以上やっている。
いまさらやめるわけにはいかない。だから、外でやるのはやめにしたが、
いまも部屋のなかでお日様に向かって柏手を打っているんだ、
と話された。・・・・
そして、こういう話を隠さずにさらっと披露するところが、
これまた小渕流なんだな。・・・」
(p41~42)


はい。手を合わせると、柏手とは違うわけですが、
総理ということで思い浮かびました(笑)。
コメント (2)
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菅官房長官の一日。

2018-09-06 | 先達たち
北海道で今日の午前3時ごろに地震があり。
それを知らずに7時ごろ起き出してきてから、
テレビをつけていると、菅官房長官が出てくる。

そうだ。
谷口智彦著「安倍晋三の真実」(悟空出版)に、
菅官房長官に触れた箇所がありました。
長くなるのをいとわず、引用していきます。



「ところでその安倍総理に負けないくらい働いているのが、
菅官房長官です。菅氏にはどうも、
『総理以上に働かなければ』と思っているフシすらある。

菅官房長官は、毎日決まって朝4時半には起床。
6時にSPさんが来て、一緒に散歩し、7時からは
だいたいいつも総理官邸裏のホテルで朝食をとりながら、
誰かに会うというのが、菅官房長官の一日の始まり方です。
起床してから6時までの間は、すべての新聞と、週刊、月刊
の雑誌などくまなく点検します。

それをしなくてはならないのは、官房長官とは職制上、
すべての行政機構を束ねる人、会社でいえばトップを支える
最高執行責任者(COO)だというだけでなく、
毎日二度、午前と午後に記者会見をし、
質問に答えなくてはならないからです。

記者会見の頻度、実施する人の位の高さ、
和英双方同時通訳と手話通訳の提供、
それに会見場の収容人員の規模のどれをとっても、
英国ダウニング街10番地の首相府、
米国ホワイトハウスをはるかに凌駕します。
世界標準からいえば、過剰サービスだといっても
おかしくないほどです。

ともあれ菅長官は、この仕事を連日続け、失言したり、
ましてや舌禍事件を起こしていません。
東京新聞の有名記者のように、長官を不機嫌にさせ、
不用意な発言をするよう仕向けているとしか思えない
質問を繰り出す人がしくこく食い下がろうとも、
菅長官はあまり顔色を変えず、特別に不機嫌にもならずに、
ごく淡々とやり過ごしている。
真似のできることではありません。

一日が終わると、長官には夜の会合が二階建て、三階建てで
入っていることが珍しくなく、朝4時台に起きるからといって、
そう早く帰宅できるわけでもないようです。

この日課を毎日続けるとは強靭な体力、気力を必要とするでしょうが、
土日ともなると、菅長官もほとんどすべての週末を当てて、
平日には聞けない突っ込んだ話を官僚たちにさせてみたり、
利害が折り合わない役人を両方連れてきて、
目の前で議論させ落としどころを探らせたり
といったことで潰している、つまり休んでいないというのです。

朝から晩までの、この日程を、毎日変わらず続ける菅長官は、
風邪をひいたり熱を出したりしないのかと事情を知る人に
聞いたことがあります。『風邪もひくし、熱も出しているんです。
でも、我慢して続けるんですね』とのこと。

5年以上続くと別段不思議とも思われないかもしれませんが、
民主党(当時)政権から代わったばかりのころ、これは衝撃でした。
なぜと言うに、それ以前の官邸の住人に、ここまで自分に厳しく、
働き詰めに働く人などいなかったからです。
・・・総理も官房長官も、ほとんど滅私奉公の働きぶりなのです。

それは霞が関に文字通り衝撃を与え、それ以前の
『官僚にバカにされる政治』は一新、
『官僚が畏怖する政治』に変わりました。・・・
のんびりなど構えてはいられないと思う人の働きぶりでしょう。
自民党総裁の座を狙い、ゆくゆくは総理になりたいと思う人は、
これくらいの働き方を5年も6年も続けられるか、
まずは自分の胸に手を当てて問うてみるべきです。」
(p157~p159)


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人がいる。スピーチがある。

2018-09-05 | 道しるべ
テレビのドラマなどに、
ほんのちょっとした役で、登場する人物が、
よく知る俳優だったりすると、オヤと思います。


さてっと、本を読んでいると、
実名が登場する場面があります。しかも、チョイ役で、
その一場面でしか出てこなかったりする。

そんな例
徳岡孝夫著「『戦争屋』の見た平和日本」(文藝春秋)に
古森義久氏が登場する場面がある。

それは
「1975年4月29日・・・
ベトナムも歴史に、そして数百万の人間の記憶に残る瞬間が、
とうとう来た。外国人記者団総撤退。・・」

この場面を読んでいたら、古森義久氏の名前が出てくるのでした。

「毎日新聞支局に残してきた古森義久記者が、全面外出禁止令の
中を車を運転してやって来た。やっぱりサイゴンに残りたいと言う。

『ベトコンを信用しているわけじゃありませんがね、
仕事がいっぱい残ってるんですよ。現地スタッフに給料も払って
やらなくちゃなりません。ぼくを置いて(サイゴン)出て下さい』

毎日の四人は再び議論をむし返したが、しかたがない
古森君の好きなようにさせようということになった。
四人はバンコクや東京からはせ参じた応援組だが、
古森君は本チャンのサイゴン特派員である。
ベトナム語が出来るし、サイゴンに知人も多い。
だれか一人を残さなければならないなら
彼が残るのが常識的な結論だった。・・」
(p143~145)

別の本からも、別の方を引用。
はい。こちらが本題かなあ(笑)。

谷口智彦著「安倍晋三の真実」(悟空出版)

「2016年4月、私も先輩格としてよく知っていた記者
・・・伊奈久喜さんが亡くなったときのことです。
・・弔電の電文でした。本当に、伊奈さんの闘病の一日を、
病床で立ち会った人にしか書けない中身でしたから、
送り主は誰かと皆が関心をかき立てたのです。
・・・そのとき、SPを先頭に立てた早足の集団が入ってきて、
最前列に向かいます。安倍総理でした。真っ先に献花をし、
遺族に挨拶をして、総理はまた風のように、
その場を去っていきました。

・・・前年の盛夏、ベッドサイドでの見舞いと勇気づけ、
告別式への名札の掲示、真率そのものの弔電と、
最後に告別式への出席と献花。・・・

2人はほぼ同年齢です。伊奈さんのご遺族に伺ったところ、
安倍総理が、父・晋太郎(当時外相)の秘書(政務)として
外務省に机を与えられたとき、伊奈さんは入社6年目・・
すでに外務省クラブ(霞クラブ)のキャップで、
2人はそのころ出会ったといいます。

役所からつく大臣秘書のうち、若いほうの秘書だったのが、
いま外交評論で活躍している宮家邦彦氏で、
安倍晋三、伊奈、宮家の3氏は、外相への尊敬で結ばれ、
目指すべき日本の方向で考えても一致して、
いつしか同志のような関係になったといいます。

ですから交際は、30年以上。察するに、
安倍総理も伊奈さんも、まだ若くて、
自分が将来どうなるか見通しなど立たず、
何者でもなかったころ、そのころ共有した時間を、
大切にし続けたということでしょう。」
(p99~102)

はい。伊奈久喜氏は私は知りません。
しかし宮家邦彦氏の名前は雑誌で知っておりました。

この本には、堤堯氏も一箇所登場しています(笑)。
それは安倍総理の米議会の演説をした箇所でした。
カッコ内で登場していました。

(演説の直後、その点を見抜いた炯眼の持ち主は、
元「文藝春秋」編集長でコラムニストの堤堯氏ただ一人でした。)
(p52)

そして、「安倍晋三の真実」の第四章では

「6年間近く毎月外国に出かけ、たくさんの指導者と会っていれば、
安倍総理には、ビジネスライクな関係を超えた、
真の友情を培う相手が幾人も現れました。
私は、これこそ国の宝だと思う者です。
まず、長くその座にいなければ、外国の指導者との友誼など
つくれません。長くいただけでも難しい。
お互いに敬意を払い合える関係をつくれるかどうかは、
人によるでしょう。・・・・
これこそが、国益を支える資産だと言っていいでしょう。
豪州ターンブル首相については既に述べました。
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領、
インドのナレンドラ・モディ首相、
先にも挙げたカタールのタミーム首長、
イスラエルのビヤンミン・ネタニヤフ首相や、
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領。
この中にはモディ首相のように、
安倍総理を相手に、仏教的、ヒンズー的文化の
共通性を強く確認し合おうとする人もあります。・・」
(p252)

「外部環境をこうして安心できるものにしていけば、
それは国内の長い闘い、つまり経済再建の努力に、
必ずやプラスに働くはずだという思いが総理にはあるのです。
日本は、同じ価値観をもった国々と緊密に繋がる国だと
世界に見せることは、日本の、国としての政治資本を高め、
容易なことでは手出しできない印象を与えます。
と同時に、未来に対して悲観したがる日本の若い人たちに、
『日本はこうした国々としっかり連なっている』『大丈夫だ』
と安心してほしい気持ちが、総理にはあるのでしょう。・・」
(p254)


はい。谷口智彦著「安倍晋三の真実」は、
はじめから私にはダイジェストはできないと思い。
こうして、この本の片鱗だけを紹介してみました。
読んでほしいのですが、
そうだ、ここは引用しておかなきゃ。

「安倍政権自体を潰したいならともかく
(そう思う人に意見を変えさせることを、
本書はもともと狙っていません)・・・」
(p155)
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未来を担う世代を前向きにし。

2018-09-04 | 短文紹介
谷口智彦著「安倍晋三の真実」(悟空出版)は、
読めば、マスコミの情報のご都合主義がよく理解できます。
ですが、私には、この一冊をうまくまとめられません(笑)。

ということで、簡単に、
正論10月号に載った谷口智彦氏の文の
最後を引用してみることに。

「安倍総理は、言うまでもありませんが、
自身に対しての賞賛を得たくて演説するのではありません。
また国内政局を意識する場合と違って、
外国向けのスピーチで総理が理解を求めるのは、
安倍晋三個人についてではなく、あくまでも
日本とは何か、何を目指す国かについてです。
 ・・・・・
日本を率いる指導者が自分の言葉で仲間を増やし、
理解者を作っていくことが、いまほど必要な時代は
過去にはありませんでした。かつその必要は、
この先ますます高まるでしょう。

これらに成功を収めると、それは国内の、
未来を担う世代を勇気づけるはず。
ひいては彼らを前向きにし、
経済成長にも資するはずなのです。
私のみるところ、この方程式は、
安倍総理が強く意識し続けてきたものでした。

私は本稿で述べてきた安倍総理の果たした役割、
積み重ねてきた言葉について、
より多くの理解が集まることを祈る一人です。
 ・・・・」(p73)

はい。
『安倍晋三の真実』は読み甲斐があります。
マスコミだけの情報で、どれだけの欠落、欠陥がでてしまうか、
それを、自身で知ろうとするのであれば、まず紐解いてほしい一冊。
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朝日新聞の「非生産」力。

2018-09-03 | 朝日新聞
私など、テレビのニュースを見ていると、つい、
画面に向かってツッコミを入れてたりします(笑)。

ツッコミといえば、月刊雑誌「正論」の
「メディア裏通信簿」という連載が健在。
取り上げているテーマがタイムリーなんです。
10月号では

「自民党・衆議院議員の杉田水脈が『新潮45』8月号で
LGBTについて・・・書いて、メディアが問題にして
いたが、杉田バッシングはちょっとやり過ぎじゃないか。」

と話し合いがはじまっておりました。


そういえば、『新潮45』8月号の特集は
「日本を不幸にする『朝日新聞』」です。

はい。何となくわかります。
この『新潮45』8月号は朝日新聞の広告から
はずされただろう。
そして、そこに掲載された杉田水脈氏の文に
難癖をつけるというメディアの手順。

その裏通信簿にはNHKも登場しており、
引用しておきます。

「8月3日のNHKニュースウォッチ9はもっと、
ひどくて、杉田がまるで、不出来な人間はいらない
という優生思想の持ち主かのように報じていた。
・・・・キャスターの桑子真帆が
『浅はかとも言える言葉に反発や嫌悪感を
覚えた人は少なくないのではないでしょうか』、
有馬嘉男も
『一人一人の価値を数字ではかるような考え方、
受け入れることはできません』と同調するだけ、
政治的中立のかけらもなかったぜ。」
(p327)

う~ん。子供や若い人が本を読まないのは
別に叱ることでもなくって、それより
ニュースキャスターが本を読まない。
ブラタモリの頃の桑子真帆さんなら、
タモリがやんわりと苦言を呈することもできたのに、
ニュースウォッチ9じゃ、そうもいかない。
素直に台本どおりなら、悩まない。
けれども、聞かされる方としては、悩ましい。
桑子真帆も有馬嘉男も、
どちらも『新潮45』8月号の
杉田水脈氏の文を読んでいないだろうね。

忙しくって、読めないというなら、
『新潮45』8月号の杉田水脈氏の文のはじまりだけでも
ここに、引用しておきますので、せめて、
このブログ読者だけでも読んでもらえたら(笑)。

「この1年間で『LGBT』(L=レズビアン、
G=ゲイ、B=バイセクシャル、T=トランスジェンダー)
がどれだけ報道されてきたのか。
新聞検索で調べてみますと、
朝日新聞が260件、
読売新聞が159件、
毎日新聞が300件、
産経新聞が73件ありました(7月8日現在)。
・・おおよその傾向が分かるのではないでしょうか。

朝日新聞や毎日新聞といったリベラルなメディアは
『LGBT』の権利を認め、
彼らを支援する動きを報道することが好きなようですが、
違和感を覚えざるをえません。
発行部数から言ったら、朝日新聞の影響の大きさは否めないでしょう。

・・・そもそも日本には、
同性愛の人たちに対して『非国民!』という風潮はありません。
一方で、キリスト教社会やイスラム教社会では、
同性愛が禁止されてきたので、白い目で見られてきました。
時には迫害され、命に関わるようなこともありました。
それに比べて、日本の社会では歴史を紐解いても、
そのような迫害の歴史はありませんでした。・・

どうしても日本のメディアは、
欧米がこうしいるから日本も見習うべきだ、
という論調が目立つのですが、欧米と日本とでは、
そもそも社会構造が違うのです。

LGBTの当事者の方たちから聞いた話によれば、
生きづらさという観点でいえば、
社会的な差別云々というよりも、
自分たちの親が理解してくれないことのほうが
つらいと言います。・・・・

リベラルなメディアは『生きづらさ』を社会制度のせいにして、
その解消をうたいますが、そもそも世の中は生きづらく、
理不尽なものです。それを自分の力で乗り越える力をつけ
させることが教育の目的のはず。
『生きづらさ』を行政が解決してあげることが悪いとは言いません。
しかし、行政が動くということは税金を使うということです。」
(~P58)

ここから『生産性』の言葉が登場する箇所となり、
メディアが囃し立て、この雑誌4ページほどの文を
読んではいないだろうニュースキャスターが、
メディアの囃し立てに乗ったコメントをする。


でも、聞かされる方としては、
ついつい、テレビに向かって語りかける。
おいおい、杉田水脈の文は読んだのかい。

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月刊「文藝春秋」のパワーダウン。

2018-09-02 | 短文紹介
正論10月号発売。
まず、私が読んだのは
西尾幹二と花田紀凱の対談。題は
「左翼リベラル『文藝春秋』の自滅」。
なんとなくわかるけれども、
何だか、題だけじゃ理解できないなあ。


ということで、対談の分かりやすい箇所。

花田】 今の「文藝春秋」には毎号、
「これは読まなければ」という記事、論文がないですよね。

西尾】 たしかにそうだ。不思議だね。

 ・・・・・・・・

花田】・・病気話とか年寄りくさいし、
企画が安易です。もうそんな雑誌になってしまった。
(p274)


たとえば、花田さんはこう指摘しております。

「安倍政権批評はいいとしましょう。しかし、
自民党の国会議員407人アンケートなんてひどかったですよ。
回答を寄せたのはたった27人。しかも、
石破さんとか村上誠一郎さんとか、
もともと安倍政権の批判をしているような人ばかり。
全盛期の『文藝春秋』なら、アンケートをすれば
少なくとも100人は答えたと思いますよ。
僕が編集長であれば、27人しか回答がなければ
掲載をやめますよ。
あるいはもっと努力して、直接頼むとか
コネを使うとかして、100人ぐらいの回答を
集めて掲載しますよ。雑誌として相当
パワーダウンしてるというのを
感じざるを得ません。」


はい。ここでの引用はここまで。
雑誌を買えば詳しく読めます。

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最近の産経抄。

2018-09-01 | 産経新聞
産経新聞の産経抄。
8月29日に

「・・今年3月に小牧基地(愛知県小牧市)で開かれた
航空祭では、ブルーインパルスの展示披講が中止となり、
来場は前年の約6万2千人から約1万人に減ってしまった。
地元の団体が『航空法違反にあたる』として、
名古屋地検に提出した告発状が関係しているらしい。

埼玉県鴻巣(こうのす)市では、
地元の共産党市議らが、10月に行われる空自の
航空ショーそのものの中止を求めている。
『航空ショーは戦闘と切り離すことができない』
というのだ。

今月20、21日には市内のショッピングセンターで
予定されていた自衛隊のイベントが、やはり
共産党市議らの反対で、中止に追い込められたばかりである。
・・・・」


私など、こうした共産党市議の活躍は
産経抄でしか、知ることができませんでした。
う~ん。大震災や大災害に見舞われる県で、
共産党が強い県は、いったいどこなのか?
自衛隊派遣の遅滞が、かかっているので、
是非知ることができれば、ありがたい。

さて、今日9月1日の産経抄は
こうはじまります。

「かつて新聞2紙の社説に『万死に値する』と
名指しされた人物がいた。当時、
首相在任中だった民主党の鳩山由紀夫氏である。
米軍普天間飛行場の移設先をめぐり、
当初は華々しく『最低でも県外』と唱えながら、
迷走の果てに元の名護市辺野古案に立ち返った。

『罪万死に値する失政である』。平成22年5月29日
付の日経新聞社説は、こんな書き出しだった。
23年2月14日付の沖縄県の地元紙、琉球新報の社説は
もっと手厳しい。『政治音痴の素人政治家が国を動かし、
国民を翻弄し、政治不信を高める。万死に値する大罪だ』。」

つぎに、産経抄の最後も引用。

「民主党の後裔である立憲民主党は
・・・・
『どうしても、(国会)閉会中は
野党の報道は少なく、何をしているか分からない』。
枝野氏は党勢が伸びない理由をこう分析したが、
支持率低下は国会開会中に始まっている。
むしろ、立憲民主党を見守ってきた層が、
幻滅して離れつつあるのではないか。」


はい。一面のコラムを花鳥風月で埋める間のなく、
切迫した政治状況を、やんわりと教えてくれています。


朝日新聞はどうしているか。
花田紀凱の週刊誌ウォッチング(9月1日)では、
「週刊朝日」を最後に取り上げていました。

「『週刊朝日』(9・7)があきれた新連載。
『前川喜平の針路相談室』」
歌舞伎町の出会い系バーで、貧困女子の
相談に乗っている方がお似合いだろう。」

うん。朝日新聞は見ていないのですが、
朝日新聞の『週刊朝日』の広告は、
新連載がデカデカと踊っていたのが、
目に見えるようです。

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