日帰りでの登頂が難しかったトムラウシ山も,短縮ルートが出来て以来山頂ピストンの日帰り登山が主流を占めるようになってきた.しかし,周辺にお花畑が広がるこの山,それらを見ないで帰って来るにはあまりにももったいない山である.今回はトムラウシ山界隈のお花畑と景色を存分に楽しむために,ヒサゴ沼テント2泊で楽しんでくることにした.縦走するか,ピストンするかかなり迷ったが,車の回収等の手間と時間を考えて,短縮ルートから往復することにした.前日の7月15日,夕張のホテルを遅めに出発し,十勝清水で昼食をとり,トムラウシ温泉のキャンプ場にテントを張って1泊した.そして朝6時,短縮ルート駐車場に移動し,出発する.
7月16日(1日目)
短縮ルートの駐車場は7~8割の駐車率で,ほとんどの人がもう出発した後だった.おそらくは日帰りの登山者が圧倒的に多いのだろう.15分ほど歩いてトムラウシ温泉からの道に合流する.そのあたりは笹が混じるツガの樹林帯で,登山道脇を探すとキソチドリらしき花が咲いていた.これがあるところには他にも変わったものがあるのでは?と探しながら歩くと,出会ったことのない小さな白い花を発見した.まだ蕾で咲いていない.

トムラウシ山短縮ルートの駐車場

キソチドリと思われる花

この小さな白い花は?帰りに咲いていることを期待する.
緩急のある登りを進むとカムイ天上というところに出るが,眺望は無い.その少し先に旧道との分岐があるが,旧道は閉鎖されている.その先は単調な笹原の道が続くが,途中から雲海の上に抜け,一面に広がる雲海の景色を見ることができた.

カムイ天上.展望は無い.

笹原から見下ろす雲海.右の山は十勝連峰か?
1時間ほど笹原の道が続き,今度は沢に下りる急下りとなる.下ったところがコマドリ沢で,まだ雪渓が残っていた.踏み跡に従って進んで行くと雪渓の上に右に曲がる赤ペンキのサインが施してあり,ここからは雪渓の登りとなる.かなり長い雪渓が続き,雪渓が終わると今度は岩ゴロゴロのモレーンの道,さらにハイマツの急登と続き,登りついたところで前トム平という平坦地に到着する.ここに着いてようやくトムラウシ山の全容が見えるようになる.

コマドリ沢雪渓に書かれたペンキサイン

霧の立つコマドリ沢雪渓を登る.どこまで続く,この雪渓?

今度は岩ゴロゴロの道,さらにハイマツの急登.

前トム平直前のお花畑.イワブクロとチシマキンレイカ.

チシマキンレイカ

前トム平
前トム平から見るトムラウシ山はもうすぐそこに見えるのだが,登山道はこの先一旦トムラウシ公園という湿地に一旦下がり,さらに左側(南側)に大きく巻いて南沼から登るように着いている.見た目よりも山頂はかなり遠い.まずは南沼を目指す.

トムラウシ公園に下りる手前から見るトムラウシ山.雲が巻いている.

トムラウシ公園.公園の中を綺麗な水が流れ,チングルマやエゾノコザクラ,エゾノツガザクラなどがたくさん咲く.

トムラウシ公園から見るトムラウシ山.
トムラウシ公園の雪渓を過ぎてその先の南沼までの斜面は,様々な花が一面に咲くお花畑になっていた.すっかり足が止まってしまう.

ベニバナミネズオウとエゾノハクサンイチゲ.

チングルマのお花畑

コマクサ

真っ赤な色のコマクサが一株.

マルバシモツケ

一面にイワヒゲの咲く斜面

チングルマとエゾノツガザクラ

チングルマのお花畑と南沼のテント場.

南沼の分岐点とトムラウシ山.
南沼のテント場に到着したのは午後2時になってしまう.トムラウシ山を越えてヒサゴ沼まで行くことも可能なのだが,ここからヒサゴ沼まではまだ6kmもある.そしておそらくはこの先も花がいっぱい,ということを考えると,山頂を後回しにして山裾を北沼に行くルートをとることにした.思った通り,この先の北沼に至る山裾ルートは美しい雪渓と花の咲く素晴らしい景色が待っていた.

お花畑と雪渓.おそらく雪渓の下は小さな沼になっているのだろう.

キバナシャクナゲの群落

ミヤマオグルマ

北沼
北沼を過ぎると一旦岩ゴロゴロの急下りとなる。その先は木道の整備された道が現れ、ハイマツとお花畑の中に岩が混じる美しい場所や、日本庭園と呼ばれる自然に出来た庭園のようなところが続々と現れた。(天候いまひとつだったので、このあたりの画像は3日目の帰路でお楽しみください。)

エゾオヤマノエンドウ

ウスユキトウヒレン

雪渓と池と岩と高山植物が織り成す日本庭園
木道を過ぎてまた急下りとなって、ヒサゴ沼への分岐点に到着する。ヒサゴ沼へはモレーン帯を過ぎた後に雪渓の下りとなり、最後のところは急傾斜となっているため、真直ぐは下りずの大きくくの字を描いて池まで下りた。さらに雪渓の残る斜面をトラバースして横切り、午後6時ヒサゴ沼避難小屋とテント場に到着した。花や景色は存分に楽しめたがやや長い行程だった。

ヒサゴ沼分岐点。

先行する5人組のあとを追いかけるように歩く。この先が急下りとなり、そこで追い抜く。

ヒサゴ沼避難小屋(左)とトイレ。トイレは旧型の貯留タンク式ポッチャントイレ。
ヒサゴ避難小屋はツアーの団体客や数組のグループが宿泊しているらしくかなり混雑していた。空いていれば小屋泊りも考えたが、混んでいるので予定通りテントに泊まることにする。テント設営し、夕食を食べている頃にまたしても夕立となり、雷こそ鳴らないものの雨となった。テントの防水が不十分なことは先日のピパイロ岳で承知していたので、テント内の荷物はビニール袋に仕舞い込み、シュラフにはシュラフカバーをかけた。
雨は1時間ほどで上がり、その夜は星が輝いた。眠る前に三脚とカメラをセットし、対岸の山の上を天の川が立ち上がる様子を連続撮影するようにタイマーをセットしてから眠りに着く。しかし、下山後にパソコンで映像を開いて見ると、20分ほど撮影した後はレンズが結露してしまっていて、天の川が立ち上がるところまでは写っていなかった。

夕立が去った空に星が輝く。雲が光っているのはその向こうに沈み行く月があるため。

天の川。あと1時間撮影できていれば真直ぐに立ち上がる天の川が写ったであろうが、この後はレンズが結露して写っていなかった。
明日は化雲岳、五色岳を越えて五色ヶ原あたりまで往復したいが、全ては明日の天気次第だ。朝起きてから考えることにする。
7月16日(1日目)
短縮ルートの駐車場は7~8割の駐車率で,ほとんどの人がもう出発した後だった.おそらくは日帰りの登山者が圧倒的に多いのだろう.15分ほど歩いてトムラウシ温泉からの道に合流する.そのあたりは笹が混じるツガの樹林帯で,登山道脇を探すとキソチドリらしき花が咲いていた.これがあるところには他にも変わったものがあるのでは?と探しながら歩くと,出会ったことのない小さな白い花を発見した.まだ蕾で咲いていない.

トムラウシ山短縮ルートの駐車場

キソチドリと思われる花

この小さな白い花は?帰りに咲いていることを期待する.
緩急のある登りを進むとカムイ天上というところに出るが,眺望は無い.その少し先に旧道との分岐があるが,旧道は閉鎖されている.その先は単調な笹原の道が続くが,途中から雲海の上に抜け,一面に広がる雲海の景色を見ることができた.

カムイ天上.展望は無い.

笹原から見下ろす雲海.右の山は十勝連峰か?
1時間ほど笹原の道が続き,今度は沢に下りる急下りとなる.下ったところがコマドリ沢で,まだ雪渓が残っていた.踏み跡に従って進んで行くと雪渓の上に右に曲がる赤ペンキのサインが施してあり,ここからは雪渓の登りとなる.かなり長い雪渓が続き,雪渓が終わると今度は岩ゴロゴロのモレーンの道,さらにハイマツの急登と続き,登りついたところで前トム平という平坦地に到着する.ここに着いてようやくトムラウシ山の全容が見えるようになる.

コマドリ沢雪渓に書かれたペンキサイン

霧の立つコマドリ沢雪渓を登る.どこまで続く,この雪渓?

今度は岩ゴロゴロの道,さらにハイマツの急登.

前トム平直前のお花畑.イワブクロとチシマキンレイカ.

チシマキンレイカ

前トム平
前トム平から見るトムラウシ山はもうすぐそこに見えるのだが,登山道はこの先一旦トムラウシ公園という湿地に一旦下がり,さらに左側(南側)に大きく巻いて南沼から登るように着いている.見た目よりも山頂はかなり遠い.まずは南沼を目指す.

トムラウシ公園に下りる手前から見るトムラウシ山.雲が巻いている.

トムラウシ公園.公園の中を綺麗な水が流れ,チングルマやエゾノコザクラ,エゾノツガザクラなどがたくさん咲く.

トムラウシ公園から見るトムラウシ山.
トムラウシ公園の雪渓を過ぎてその先の南沼までの斜面は,様々な花が一面に咲くお花畑になっていた.すっかり足が止まってしまう.

ベニバナミネズオウとエゾノハクサンイチゲ.

チングルマのお花畑

コマクサ

真っ赤な色のコマクサが一株.

マルバシモツケ

一面にイワヒゲの咲く斜面

チングルマとエゾノツガザクラ

チングルマのお花畑と南沼のテント場.

南沼の分岐点とトムラウシ山.
南沼のテント場に到着したのは午後2時になってしまう.トムラウシ山を越えてヒサゴ沼まで行くことも可能なのだが,ここからヒサゴ沼まではまだ6kmもある.そしておそらくはこの先も花がいっぱい,ということを考えると,山頂を後回しにして山裾を北沼に行くルートをとることにした.思った通り,この先の北沼に至る山裾ルートは美しい雪渓と花の咲く素晴らしい景色が待っていた.

お花畑と雪渓.おそらく雪渓の下は小さな沼になっているのだろう.

キバナシャクナゲの群落

ミヤマオグルマ

北沼
北沼を過ぎると一旦岩ゴロゴロの急下りとなる。その先は木道の整備された道が現れ、ハイマツとお花畑の中に岩が混じる美しい場所や、日本庭園と呼ばれる自然に出来た庭園のようなところが続々と現れた。(天候いまひとつだったので、このあたりの画像は3日目の帰路でお楽しみください。)

エゾオヤマノエンドウ

ウスユキトウヒレン

雪渓と池と岩と高山植物が織り成す日本庭園
木道を過ぎてまた急下りとなって、ヒサゴ沼への分岐点に到着する。ヒサゴ沼へはモレーン帯を過ぎた後に雪渓の下りとなり、最後のところは急傾斜となっているため、真直ぐは下りずの大きくくの字を描いて池まで下りた。さらに雪渓の残る斜面をトラバースして横切り、午後6時ヒサゴ沼避難小屋とテント場に到着した。花や景色は存分に楽しめたがやや長い行程だった。

ヒサゴ沼分岐点。

先行する5人組のあとを追いかけるように歩く。この先が急下りとなり、そこで追い抜く。

ヒサゴ沼避難小屋(左)とトイレ。トイレは旧型の貯留タンク式ポッチャントイレ。
ヒサゴ避難小屋はツアーの団体客や数組のグループが宿泊しているらしくかなり混雑していた。空いていれば小屋泊りも考えたが、混んでいるので予定通りテントに泊まることにする。テント設営し、夕食を食べている頃にまたしても夕立となり、雷こそ鳴らないものの雨となった。テントの防水が不十分なことは先日のピパイロ岳で承知していたので、テント内の荷物はビニール袋に仕舞い込み、シュラフにはシュラフカバーをかけた。
雨は1時間ほどで上がり、その夜は星が輝いた。眠る前に三脚とカメラをセットし、対岸の山の上を天の川が立ち上がる様子を連続撮影するようにタイマーをセットしてから眠りに着く。しかし、下山後にパソコンで映像を開いて見ると、20分ほど撮影した後はレンズが結露してしまっていて、天の川が立ち上がるところまでは写っていなかった。

夕立が去った空に星が輝く。雲が光っているのはその向こうに沈み行く月があるため。

天の川。あと1時間撮影できていれば真直ぐに立ち上がる天の川が写ったであろうが、この後はレンズが結露して写っていなかった。
明日は化雲岳、五色岳を越えて五色ヶ原あたりまで往復したいが、全ては明日の天気次第だ。朝起きてから考えることにする。