山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

樽前山のタルマエソウ 北海道遠征6  平成25年7月19日

2013年07月30日 | 圏外編
 北海道遠征も最終日となったこの日は夕方7時半苫小牧東発のフェリーで新潟に渡る予定である。しかし、北海道に来てこの方に会わずして帰るわけには行かない。トムラウシ山に登る前日と下山後に連絡をとる。その方とは・・・平成22年10月に北海道を訪れた時に樽前山と札幌岳をご案内していただいたブログ仲間のtarumae-yamaさんだ。今回は恵庭岳あたりに行きたかったのだが、トムラウシ山下山後の私の体調が悪過ぎた。前日は札幌市街のホテルに泊まったが、登山疲れと運転疲れがどっと出て、ホテルに到着するともう出かける元気も無くグッタリ。ススキノにくり出す元気など全く出ず、風呂に入ってすぐにベッドに倒れ込むように寝てしまった。翌朝も疲れが抜けず、手足と顔がむくんでいるような感覚がある。おそらくはこうなるだろうと予想して、前日の打ち合わせできつい登りのある恵庭岳は避けてタルマエソウが見頃を迎えている樽前山を指名した。7合目まで車で行ける登り易い山だが、それでも登れるかどうか、一抹の不安があった。

 朝9時、札幌場外市場に行ってお土産を買い、11時半に樽前山7合目の駐車場でtarumae-yamaさんと待ち合わせする。平日だというのに駐車場はほぼ満車に近い。12時少し前に出発するが、案の定tarumae-yamaさんのピッチに全く付いて行けない。風不死岳(ふっぷしだけ)分岐あたりでは軽い吐き気を催し、ペースダウンしてもらってなんとか稜線の大岩のところまで登り、そこで昼食をいただく。tarumae-yamaさんの奥様が準備してくれたハスカップの漬物が入ったおにぎりをいただき、水を思い切り飲んでようやく若干体調が改善し、ピッチは上がらないものの歩けるようになった。

    樽前山7合目駐車場。平日なのに満車近い。


    支笏湖を望みながら反時計回りに樽前山周回する。


    モウセンゴケ。湿地帯に生えるものかと思っていたが、この山には普通に生育している。


    寄生植物オニノヤガラ。数本発見。


    タルマエソウ(イワブクロ)と樽前山。こちら側からは樽前ドームは見えない。


    タルマエソウ

 5時までに下山すればフェリーには十分間に合うので、時間はたっぷりある。この先は樽前ドームと見頃を迎えたタルマエソウを見ながら花三昧で歩く。標高1,000mほどしか無い山なのに、ここは森林限界を越えた八ヶ岳硫黄岳界隈を歩いているような雰囲気がある。

    満開のタルマエソウと樽前山ドーム


    イワギキョウ


    タルマエソウとドーム


    まずは西山に登る。


    西山山頂近くに咲いていたイワギキョウ


    コケモモの群落


    西山山頂。草むらの中を覗きながら歩く2人はまるで花見隊。

 西山山頂から東山(樽前山山頂)にかけての稜線は海を望むことができる。樽前山は苫小牧市に属しており、海からは近い位置にある。そのため海風が吹き海雲が発生しやすく、しばしば山は霧におおわれる。あっという間に霧に囲まれたかと思えばまたすぐに晴れる。

    海雲が湧く樽前山


    タルマエソウと樽前山とtarumae-yamaさん。


    噴煙を上げる樽前ドーム。しかし、平成22年に来た時よりはおとなしい。


    途中で寄り道。この山にコマクサがたくさん咲いているが、これは誰かが持ち込んだものらしい。増殖の勢いが凄くもはや駆除は困難と思われる。


    樽前山山頂

 午後3時45分、ゆったり歩きでなんとか山頂に到着した。この山を知り尽くしているtarumae-yamaさんのご案内だったので、花を余すことなく楽しむことができた。しかしコマクサがこれほどたくさん咲いているとは驚いた。かつては登山道から見えなかったらしいが、今では登山道から覗き見られる位置まで広がっている。今後の植生の変化が心配である。

 お世話になったtarumae-yamaさんに別れを告げ、苫小牧東港に向かう。6時前に到着し、余裕でフェリー乗車に間に合った。2週間という長期休暇はもう退職するまではとれないかもしれない休暇だった。幌尻岳を除けばほぼ予定通りの山に登ることができ、充実した2週間だったと思う。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする